アトピー性皮膚炎は、たまに塗り薬を使うだけで大丈夫な人から、塗り薬を長期連用され、なかなか治まらない人までいろいろな状態があります。
それぞれの年齢、環境などもみんな違います。
そして体質や症状によって、治療も対策も違ってきます。
夜に痒くなる体の仕組みとしては…
夜は、免疫を高め体の掃除をするために、免疫抑制効果のあるステロイド生産を中止します。
体のステロイド生産を止められると炎症がひどくなったりして、痒みが増し、なかなか眠れなくつらい夜になります。
そして朝方になると、日光の刺激などにより徐々にステロイド生産が始まり、かゆみなどの症状は和らいで落ち着いてきます…
が!
学校や仕事でそれからではゆっくり寝ていられません。
ので、慢性的に睡眠不足、ひどい場合はうつ症状まで出てきます。
アトピーではない母親までうつ症状が出ているケースもよくあります。
(お子さんの深夜のかゆみに付き添った結果。)
ステロイドやプロトピックなどの薬を連用されているうちは、なかなか治らないと思っています。
(赤ちゃんや子供は皮膚の生まれ変わりが早い、又はアレルギーの原因となるものが体内で少ない状態だと考えております。)
状態により漢方との併用を提案する事がございますが、まずはお気軽にご相談下さい。
【当店では次のような対策を提案しています。】
★症状が軽く、全身的にも問題が無い場合は簡単な食事療法で様子を見ます。
(早く効果を出したい場合は漢方も併用します。)
★中程度の場合は、少し厳しい食事の注意、漢方の併用と日常生活の改善を提案。効果が表れるまで、必要に応じ塗り薬も併用します。
★重症の場合、かなり厳しい食事の改善、漢方も皮膚だけでなく全身の状態のバランスを整え、塗り薬を併用し日常生活の問題点を治るまで改善してもらいます。
※どの段階であってもステロドを使用していた方の急な使用中止はリバウンドがひどく出る場合がありますのでオススメしていません。
徐々に良くなっていくうちに自然にステロドの使用量が減っていかれる方が多いからです。
(少しのステロドでよく効いてきたり、気づきがあります。)
当店が提案している食事療法
【第一段階】
料理に使う白砂糖を黒砂糖に代え、量も少なめにします。
ケーキ、アイスクリーム、チョコレート、スナック菓子など間食として食べる甘いものと、甘い果物、ジュースなどできるだけ少なくします。
(※甘いものは痒みを増します。)
油炒め、てんぷらなど油を多く使う料理も少なくします。
その他、多く飲み食いしているものがあればチェックします。(牛乳などの乳製品など…)
【第二段階】
甘い物、砂糖・油を使った料理の制限を強化し、スーパーなどでも砂糖や油が入っていない物を選ぶ。
肉類、卵、養殖の魚、牛乳、バター・チーズなどの乳製品、ラーメン類も制限し、砂糖や脂の入った調味料
(マヨネーズ、ソース、ケチャップ、ドレッシングなど)を使わない。
外食はできるだけ避け、やむを得ない場合は、できるだけ『うす味』の料理を選ぶ。
【第三段階】
第一、第二段階の制限をさらに強化し、料理は全て手作りにする事が理想的。
完全な玄米菜食。
砂糖、油(動物性・植物性にかかわらず)を一切使わない。間食は止め、必要ならお茶漬け、おにぎり、イモ類、豆類その他、自家製のおやつに限る。
味付けはコンブ、かつお節などで、『だし』を取り、みそ、しょうゆ、塩、わさびなどもできるだけ品質の良い物を選びます。
以上が制限してもらう主な物です。もちろん農薬、添加物などを含まない物が望ましいですが、なかなか手に入りにくく、値段も高いです。
したがって、無農薬、無添加に神経を使う前に上記の事を実行してもらいます。
■逆に積極的に食べて欲しい物は…
★米、麦、玄米などの穀類をできるだけ多く食べる。
★野菜は毎食できるだけ多く(生は避け、煮込む)、海草、天然の魚(旬な魚は養殖が少ない)・小魚・なっとう・豆腐・きのこ類などは毎日、豆類(ピーナッツなどのナッツ類はダメ)、イモ類などは時々食べる。できるだけ旬の物を選べば、おいしいし、安いです。
★日頃、上記のような食事を心掛ければ時には少量であれば肉も卵も食べても良いです。
肉を『だし』にした鍋物もOKです。
しかし、上記の事を実行するのは非常に困難です。
でも知らないよりか知っている方が良いし、少し気にかけるだけでも今までとはずいぶん違ってきます。
ただ完全にできるのであれば、是非オススメしています。
漢方の効果の表れもとても良くなります。
ダニ、ホコリ、カビ、汗、ペット、衣類などもアトピーの原因だと主張するも考え方も多いですが、これは原因と結果を一緒にした考え方だと思います。
皮膚の状態が悪いので、いろんな物に影響されやすいというだけの事で、それらの物質は原因ではなく、結果に過ぎないと考えています。
もちろんそのような物を避けるのは悪い事ではないですが、神経質にならず、むしろ食事などの対策に力を入れて欲しいです。
そして、アトピーを悪化させる要因として重要なのは、疲労とストレスです。
疲労すれば悪化し、イライラすればかゆみが強くなる傾向があります。
体力・能力以上の事をしていないか、また望んでいないか、ストレスの原因は何かなど日常生活を見直す事も大切です。
長年アトピーで苦しみ、大学病院やアレルギー専門家と称する医師から『除去食』などを指導されていたという方は『え?』と思うでしょうが、当店がオススメしている食養生はアレルギーという考え方とは関係がありません。
伝統的な日本食を食べていた頃、アトピーはほとんど存在していなかったし、このような食事を実行して下さった、あるいはできるだけ努力して下さった方は実際に良くなっています。
『お酒に強い弱いの個人差があるように、食べ物の解毒にも強い弱いがあるのです。』
ただそれだけの事だと思って下さい。ですので、毒の少ない食べも物を選び、いったん治してしまうのです。
一度アトピーが良くなれば、おいしいものを食べても良いですし、それが原因で、もしまた再発したとしても、一度治っている方は治るのも早いです。
治っても『何か体調が良くないよ~』とか『無理してるよ~』というサインで少しだけ出たりする事も多々あります。
最後にアトピー性皮膚炎で最も怖いのは失明です。
当店では漢方に理解のある眼科さんと提携していますので、そちらの方にもご紹介できますので
お気軽にご相談ください。
免疫のバランスの乱れを整えていかないといけない病気ですので、
病歴が長い人ほど時間がかかりますが、がんばってこれから一緒
に治していきましょう。