「ルベーグ積分講義」は山口大学大学院の博士前期学生対象の講義をもとにした講義動画です.
学部で行われる典型的なルベーグ積分の講義は抽象測度論をもとに測度空間を構成して展開されることが多いように思われます.これは講義時間が限られる中で仕方のない事だとは思いますが,一方で抽象化すればそれだけ難易度も上がります.また「なぜこういう事を考えるのか?」という点にも気づきにくいのではと感じています.
この講義では面積を測るうえで素朴な概念であるジョルダン測度から始め,なぜルベーグ測度が必要なのか,なぜルベーグ可測集合・ルベーグ可測関数・ルベーグ積分はこのような定義になっているのか,などを可能な限り素朴に考えながら進めていきます.ルベーグに納得して頂けたうえで抽象測度論に足を進めていきましょう.
テキストはHeilをベースに,NelsonやTaoなどで肉付けしています.
Christopher Heil, Introduction to Real Analysis
Gail S. Nelson, A User-Friendly Introduction to Lebesgue Measure and Integration
Terence Tao, An Introduction to Measure Theory
最初から通して勉強されたい方はリーマン積分のところから観るとよいと思いますが,ルベーグ積分を復習したい方は1章は飛ばして2章から始めるとよいでしょう.