積丹巡検2023

こんにちは。5月4日に新歓巡検の一環として小樽~積丹方面のジオスポットを訪れました。今回の巡検のテーマは「西南北海道の火成活動・熱水活動」です。

赤岩の酸性変質帯

小樽市赤岩地域には酸性熱水による変質を被った岩石が分布しています。この熱水は10Ma頃の火成活動と関連するそうです。今回はその変質岩の観察を行いました。

ところどころで観察される同心円状の模様。熱水が通ったあとのパイプでしょうか。

熱水から沈殿した重晶石も観察できます。

帰り道で見つけたロクショウグサレキン(たぶん)

忍路海岸

ここではハイアロクラスタイトの観察を行いました。約15Maの海底火山活動の痕跡です。露頭の付近は落石の危険があるため立ち入り禁止となっています。立ち入り禁止区域外から見える範囲で露頭を観察しました。

露頭(恵比寿岩)の観察。

放射状節理の拡大。海底での高温火砕物の割れ方を議論しました。

大江鉱山

最後に訪れたのは、有名な炭酸マンガン-鉛亜鉛鉱脈型鉱床である大江鉱山です。赤岩より若い鉱化時期(~3Ma)を示します。

ここでは、ずりで鉱石の観察を行いました。鉱石を構成する鉱物として、炭酸マンガンの鉱物である菱マンガン鉱のほか、各種硫化鉱物(方鉛鉱・閃亜鉛鉱・黄鉄鉱・黄銅鉱)や重晶石が確認できます。また、熱水からの沈殿の様子が窺える組織を持つ鉱石もありました(写真は撮り忘れていました、ごめんなさい!)。