これからのオンライン授業について

新入生、在学生の皆さん、気持ちも新たに新年度を迎えられたことでしょう。2019年に発生した新型コロナウイルス感染症は瞬く間に世界に広がり、この感染の脅威は日常生活に少なからぬ影響を及ぼしました。高校生だった皆さんも大学生の皆さんも、多くの不安や戸惑いの中、本当によく頑張りました。

兵庫大学では、大学への入構規制の中、「学生の『学び』を止めるわけにはいかない」と、オンライン授業に踏み出しました。全学一斉にオンライン授業を開始し、難局を乗り越えることができたのは、学生の皆さんとご家族のご理解とご協力によるものです。改めて感謝申し上げます。

昨年Ⅱ期にはオンライン授業と対面授業を組み合わせて実施する、いわゆるハイブリッド型授業になりました。今年度も昨年同様に、講義科目の一部はオンラインで実施する予定です。全日制の大学であれば、対面授業を考えることが極めて正常です。しかし、これまで学生の安全を確保できたのは、オンライン授業の導入によるものとも考えられます。そして今後は、オンライン授業でもできること、オンライン授業だからできること、そして、オンライン授業ではできないことを明確にして、大学の授業の新しい形をデザインしていくことが必要だと考えます。

新入生の皆さんは、オンライン授業に馴染みがなく、大学の授業にいっそう不安を抱いているかもしれません。通信環境の整備となると、ご家族の協力を得なければ難しいでしょう。皆さんの中にはPCそのものに慣れていない人や苦手意識を持つ人がいるかもしれません。今後は人と繋がるツールとして極めて一般的になっていくデジタルメディアです。大学に入った今年を元年ととらえて、友人や先生とよくコミュニケーションを取り、相互に協力しながらオンライン学習にも積極的に取り組んでください。

Social distancingは身体的な距離をとることを意図し、社会的なつながりを断つことではありません。兵庫大学の学生としてのプライドとともに人とつながり、人に寄り添う柔らかで暖かい心を育み、自立への一歩を踏み出してほしいと願っています。

兵庫大学・兵庫大学短期大学部

副学長(教育担当) 大平曜子