第48回

鵬翔祭

ご来場の皆様へのご案内

ご挨拶

高等学校校長 

岡田 直哉

楽しむ──「楽」という字が入っているためか、この言葉はしばしば「楽をする」といったニュアンスでとらえられてしまいます。しかし、楽をするとは惰性で物事を行うことであって、楽しむこととはむしろ対極にあります。惰性で行うことを楽しめる人など、まずいないはずです。惰性で行うことの対極にあるのは、主体的・創造的かつ懸命に物事に取り組むということ。つまり、これが楽しむということなのです。真剣に取り組まなければ物事を楽しむことなどできません。

私は学校行事のたび、桐蔭生たちに思い切り楽しむよう呼びかけています。そして「私」が主語となることを目指すよう伝えています。すべての行事において、桐蔭生たちが主体的・創造的に、懸命に取り組んでほしいと願っているのです。「自ら考え判断し行動できる」──この理念のもとで取り組んでいる学校改革のなか、行事を本気で楽しめる桐蔭生が育ってきていることを心から頼もしく思います。

どうか私の誇りである桐蔭生たちの躍動をご覧ください。今回の鵬翔祭を通じて桐蔭生が楽しむ姿を、一人でも多くの方が、それこそ「楽しんで」くださればこの上ない喜びです。

本日は、ご来場いただきありがとうございました。


教頭 

関谷 吉史

鵬翔祭は準備も当日も大変です。

直前ともなれば、間に合うのか、企画をひらけるのかと、あちこちでバタバタし、ドキドキもします。揉めることもあります。ひたすらモノづくりする生徒、計画修正に頭を悩ませる生徒、買い出しに忙しい生徒もいるでしょう。ギリギリまでの準備でくたくたになり、当日も働き詰めで綿のように疲れきるのです。もちろん楽しいこともたくさんあるでしょうし、友人の知らなかった一面が見えて嬉しくなったり、びっくりしたりもします。でも、やっぱり大変なはずなのです。

そんな中で、桐蔭生たちは輝きを見せてくれます。

当たり前のことなのかもしれません。それまでの努力、つながりがあるからこそなのかもしれません。

でも毎年、熱気に包まれながら、ふと、不思議な気持ちになる、これは驚異的なことではないか! という気がしてくるときがあるのです。

生徒たちの日常、実行委員会の生徒たちの長い間の活動、各企画の生徒たちの準備などをちらっと思い、主体的に取り組んできたからこそだ、とか、この経験が成長につながるのではないか、などとこむずかしいことを思ったりもします。でもやっぱり、その瞬間の生徒たちの輝きじたいに魅了されるのです。

ご来場のみなさまに、多くの企画とともに、桐蔭生が輝くwonderlandをお楽しみいただければ幸いです。

鵬翔祭実行委員長 

蓑輪 芽生

皆さんは、純粋で無垢だった子供の頃どんな夢を見ていましたか?どんなことにワクワクドキドキしていましたか?


今年のテーマはwonderland です。


人はだんだんと大人になるにつれ知識や経験によって、行動の予測ができるようになり日々の感動は薄れていくかもしれません。しかし、何かに失望し、辛く悲しい経験をしたとしても新たな未知の世界を探索し希望を見出したり、この世の自然の美しさに感動したり、好奇心を持ち続けることで純粋でいられるのではないでしょうか?


時間に追われ、忘れかけていた夢の世界を思い起こし、喜びに満ちた感動を来場された多くの方々や仲間たちと共有したい。そんな思いからこのテーマを掲げました。桐蔭生が作り上げる非現実的な世界、楽しんでもらえたら幸いです。


最後になりましたがこの場をお借りして、長い時間を割きご支援、ご指導くださった先生方に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

生徒会会長

細矢 崚

桐蔭学園は今年で創立60周年を迎える長い歴史を持ちますが、桐蔭学園高校はそれと同じ時を共に歩み続けてきました。


その歴史の中で脈々と受け継がれる伝統は、その度わずかに変化していきます。伝統の根幹はそのまま継がれますが、その周囲は毎回新たな色が作り出されているはずです。

人々は伝統を受け継いだとき、また次の世代へと繋ぐとき、特別な想いを抱くことでしょう。その想いは伝統の根幹の周囲を染めますが、それが何度繰り返されようとも二度と同じ色には染まりません。


桐蔭学園高校の伝統行事「鵬翔祭」は、歴代の桐蔭生数万人の想いに染められ、より複雑で二つとないものとして今日の私たちの元へ受け継がれてきました。

私たち桐蔭生全員の特別な想いで染められた唯一無二の「鵬翔祭」を存分に味わっていただけたら幸いです。