蓬莱学園は東経140度31分、北緯20度50分、東京の南約1800kmの太平洋上に浮かぶ南海の孤島、宇津帆島(うつほじま)にあります。
宇津帆島は南北約22.4km、東西約18kmの比較的大きな火山島で、その面積は東京23区に匹敵します。
宇津帆島は亜熱帯性気候に属し、年間平均降雨量は2500mmを超えます。夏には台風がよく襲来します。
島に自生している植物は亜熱帯性のものですが、北部では明治以降に持ち込まれた植物も繁殖しています。島の南部から西部にかけては南部密林と呼ばれるジャングルが広がっており、奇々怪々の植生を見せています。森林地帯には野生動物も多く、特に南東部の野生馬は有名です。また旧島では牧畜も盛んで、毎年それにちなんだ祭も行われます。
南部密林ではすでに絶滅したはずのものから、全くの新種まで多種多様な動物が見られます。90年以降何度か行われている調査では、中型恐竜やニホンオオカミの亜種が認められています。島の沿岸部は豊かな漁場ですが、渦潮や急流により一般船舶の航行は困難です。
宇津帆島南部の伏里山には大規模な鉱脈が確認されていますが、調査隊が消滅するなどの事件が起こったため開発は断念されています。
学園関係者を除く島の住民は、江戸時代初期までに移住した「旧島民」と、関東大震災後に学園と共に移住した「新島民」からなります。
このうち旧島民は独特の文化・方言を持ち、民族学的にも注目を浴びています。
学園生徒の総数は約12万人(1997年・学園事務局調べ)。彼らを教育する教職員は2千~1万人と発表されています。これに加え、学園の産業(事務・製造・清掃・管理)などを支えている海外からの季節労働者が数多くいます。彼らは学園の流通を握る豆縞グループに酷使されており、97年には大きな学園問題となりました。
アクセス
太平洋上の孤島である宇津帆島への交通手段は、必然的に空路・海路に限られます。両方とも世界各地より路線が就航していますが、一般的な時刻表などには書かれていませんので、事前に旅行会社への確認が必要になります。
空路利用の場合
HAS(Hourai Air Service)が、世界十数都市に直行便を就航させています。日本本土からでは、羽田・関西より約3時間。料金は片道4~5万円といったところです。
大型旅客機は宇津帆島西南部にある秋葉原基地に発着するため、空港から学園中央部に出るには秋葉原駅までの連絡バスを利用するか、蓬莱バスの04系統などを利用する必要があります。なお、秋葉原駅より学園中央部までは、鉄道利用で約15~25分ほど(乗り換え時間含まず)です。
また1・4・9月の入学式前には大量の新・転入生を輸送するため、飛行委員会が大型硬式輸送船による臨時便を多数運行します。旅客機より所要時間はかかりますが、それでも連絡船より若干速いです。この場合は学園中央部にある飛行船発着場に到着し、路面電車の停留所も近くにあります。
しかしながらこの方法は、学園当局に新・転入生もしくは教員・事務員などに間違えられる場合が多く、あまりおすすめできません。
海路利用の場合
蓬莱学園港湾委員会と豆縞運輸汽船が、東京~八丈島~宇津帆島間に定期航路を運行しています。
どちらも東京竹芝桟橋から2日半(58時間)程度掛かりますが、船内での食費などを含めても、空路より安く上がります。
特に豆縞汽船は2等船室で約1万円という激安価格。しかしながら安い分、船客設備などはそれ相応ですので、懐具合と相談してお選び下さい。