アイヌ遺骨問題に対する
北海道大学の「謝罪」を求める要望書
ご賛同のお願い
2019年12月24日
北海道大学教職員の皆さまへ
2019年11月5日、北海道大学は、アイヌ納骨堂から白老の慰霊施設へのアイヌ遺骨およびその副葬品の移送に際して記者会見を開き、「本学が保管するアイヌ遺骨に関する声明」を出しました(本件にかかる基本情報)。
この声明において北海道大学は、遺骨の保管・管理に関して「アイヌ民族の尊厳に対する適切な配慮を欠いており、極めて遺憾であり、真摯に反省しております」と述べる一方、明確な「謝罪」の言葉を述べませんでした。このことに対してはアイヌ民族を含め各方面から批判が寄せられています。
今日大学が求められる研究倫理の観点から判断して、北海道大学が研究目的で各地から集めたアイヌ遺骨・副葬品の収集、保管・管理体制、そしてご遺族への対応において問題があったことは事実です。
しかしそのことに対して本学は真摯に向き合ってきたとはいえません。こうした対応は、まずアイヌ民族の当事者、そしてアイヌ民族を含む市民、さらには本学学生にも不信感を抱かせる結果を招いています。北海道大学は、教育・研究機関として、このような事態を反省し、社会の信頼を得るよう努める責務があります。
以上を踏まえて、私たちは、北海道大学に籍をおく者として、アイヌ民族に対して本学が正式に謝罪をおこなうことを要望します。謝罪はこの問題を憂慮する学内外のアイヌ民族と本学との間の信頼関係を築く第一歩です。
以下の「要望書」に対する北海道大学教職員の皆さまのご賛同をよろしくお願いいたします。
(※最下段に賛同署名用フォームがあります)
要望書
北海道大学理事・副学長・総長職務代理
笠原正典 殿
私たちは、北海道大学に籍をおく者として、北海道大学がアイヌ遺骨問題をめぐる責任を真摯に受けとめ、これまでの一連の対応についてアイヌ民族に心からの謝罪を行うことを要望いたします。
呼びかけ人(50音順)
秋元信一(農学研究院)
安部由起子(経済学研究院)
池田透(文学研究院)
エマ・クック(メディア・コミュニケーション研究院)
小川佐和子(文学研究院)
奥聡(メディア・コミュニケーション研究院)
小田博志(文学研究院)
勝義直(理学研究院)
加藤博文(アイヌ・先住民研究センター)
蟹江俊仁(工学研究院)
川田学(教育学研究院)
北原モコットゥナシ(アイヌ・先住民研究センター)
蔵田伸雄(文学研究院)
玄武岩(メディア・コミュニケーション研究院)
近藤祉秋(アイヌ・先住民研究センター)
笹岡正俊(文学研究院)
ジェフ・ゲーマン(メディア・コミュニケーション研究院)
瀬名波栄潤(文学研究院)
高瀬克範(文学研究院)
立澤史郎(文学研究院)
谷本晃久(文学研究院)
池炫周直美(公共政策大学院)
辻智子(教育学研究院)
土田映子(メディア・コミュニケーション研究院)
冨成絢子(メディア・コミュニケーション研究院)
長沼正樹(アイヌ・先住民研究センター)
鍋島孝子(メディア・コミュニケーション研究院)
パイチャゼ スヴェトラナ(メディア・コミュニケーション研究院)
橋本雄(文学研究院)
長谷川貴彦(文学研究院)
原田真見(メディア・コミュニケーション研究院)
藤野陽平(メディア・コミュニケーション研究院)
ポール・ハンセン (メディア・コミュニケーション研究院)
松本伊智郎(教育学研究院)
松井利仁(工学研究院)
松田康子(教育学研究院)
蓑島栄紀(アイヌ・先住民研究センター)
宮内泰介(文学研究院)
宮澤晴彦(水産学研究院)
村田勝幸(文学研究院)
守屋淳(教育学研究院)
山形定(工学研究院)
山口未花子(文学研究院)
山崎幸治(アイヌ・先住民研究センター)
吉田邦彦(法学研究科)
その他匿名希望の呼びかけ人4名(法学研究科、文学研究院、医学研究院、学務部)