塩田 淑仁 准教授
研究者ID
経歴
1996年 京都大学 工学部 石油化学科卒業 (山邊 時雄 教授)
1998年 京都大学 大学院工学研究科修士課程 分子工学専攻修了 (山邊 時雄 教授)
2001年 京都大学大学院工学研究科博士課程 分子工学専攻修了 (藤本 博 教授)
1998年~2001年 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2001年 九州大学 有機化学基礎研究センター 助手
2003年 九州大学 先導物質化学研究所 助手(改組)
2007年 九州大学 先導物質化学研究所 助教
2014年 九州大学 先導物質化学研究所 准教授
所属学会
日本化学会
日本コンピュータ化学会
触媒学会
分子科学会
趣味
猫の写真鑑賞
水泳と筋トレ
旅先での名産品購入
美味しいみかんの食べ比べ
アリエクで掘り出し物を購入すること
Amit Shrestha (博士研究員)
古川 木綿 (M2)
福田 菖太 (B4)
木村 海晴 (B4)
2024年度 卒業・修了・退職
住谷 陽輔 (助教)
亀谷 陽平 (D3)
鶴田 裕介 (M2)
豊嶋 凌我 (M2)
許斐 明日香
(テクニカルスタッフ)
博士、修士修了おめでとうございます。大学で築いた知識と経験を糧に、社会で存分に力を発揮してください。(2025年3月25日 先導研(CE41棟)玄関前にて)
計算機で観る分子の世界
(基礎方程式の数値解法を用いた非経験的化学描像の構築)
計算化学のいいところ
・実験では見えないものが見える
・有機でも無機でも全てが対象
・家でもできる
どういう人が向いているか?
・理論的なものが好き
・数学や物理が好き
・コンピュータが好き
メタンは常温で気体であり、輸送や貯蔵には液化のため の特殊な設備を必要とするため、部分酸化させて液体のメ タノールに変換することは工業化学的に重要な反応となっ ている。工業的には触媒をつかって水素と一酸化炭素の合 成ガスに変えたのちにメタノールを合成している。し かし、メタンは化学的に安定であるため、この転化反応は 大量にエネルギーを消費してしまうことが問題となってい る。工業的なメタン─メタノール転化反応に過酷な条件が要 求される一方で、自然界では生理学的条件下でメタンをメ タノールに転化する酵素が知られている。我々は理論 的手法を用いてメタン活性化機構の解明を目指して研究し てきた。
上図は金属酸化物イオンによるメタン酸化の反応機構
メタンの活性化の重要性:
メタンからメタノールへの変換は工業的に重要であり、自然界の酵素でも観察される反応です。
特にC-H結合の切断とそれに続く反応が課題となっています。
理論的手法の利用:
密度汎関数法(DFT)などを用いて、メタン活性化の反応経路やエネルギー状態を解析しています。
QM/MM法を活用し、現実の系に近いモデルで計算が行われています。
具体的な触媒系:
気相反応:鉄酸化物イオン(FeO⁺)を用いたメタンからメタノールへの変換モデル。
ゼオライト(Fe-ZSM-5):金属イオンの活性部位による水酸化反応。
酵素(MMO):二核銅活性中心の反応機構について。
研究の意義と展望:
理論計算から得られる知見は、より効率的で環境に優しい触媒の開発に貢献します。
酵素の反応機構をモデルにした触媒設計への応用も期待されています。
窒素酸化物(NOx)還元反応は、窒素循環における脱窒過程および排ガス浄化に関わる重要な化学反応である。NOx還元反応のうち、一酸化窒素(NO)還元と亜硝酸還元にはNO分子が関与する。NOは不対電子を1つ有するため、関連する化学反応は開殻系となる。また、NOはノンイノセント配位子であり、金属錯体中の金属や他の配位子の種類によって異なる酸化状態(NO+、NO、NO–)を示す。上記の理由から、NOの関わる化学反応の機構解析には、生物無機化学および錯体化学の知識、さらには量子化学計算における高度な技術が要求される。このような難しさのため、NO還元および亜硝酸還元に関する詳細な反応機構解析の報告例は少なく、反応における金属錯体の役割やNOxの電子状態など未だ不明な点が多い。
