問責決議

私どもは平成28年6月10日に、名古屋市会定例会に「河村たかし名古屋市長の市政運営に対して、市長としての資質及び政治的責任を問い、良識ある名古屋市会として問責決議等の措置を講ずることを求める陳情書」を提出致しました。

河村たかし名古屋市長の市政運営に対して、市長としての資質及び政治的責任を問い、良識ある名古屋市会として問責決議等の措置を講ずることを求める陳情書


(陳情事項)

河村市長の言動と市政運営には以下の理由に示すように問題が余りにも多い。このような在り方を放置することは、伝統と文化を誇る名古屋市の長として相応しいものではない。ここに、名古屋市会は良識ある市民の代表として、問責決議等の具体的行動を取られることを求めるものである。

(陳情の理由)

1.名古屋城問題

今般、河村市長は名古屋城天守閣木造復元化計画に対して広く民意を問うものとして、巨額の血税を投入し2万人市民アンケートを実施した。この結果からも明らかなように、市長の提案は市民によって明確に否定された。しかるに市長は名古屋市会6月定例会に建設推進の予算案を提案している。こうした市政運営は市民の民意を全く無視するものであり到底容認できない。

2.日立問題

現在、名古屋市は株式会社日立製作所から約5億円の損害賠償請求訴訟を起こされていると報道されている。このことこそが不祥事であり極めて大問題である。名古屋市は如何なる理由から、日立に対してかような多額の損害を与えてしまったのか、また、ADR(裁判外紛争解決手続)でその損害賠償に対して約1億5千万円の和解案が提案されたが、市長はこれを拒否したとも仄聞している。この問題に対して市長をはじめ名古屋市は市民に対し十分な説明責任を果たしていない、その姿勢は誠に不適切である。河村市長の政治的責任を問うものである。

3.その他の事項

3大公約の柱、地域委員会の自然消滅、金持ち優遇の市民税5%減税の実施、一向に姿の見えない中京都構想や実体不明の尾張名古屋共和国構想、私的財産への不当介入である鳥久問題、SL構想の頓挫、先般の副市長解任騒動等々、単なる思い付きや人気取りのみに終始した失政の数々は断じて看過できないものである。

4.市長の任期問題

河村市長は、新聞紙上において、普通は市長を務めるのは2期まで。3期、4期となると悪くなっていくと述べている。政治家の言葉は重い。来年4月に河村氏は任期満了を迎える。この点に関して出処進退を明確にするように、その真意を是非とも問いただして頂きたい。

以上の趣旨及び理由を市会議員の皆様に是非ともご理解いただき、賢明なる判断を仰ぎ、私たちの切なる願いを実現してくださいますように陳情申し上げます。

一部、同陳情書について補足のご説明を申し上げます。

1.名古屋城問題

平成28年6月1日、名古屋市会経済水道委員会に名古屋市観光文化交流局が提出した「名古屋城天守閣の整備・2万人アンケートの結果等について」によれば、名古屋城天守閣の整備の考え方に対し、市長提案である「2020年7月までに優秀提案による木造復元を行う」に賛意を示した市民は21.5%にとどまり、整備案の中で最下位でありました。

2.日立問題

主張の根拠は平成28年3月26日の各紙報道等によります。

また、報道では損害賠償請求の額は4億8600万円との事でありますが、紙幅の都合上、約5億円と記載致しました。

この問題は、いやしくも5大都市である名古屋市が、一私企業に事故や過失によらない損害を被らせたという問題であり、名古屋市政始まって以来の不祥事と言って良い。

一体いかなる事情から斯様な問題が惹起したのか、議会は事実関係について明確にし、市民に説明する責務があると思慮いたします。この問題に関しては、問責決議の他にも、この事実関係の究明のために、百条委員会の設置などを通して、市民に事実を明らかにしていただきたいと願います。

3.その他の事項

その他、割愛した問題として。愛知県との二重行政を生み出そうとしている国際展示場の問題。南大津通の中央分離帯撤去問題。広小路周辺での屋台村構想。名古屋市と友好都市である南京市の要人に不用意な発言を行い、両都市間の交流が疎外されている問題。自ら任命している人事委員会の勧告を無視して職員給与を上げないとした問題。自ら公布した名古屋市議会基本条例の定めを無視して議会報告会の予算を付けずに開催を怠っている事実等々があります。

4.市長の任期問題

平成25年4月23日の毎日新聞紙上のインタビューによると。

記者「市長を務めるのは2期までか。」

河村市長「普通はそう。3期、4期となると悪くなっていく。」と述べている。

しかるに本年1月4日の年頭記者会見において、藤沢忠将議長の「市長はずっと『2期(8年)まで』と言っており、約束を守る人だ」との発言に対して「(2期までと)断言した記憶はないが」と曖昧な回答をしている。