ゼミ担当員紹介

全19名の大学教員がゼミを開講します!!

明石 純一(あかし じゅんいち

人(あるいは労働力)・物(商品)・金(資本)、そして情報があたかも自由に国の境界線を越えているかにみえる現代社会を、「ボーダーレス」と形容することが増えました。グローバル化により世界は「ひとつ」になる、ということも頻繁に語られます。しかしそれはどこまでが本当のことなのだろう。そもそも「国家」、「国境」、「国籍」、「国民」ってなんだろう。世界各国を放浪していた大学時代にふと頭に浮かんだこの疑問に取りつかれ、今もまだ回答を探している最中です。政治学を含む社会諸科学の習得と行動による実体験を通じて現代社会の変化と普遍性を理解すること、そのような学びの場をみなさんと共有したいと考えています。

秋山 肇あきやま はじめ

グローバル化が進む今日において、私たちが抱える問題は、より一層複雑化し、多様な視点から理解・分析・解決策の模索を行う必要があります。例えば、法や憲法が解決できる問題がある一方で、社会学、政治学、経済学など様々な学問領域を駆使することで、法の限界を克服し、より良い解決策を導くことが可能になることもあります。素晴らしい仲間(=学生、教職員)とともに、国内外の幅広い問題について多角的かつ批判的に議論し、日本の、そして世界の未来を創っていきませんか? IMAGINE THE FUTURE together!

秋山先生の魅力を紹介!
筑波大学人社チャンネル❗️第6回「もしも地球がわたしの家なら」:秋山肇さんに聞く

五十嵐 沙千子(いがらし さちこ)

専門は哲学・倫理学。ハイデガー、シェリング、ハーバーマスなどドイツ哲学を専門としながら、「哲学カフェ」に関する基礎理論及び「哲学カフェ」形式の授業構築に関する研究などを手がける。東海大学では哲学対話による授業を実践し、"Teaching award” (1,600人中第1位)を受賞。その後筑波大学に移り、 “Best Faculty member賞” 及び「教育に関わる学長表彰」受賞。誰でも参加可能で、身近なテーマについて気軽に話し合う「ソクラテス・サンバ・カフェ」を主催。学外においても同様の「哲学カフェ」を多数開催するほか、全国の高校や企業を対象に、対話をテーマとした講演や実践授業などを多数手がける。主な著書に、『この明るい場所–ポストモダンにおける公共性の問題』(ひつじ書房)、共著に、『オープンダイアローグの哲学』(石原孝二、斎藤環編、東京大学出版会)など。

柏木 健一かしわぎ けんいち

現在私は、中東・北アフリカ地域の伝統文化やイスラームの社会制度と整合的な発展モデルの構築を目指し、同地域の持続的経済発展と政治的安定を導くメカニズムの探求を大きな研究課題としています。特に、エジプト、チュニジア、モロッコ、ヨルダン、パレスチナで、小規模伝統・地場産業のミクロ調査と生産性分析を実施しています。また、筑波大学の北アフリカ研究センターにて、生命環境科学の研究者と連携し、産業化シーズの高度利用による地域開発研究を展開しています。

佐藤 千登勢さとう ちとせ

アメリカ合衆国の現代史を専門にしています。研究テーマとしては、1930年代から1940年代のアメリカ社会経済史、なかでもジェンダー史や労働史、社会保障・社会福祉史などに取り組んできました。最近は、第二次世界大戦期のアメリカ社会における食文化の変容に関心があります。国民が兵士となったり、銃後で戦争協力をしていくなかで、食料や食事に新たな政治性が付与されたこと、それがアメリカ人の食に対する考え方を大きく変えたことを明らかにしようと試みています。


茂野 智大しげの ともひろ

『萬葉集』とその周辺を研究しています。具体的には、挽歌の表現から古代の死生観を分析したり、作中の視点と作品展開の方法との関係を考察したり、後世の『萬葉集』享受の実態を追ったりしています。また、外国人研究者と協力して『萬葉集』の新たな英訳を進めつつ、それを活用した『萬葉集』の国際的発信にも取り組んでいます。

鈴木彩加すずき あやか

女をばなぞ軽しむる女より生れぬ人のあらじと思ふに-この歌は今から100年以上も前、女性に参政権がなく、教育を受ける機会も限られていた時代に、茅野雅子という歌人が詠んだものです。ここで鋭く提起されている問いに、みなさんならどのように答えるでしょうか。現代においてもなお、社会には性別を理由とした様々な格差や不平等が存在し続けています。それらを研究するのが、ジェンダー論という学問です。授業ではジェンダーというレンズをとおして社会をみつめ、考える力・表現する力を身につけていきます。


谷口 陽子たにぐち ようこ)

考古科学・保存科学という分野なのですが、自然科学的な手法を用いて文化財、文化遺産の調査をして資料の生産地や材料、技術、年代といったものを明らかにすることをしています。保存修復のために、劣化要因を調べたり、最適な修復材料や技術を選定したり、というのも仕事のひとつです。文系、理系という枠ではなく、いろいろな考え方を駆使して答えに迫っていく、解決につなげていく、という分野だと思います。中東地域や内戦の多い地域での活動が多いです。現在・未来のために過去を研究していくことが必要となります。

 

