第42回展は 2024年11月20日(水)~24日(日) 京都市中京区堀川御池ギャラリ-A開催。ご高覧下さい❣
「まあ、ぼちぼちやってくれ」
一匠会は1977(S52)年、故 番匠宇司教授の呼びかけで、京都教育大学特修美術科・美術科工芸専攻生同窓会展として始められました。先生は昭和24年から61年まで(学校の名称は京都師範学校、京都学芸大学、京都教育大学と変わりましたが)37年間にわたり一貫して工芸科において教鞭をとられました。我々工芸科生にとってまさに恩師と呼ぶにふさわしい先生でした。美術科の他の専攻(洋画/日本画/彫塑/構成)には無い卒業生の縦の会「工芸会」なる物があった事からもその存在の大きさが伺えます。
先生は自らアトリエで制作され、私たちはその背中から制作の姿勢、ものの見方等多くを学びました。今この会場に工芸作品のみならず、彫塑、絵画、インスタレーション等々多様な作品が並んでいるのも、我々が受けた自由で伸びやかな教育の賜物と感じます。また、「まあ、ぼちぼちやってくれ」、「ひっくり返してみたまえ」等々、今も心に響く言葉を沢山頂きました。一匠会をはじめられたのも、私達がそれぞれの場で製作を続けることを願われてのことだと思います。
一匠会は1977(S52)年大阪府民ギャラリーで第1回展を開催しました。その後、京都・大阪と活発に発表を重ねましたが、第7回展を終えた1985(S60)年頃から会を取り巻く状況が変化、番匠先生は新設された鳴門教育大に赴任し京都を離れられ、中心メンバーはそれぞれの仕事の場で多忙を極めるようになり、やむなく一旦活動を休止しました。しかし数年後、金属工芸講師であられた故 倉賀野茂樹先生からの助言や、鳴門からの番匠先生の応援があり、次第に会員達の中で再開をもとめる声が高まりました。そして1990(H2)年、発足当初からの中心メンバーであった田邊守人、河野荘二、今泉郁子各氏(以上故人)、川嶋正富氏、西田省三氏等を中心に、一匠会事務局は再発足し、同年8月、第8回展を再開、新しいスタートを切りました。
その後一匠会は歩みを重ね、「ギャラリーみすや」において、第30回記念展を、今秋は「堀川御池ギャラリー」で第40回記念展を迎える運びとなりました。発足当時20代だった会員は、還暦、退職を迎える歳になり、多くの先生方、お世話になった方々が故人となられる中、2016年、「工芸会」は全専攻を巻き込んだ「教育大アートフォーラム」に発展的解消を遂げ、流れた歳月を思う昨今ですが、各々が自分の場所で作品を作り続けた充実感と、この一匠会が世代、職業を超えた交流の場となり、新しい会員を迎え近年一層充実してきたことを喜ばしく思っています。
40年にわたり参加、応援して下さり会場に足をお運びいただいた方々に、心から感謝申し上げます。これからも番匠先生が言われた「おもちゃ箱をひっくり返したような」展覧会であることを願って…「まあ、ぼちぼちと行きましょう」
皆様ありがとうございました。そしてこれからも宜しくお願い致します.
一匠会世話役 代表 牧野 章子
第42回展案内ハガキ
会期 2024年11月20日(水)-24(日)