学部の研究室配属について
毎年,知能情報の学生を2-3名ほど受け入れています.
研究内容
研究内容は数学理論を中心とした理論研究または数値計算です.まず基盤となる数学の分野を一つ決めてもらいます.例えば微分積分,線形代数,フーリエ解析,最適化問題,確率統計などです.そのうえで前半では輪読形式のセミナーを行い,後半では勉強した内容をふまえて何か簡単な問題に取り組んでもらう,というのが基本的な流れです.近年はコンピュータを用いていますが,もちろん数学理論のみの研究でも構いません.また研究したい題材があれば持ち込んで頂くのも大歓迎です.
卒業後の進路
卒業生の進路の内訳は,公務員(2名),院進学(5名),民間企業(2名)です.院進3名のうち2名は知能情報の研究室に戻られました.
当研究室に向いている方
私の研究室に向いている学生さんは,1人で勉強ができる・自分の勉強がしたい方です.基本的に週2回のゼミとその準備さえきちんとやってくれればその他は自由に過ごして構いませんので,特に進路として公務員を希望する学生さんは自分の勉強ができてよいと思います.研究室環境も,学生部屋学部生にも1人ひとつ机があてがわれ学生部屋は24時間365日使用可能と,自習したい人向きです.冷蔵庫電子レンジ湯沸かし器もあります.
当研究室に向いていない方
一方で向いていない学生さんは,1人が苦手な方や,夏季合宿や飲み会など「大学の研究室!」みたいな賑やかな雰囲気を味わいたい方です.はっきり言って地味ですので,よく漫画なんかで描かれる研究室生活を送られたい方は向いてないと思います.ただ友人との交友活動が必須な小中学校と違って大学はぼっちに大変優しい教育機関ですし,数学もこれまたぼっちに向いている学問ですので,研究活動自体は心配なさらなくても大丈夫です.あと数学自体が嫌いな方も私の研究室はけっこう厳しいと思います.
おわりに
研究室の配属を希望する学生さんは,まずはご相談にいらして下さい.直接お話してみるとまた色々と見えてくるものもあると思いますよ.
過去の卒業研究例
粒子衝突を用いて感染症の感染拡大シミュレーションを作成し,粒子の挙動を調査(確率統計)
感染症のいわゆるスーパースプレッダーをグラフでシミュレーションし,その理論的な性質を調べる(グラフ理論,線形代数)
ボードゲームの戦略を最適化問題によって計算しシミュレーションする(線形代数)
最適化問題を用いてアメリカンフットボールの戦略理論を考える(線形代数)
博士前期課程(修士)について
私の研究室では修士課程の学生さんも受け入れています.研究内容は複素解析が関係するトピックになりますが,漠然と「なんか数学の理論が面白そう」でも大丈夫です.他にも学生さんから個別の提案があればそれを研究題材にしてもらっても構いません.色々とフレキシブルに対応可能です.留意点としては,私のところで修士を取得すると工学修士ではなく理学修士となります.
数学のバックグラウンドがない方でもやる気があれば歓迎します(過去には工学出身の方も私のもとで修士号を所得しています).ご興味がありましたらまずはご相談下さい.
博士後期課程(博士)について
私のもとで数学の博士号を取得したいという方を歓迎します.研究内容は基本的に函数論です.その中でも幾何学的函数論,特にLoewner方程式の理論に関連したトピックを提案しますが,特別これがやりたいという問題があればそれを題材にしても構いません.色々と一緒に勉強できれば嬉しいです.
ちなみに博士前期課程と違い,さすがに博士後期課程は数学の基礎知識(集合論,位相空間論,初等解析学,測度論あたり)がないと厳しいと思います.
講義「応用解析学特論II」について
毎年,山口大学大学院の博士後期課程向けにの講義「応用解析学特論」を開講しています.これは学生さんと話し合い本を一冊決めて,基本的に1対1のセミナー形式で本を読んでいくという講義です.何か読みたい数学の本があればそれを持ってきたうえで履修してください.また漠然と「線形代数やフーリエ解析などの理論をしっかり学びたい」という感じでも大丈夫です.
ご興味のある博士後期課程の学生さんはまず私にご相談ください.