上図は銅2核錯体によるNO還元の反応機構
二核銅錯体のNO還元反応の研究
NO還元酵素を模倣した二核鉄錯体の研究の一環として、二核銅錯体によるNO還元に焦点を当てている。
DFT計算によって反応機構が(1)N–N結合生成、(2)N2O2異性化、(3)N–O結合開裂の3段階で進行することを特定。
電子移動機構や中間体構造に基づき、多様な中間体構造と電子状態変化の意義を解明。
銅錯体によるNO2⁻還元反応の研究
銅1価錯体の報告が多い中、銅2価錯体とフェノール誘導体を用いたNO2⁻還元反応に注目。
2種類の経路(O配位ニトリト錯体、N配位ニトロ錯体)をDFT計算で解析し、CPET(プロトン共役電子移動)の差異を評価。
独自の指標を用いてプロトン・電子移動の進行のずれを定量評価。
結論と意義
銅錯体を用いたNOx還元反応の反応機構をDFT計算で提案。
触媒設計や理論化学、錯体化学、触媒化学分野の発展に寄与する新たな視点を提供。
研究室では RA(1名)を募集します。
1.資格
(1)大学院修士課程の在学者
(2)大学院博士後期課程の在学者
(3)大学院一貫性博士課程の在学者
(4)研究生又は特別研究学生のうち(1)〜(3)に定める者と同等の能力を有すると認められる者
(5)専門職学位課程の在学者
2.職務 研究プロジェクト(量子化学計算を駆使した反応機構解析)について、
これを効果的に推進するために必要な研究活動の補助
具体的な業務は以下になります。
ガウシアンを使用した分子の最適化及び遷移状態探索(経験者が望ましい)
LINUXワークステーションの保守(経験者が望ましい)
論文資料作成および論文執筆補助(英文、日本語)
パワーポイントを利用した発表資料作成(英文、日本語)
文献検索、研究成果のとりまとめ補助(英文、日本語)
3.選考 応募者はshiota@ms.ifoc.kyushu-u.ac.jp までご連絡ください。随時、実施します。
候補者が決まり次第募集は終了します。
4.従事時間 週 20 時間以下
土日祝日は原則として勤務不可 勤務は最⻑ 18 時まで
昼休み(12:00-13:00)等の休憩時間は従事時間数に含まない。
1 日の労働時間は 7 時間が上限、6 時間を超えて勤務する日は、間に 45 分以上の休憩
(従事時間は、相談の上決定します。通常の研究指導及び授業等に支障が生じないよう配慮します。)
5.受入期間 2025年4月1日以降~2026年2月末日まで
6.手当額 能力により区分されます。 1,400 円~1,900 円
7.提出書類 (1)受入調書 (2)学生証(写) (3)学生定期健康診断書(写)・後日提出 (5)研究倫理教育受講修了証(九州大学基本コース)・・・採用日の前日までに受講修了したもの ※有効期限は受講年度を含めた 3 年度まで。 ※新規・再受講などのお問い合わせは研究協力係へ返信先メールアドレス、専攻、学年、氏名、学籍番号を記載しメールしてください。(srskenkyu@jimu.kyushu-u.ac.jp)
8.その他 注意事項
RA学生が、他機関等から給与・奨学金等を受けている場合、受給元の規程・規則をよく確認のうえ、RA の申し込みを行うこと
週 30 時間かつ 15 日以上の勤務が 2 カ月以上続く時、社会保険に加入する必要があること。
その場合、本人の給与から社会保険料が控除されるとともに、事業主負担も発生する。
また、年収(他のアルバイト等を含む)が 130 万円以上の見込となる場合は、親等の被扶養親族となることが出来ず、
自身が国⺠健康保険に加入する必要がある。
年収が 103 万を超える場合(他のアルバイト等を含む)、親が扶養控除を受けることが出来ないので注意すること。
20250905 九大に講演にこられました。
20250924 食事会にご一緒させていただきました。