さて、今回の目的は主にコートランダイトとAKS片麻岩の観察です。
AKSはAndalusite Kyanite Sillimaniteの3つの鉱物の頭文字で、これらの鉱物はAl2SiO5という同じ化学式を持ちますが、結晶構造が異なります。(こういうものを「多形」といいます)
この違いはできた時の温度や圧力が関係しているため、これらの3つが共存する温度圧力条件は非常に限定的です。
故に、AKS片麻岩の様な岩石はとても珍しいのです。
0日目 2017/11/02(木)
移動日でした。
19時に妙夢(通称「札駅の白い石(大理石)」)に集合。先輩がスーツケースにG△Pのパーカーというスタイリッシュな姿で現れて驚愕。帰りはそのスーツケースが石だらけになるんだなあ、などと想像しながら苫小牧に向かいました。
夜更け過ぎにフェリーで苫小牧港を出発。4人部屋だったので気兼ねせずジオトークに花を咲かせ、お酒を飲みました。某氏が樽前山を飲んで「ぼるけいの!!!!!!」と叫びマントルゼノリスポーズを披露して伝説となりました。
1日目 2017/11/03(金)
まだ海の上です。
先輩からのジオハラもとい地学クイズを楽しんだり鉱物トランプで遊ぶなどして過ごしました。
早朝、デッキの床に成長したハライトの結晶をみてはしゃぎ、撮影した1枚。撮影者は立方晶系が好きらしい。
鉱物トランプ。珪線石のカードはなかった……(´・ω・`)
大洗港に着いたのは19時半。
迎えに来てくださった東大の方と合流し、宿泊地へ。
どうやら宿泊地の近くには川が流れているらしいと聞き、筆者の頭の中は
川だ!
という感じでした。
闇パンをした川。
街灯があって暖かい、優しい闇パンだった。
パン皿。
砂金、柘榴石がざっくざく。
2日目 2017/11/04(土)
この日は朝から
コートランダイトの観察
AKS片麻岩の観察
を行いました。
コートランダイトは、角閃石から成る超苦鉄質岩です。比較的大きな角閃石(主晶)の内部に細粒のかんらん石(客晶)が包有されるという組織(ポイキリティック組織)を持っています。
非常に硬く、クラックハンマーの名手である木村さんが悪戦苦闘し、ハンマーヤクザと化していました。
AKS片麻岩については残念ながら現地でAndalusiteの自形を確認することができませんでしたが、後日薄片を擦ってみたところ無事Andalusite,Kyanite,Sillimaniteの3つの鉱物を確認することができました!
その後、少し移動してベリル探しに出かけたのですが、GROUNDは「文象花崗岩」に大はしゃぎ。
文象花崗岩は、石英とカリ長石がくさび状に連なる文象組織を持った花崗岩です。よくペグマタイトに見られる構造なのですが、北海道では見る機会は多くなく、私はこの日初めてフィールドで遭遇しました。
GROUND大興奮の文象花崗岩。
帰りのフェリーはぐったり泥の様に眠った面々でしたが、無事第九紀最初の巡検を終えることができました。
巡検の多い1年にしていきたいですね。