第4回歓待インフラストラクチャー研究会
「渋沢栄一と喜賓会」展見学会
「渋沢栄一と喜賓会」展見学会
14:30~17:00
2025年4月19日(土)、歓待インフラストラクチャー研究会の渋沢史料館見学会を行いました。
本見学会は研究会のメンバーであり、公益財団法人渋沢栄一記念財団の理事長を務める樺山紘一先生にご提案いただき実現いたしました。
渋沢史料館は近代日本の経済社会の基礎を築いた渋沢栄一に関する史料館であり、1982年に渋沢栄一の旧邸「曖依村荘」跡(現在東京都北区飛鳥山公園の一部)にあります。
旧邸敷地内には大正期に建てられた「晩香廬」と「青淵文庫」(いずれも国指定重要文化財)が現存しています。
今回の見学会では1998年に建てられた「本館」での企画展示を中心に観覧しました。
真ん中起立しているのが学芸員の関根氏
企画展を観覧する前に学芸員の関根仁氏に本展示についてのレクチャーをしていただきました。
本企画展では渋沢栄一が創立から注力していた民間の外国人観光客誘致団体「喜賓会」が紹介されており、「歓待インフラ」を研究する本研究会にとって非常に興味深い内容でした。
団体設立に関する書簡や、日本を訪れる外国人観光客のための英語やフランス語による旅行案内書や地図といった旅行業の先駆けを感じられる史料、そして団体解散の際の報告書などが展示され、喜賓会の理念や軌跡を知ることができます。
旧邸内にある建物の見学には前館長の井上潤氏も同行し、解説をしていただきました。
〔晩香廬〕
渋沢栄一の喜寿を祝い1917年に清水組(現・清水建設株式会社)から贈られた洋風の茶室です。渋沢邸を訪れた賓客を「歓待」する場として活用されました。
暖炉の前飾りや照明器具、タイルなど随所に職人の技を見ることができます。
〔青淵文庫〕
渋沢栄一の傘寿と子爵へ昇格したお祝いのために1925年に竜門社(現・公益財団法人渋沢栄一記念財団)から贈られ、蔵書を所蔵するための個人文庫として設計されました。
実際には接客するための場としても活用されたようです。
こちらの建物も渋沢家の家紋をモチーフにしたステンドグラスや装飾タイル、絨毯や調度品などの細部に至るまでこだわって造られたことが伝わってきました。
天気にも恵まれ、すばらしい見学会となりました。
(文責:新井梨予)