海棲哺乳類の生態と低温環境への適応の
解明にむけて
開催概要
第3回 同位体物質循環フォーラム 〜海棲哺乳類の生態と低温環境への適応の解明にむけて〜
日時:2020年11月30日・12月2日
場所:北海道大学低温科学研究所・交流ラウンジ
参加費:3000円
オンライン参加費:無料
申込〆切:令和2年10月30日(金)
※ 新型コロナウィルスの感染拡大防止のため,参加者の人数を制限します(オンライン参加は制限しません)。大変申し訳ありませんが,ご理解いただけますと幸いです。
※ 11/17に,北海道の警戒ステージが3に,札幌市の警戒ステージが4になりました。参加のキャンセル(オンライン参加への変更)を受け付けますので,世話人までe-mailにて問い合わせ下さい。
世話人:
力石 嘉人 北海道大学低温科学研究所(ychikaraishi_AT_lowtem.hokudai.ac.jp)
滝沢 侑子 北海道大学低温科学研究所(takizaway_AT_lowtem.hokudai.ac.jp)
開催趣旨
この10年,アミノ酸の安定窒素同位体比解析法は,生態系の食物連鎖構造(各生物の栄養段階とその繫がり,エネルギーフロー)を見積もる強力な手法として,国内外で積極的に研究され,様々な応用研究で成果をあげている。しかし,この解析法は,寒冷圏に生育する生物・生態系には,うまく適用できないという重大な欠点がある。それは,(1) 寒冷圏の植物・動物が,夏期に獲得したエネルギーをタンパク質・脂質などの形で多量に貯蔵し,冬期を生き抜くためのエネルギー源として利用する仕組みを卓越させていること,(2) 現行の解析法では,この「貯蔵物質生産・消費のフラックス」を捉えることが不可能なこと,そして,(3) 寒冷圏の生物は大型種が多く,同位体生態学で非常に重要なアプローチである「エサをコントロールした環境下での長期間(同位体的にstationary phaseになるまで)の飼育」が難しいためである。
第3回同位体物質循環フォーラムでは,アザラシなど寒冷環境に生育する海棲哺乳類の生態学・行動学を活発に研究されている先生をお招きし,生理学・生物学・行動学・生態学・進化学などの視点から,彼らの「寒冷環境への適応」の理解を深め,また,その「適応」を定量的に理解するための科(化)学的手法の可能性について議論する。
プログラム
(より効率的な流れにするため,プログラムを変更しました。澁谷先生の講演が2日目に移動していますので,ご注意下さい)
日時
2020年11月30日 13:00(開場)
13:20 - 13:30 趣旨説明
13:30 - 15:00 講演 力石嘉人(北海道大学)
同位体生態学の現状と課題
15:15 - 16:45 質疑応答
日時
2020年12月1日 13:30(開場)
13:50 - 14:00 趣旨説明
14:00 - 16:30 特別講演 澁谷未央 先生(千葉科学大学)
海棲哺乳類の生態学的(生態・行動学的)理解 〜トッププレデターを科学する意義〜
16:45 - 17:45 質疑応答
2020年12月2日 10:00(開場)
10:30 - 12:00 総合討論-I
同位体生理学のこれから 〜生物の低温環境への適応とその理解〜
13:30 - 15:00 総合討論-II
同位体生態学のこれから 〜寒冷圏の食物連鎖構造の可視化〜
15:15 - 16:45 総合討論-III
分析化学的な側面 〜今後10年の同位体生理学・生態学に必要な分析技術と方法論〜
研究室見学会
日時 2020年12月1日 10:00 - 12:00
第3回フォーラムの中日に,同位体物質循環分野の研究室(飼育室,前処理室,測定機器室)の見学会を行います。