筑波大学人社チャンネル

https://youtu.be/cErqe1Z6VSc?si=CTIRCz8467OGc__L


津田 博司つだ ひろし

イギリス帝国史、とくにカナダ・オーストラリアを中心とする白人自治植民地(ドミニオン)におけるナショナリズムの構造と脱植民地化、多文化主義の相互関係。



土井 隆義どい たかよし

社会生活における様々な病理現象を素材に、社会学的なものの見方について考える授業を行なっています。社会学というパースペクティブから様々な病理現象をながめると、社会と私たちとの関りについて、いままで気づかなかった意外な側面が見えてきます。私たちの生きている世界は、けっして一枚の織物ではありません。様々に織り重なった意味の層を探検してみると、重大な社会問題と思われるものが、じつは別の側面で現代社会のシステムを支えていたり、あるいは逆に、望ましいと思われていた理念が、その裏側では病理現象を招いていたりすることが分かってきます。社会病理に対する道徳的な判断も一つの偏見でしかないかもしれないのです。授業をとおして、社会病理をめぐる従来の常識を突き崩す面白さを味わうとともに、社会の中で私たちが生きていく意味についてもぜひ考えて下さい。

土井先生の魅力を紹介!
筑波大学人社チャンネル ❗️第2回「世にもマジメな犯罪のお話」:土井隆義さんに聞く

徳丸 亜木とくまる あき

1. 日韓中葬墓制習俗の比較民俗学的研究。全羅南道多島海島社会における草墳葬調査、中国淅江省における火葬受容についての調査、および南西諸島葬墓制調査を継続中。
2. 宗教統制と民俗。山口県下町村役場文書(明治~昭和)をはじめとする資料分析を継続中。
3. 韓国全羅南道巨文島移住者と郷里。話者の記憶と所有する写真からの民俗誌作成。
4. 屋敷神・「森神」を対象とした伝承論。関東近郊農村の屋敷神について追跡調査を継続中。
5. 漁撈習俗・漁民信仰研究 。漁民類型論との関連から、各地の漁村調査を継続中。

徳丸先生の魅力を紹介!
筑波大学人社チャンネル❗️第10回「バイクに乗って過去の霊たちに会いに行った」:徳丸亜木さんに聞く

長尾 宗典ながお むねのり


日本の近代史を専攻しています。具体的には、明治時代以後、「日本文化」をめぐる議論がどういう風に展開してきたのか、美術・文学・宗教をめぐる評論を素材として、思想史やメディア史の方法を意識しながら研究しています。また明治時代の雑誌の歴史、出版流通の歴史、読者と図書館の歴史にも取り組みながら、活字文化が地域や社会に広まっていくプロセスについても研究しています。著書に『〈憧憬〉の明治精神史:高山樗牛・姉崎嘲風の時代』(ぺりかん社、2016年)、『帝国図書館:近代日本の「知」の物語』(中公新書、2023年)。※写真提供:中央公論新社

中野 優子なかの ゆうこ

私は開発経済学を専門にしています。特にアフリカ農家を対象としたデータ分析を行っています。具体的には1回の調査で数百家計の農家にインタビューをして、統計データを構築し、「アフリカの農家はなぜ新しいコメの品種や肥料を使わないのか?」や、「新しい稲作技術は本当に農家の所得向上の役に立つのか?」といった疑問にデータ分析を通じて答えるのが仕事です。魅力は、何と言ってもアフリカの農家の方々と直接対話をできることです。

平野貴大 (ひらのたかひろ)

世界宗教の1つイスラームの思想、とくに少数派のシーア派の思想を研究しています。とくに古い時代の聖典解釈や神学、法学に関心をもって取り組んできました。イスラームという宗教はアラビア語と切っても切り離せない関係にあり、普段はアラビア語で書かれた書物を読んで研究しています。

著作
『シーア派:起源と行動原理』(作品社、2024年)

『クルアーン入門』(作品社、2018年、共著)


福住 多一ふくずみ まさかず

経済学は科学です。その体系の理論的本質の多くは、数学で記述します。これを理解するには、冷徹な論理的思考力が必要です。ただし科学的に解明する対象は、社会現象とそれを構成するヒトです。これを理解するには、社会やヒトに向けた温かい眼差しと豊かな心が必要です。このように、経済学は理系・文系の境界が無い新しい総合科学です。この若い科学を意欲的な皆さんと成長させたいと思っています。

文 昶允ムン チャンユン

研究分野
日本語学

研究キーワード
言語学、音韻論、音声学

著作
日本語における短縮外来語の形成とその仕組み』(ひつじ書房、 2021-02)

直人もり なおと

学生時代の私は、教育と格差・不平等の世代間連鎖の問題を考えるところから社会学の世界に入りました。講義のなかで示される「通説」に納得できない違和感を何とか言葉にして、授業が終わったあとの教壇にいた教師に話した覚えがあります。教師の答えは、「その問題はじつはまだ十分よくわかっていないのですよ、ぜひあなた自身で明らかにしてください」というものでした。不思議な解放感とともに、「これが大学か」という思いを抱いた最初の記憶です。すでに明らかにされていることを鵜呑みにするのではなく、新しい疑問を見出し、答えを模索する。その自由を、学生のみなさんとともに体感していきたいと思います。

森先生の魅力を紹介!
筑波大学人社チャンネル❗️ 第15回「誰もが元気になる学校」を作りたい:森直人さんに聞く

横山 剛よこやま たけし

サンスクリットなどで記された文献の読解を通じて、仏教の教理がインドにおいていかに展開したのか、またその後アジア各地にどのように伝播したのかを研究しています。