子の出張帯同旅費について
研究集会などに子供を帯同する際の,子の旅費の支援状況についてまとめています.2025/9/12更新.
2025年9月12日追記:2025年以降,多くの大学で子の帯同出張費用に関するルールが整いつつあるようですね.その中でも山口大学は2024年5月に先駆けて制度を導入してくれました.また制度面だけでなく,日々の実務でも事務の方々が本当に細やかに支えてくださっています.「子育てするなら山口大学」と言える先進的な取組に,この場を借りて心から感謝と敬意を表します.
JSPSの見解
2024年2月28日に行われた科研費に関する説明会の資料によると,子の出張帯同旅費は科研費の直接経費では出せないが,間接経費では出せるというのが現時点の見解のようです。下記がその資料です.
(資料3)科研費の適正な管理及び今後予定される制度改善等についての右下ページ番号2
山口大学における帯同出張旅費補助
2024年5月に,山口大学においても子の帯同出張旅費の外部・内部資金による支出を認めて頂きました.山口大学の執行部様や関係者の方々に深く感謝致します.
外部・内部資金から,子の「旅費」「宿泊費」「託児費」を支出可能.ただし子の出張帯同に要した費用の支出が使途として認められている外部資金に限る.
支給要件において,研究者の年齢や性別は問われない.
小学校6年生までの児童が対象
各大学における扱い
東京大学
リンクはこちら.2023年8月31日より施行.
外部資金から,子の「旅費」を支出可能.ただし子の出張帯同に要した費用の支出が使途として認められている外部資金に限る.
九州大学
リンクはこちら.2022年12月27日より施行.
外部資金から,子の「旅費」および「宿泊費」を支出可能.ただし外部資金の交付元が交付要領等により子の出張帯同支援経費の支出を認めているものに限る.宿泊費に関しては規定額を超えかつ研究者から申し出があった場合,超過額を支給可能.
立命館大学
リンクはこちら.2018年3月より施行.
科研費を含む外部資金から,子の「旅費」および「宿泊費」を支出可能.
沖縄科学技術大学院大学(OIST)
リンクはこちら.2018年3月より施行.
科研費を含む外部資金から,子の「旅費」および「宿泊費」を支出可能.外部資金が当該経費の支出を認めていない又は禁止している場合は,OISTの運営費補助金より助成.
京都大学
リンクはこちら.2023年11月1日より施行.
学内予算より,子の「旅費」「宿泊」「託児費」を支援.詳細は上記リンクを参照.
自然科学研究機構
東北大学
リンクはこちら.2024年1月より施行.ただし詳細の資料は学内限定で閲覧できず.
東京学芸大学
リンクはこちら.2025年1月より施行.
一橋大学
リンクはこちら.2025年4月より施行.
鹿児島大学
リンクはこちら.2025年7月より施行.
子の「旅費」を支援.
広島大学
リンクはこちら.2025年4月より施行.
大阪大学
リンクはこちら.2025年2月より施行.
東京科学大学
リンクはこちら.出張帯同費支援があるようです.
名古屋大学
リンクはこちら.2025年2月より施行.
その他の大学でも色々と取り扱いがあるようです.
コメントなど
上記を見ると「外部資金が帯同出張OKなら」としているところが多いですね.科研費の直接経費は明確にNOと言っているので,現状は間接経費か学内経費,もしくは科研費でない外部資金からの捻出がメインとなっているようです.
現状においても,臨時の託児費用などは科研費から支出することが可能です(e.g. 科研費ハンドブック2023年度版 p.114の上から5つめ).ただし学会・研究集会の参加出席する場合であり,研究打ち合わせなどではダメというか明言されていないのでグレーのようです.