論文を書こう
研究がまとまったかもしれない人のための,ショボいかもと思いながらも,ショボくない論文を書きたい人へ贈る,論文を書く方法
学会行きたいなと思ったら吉日!その前に論文を書こう!
CNSのようなトップジャーナルには届かないと思いながらも,研究を続けて出てきたデータは論文にしたいことはよくある.トップの商業誌ではなくても,より有力な専門誌に掲載したいと思うのは人情である.本稿はそんな人へ向けた「ショボいかもと思いながらも,ショボくない論文を書く」方法である.研究の弱点,データの不足は,研究をしている本人がよくわかっていることであるが,ほかの研究者から見たら魅力的なデータかもしれない.すべてを証明する完璧な論文は永遠の命題であって,ヒトである者には望むのは難しい.データがまとまってきたと思ったら,読者を想定して論文を書いてみよう.今あるデータで,ほかの研究者にとってどのような情報をを提供できるか考えていくと,研究の方向性が新たに見えてくることもあろう.
1. 雑誌を決める
読者を決める.誰が読むとメリットを享受してくれるのかを考えて,読者の属しているコミュニティを考えてみよう.雑誌のscopeを見て,読んでほしい読者層とeditorial board を見極めよう.とはいうもののどこに雑誌があるのかわからないので,journalのデータベースを活用するのが早い.各分野ごとのjournal listがまとまっており,またjournalの特徴,インパクトに関するランキングなども載っているので便利である.
例えば,SCImago では被引用率によるランキングでjournalを並べており,ショボくない雑誌はQ1(上位25%の雑誌)として分類されているものと見ていいだろう.面白いのはその時系列データも掲載されているので分野やjounalの勢いがよくわかる.これらを眺めながら,ショボくない雑誌を選ぼう.
つづく
2. 構造を決める
まず,掲載されている論文をダウンロードして真似して構造を書いてみよう.この段階では日本語でOK.章立てを論文誌に合わせて,データの感じ(N数,条件数の程度,インパクト)を掲載論文と自分のデータと比べながら並べていく.投稿準備のページには大抵 For Author などと書いてあるページがあるのでこれを一字一句逃さないように読むことが必要である.論文の長さ(ページ数や単語数の制限),図の数,図の大きさ,図の書き方(線の太さ,フォント)を見ながら,投稿ルールに則って自分の主張を最大限に表現しなくてはならない.メインテキストで出して主張するデータと,論理をサポートするデータに分け,サプリメントは何にする?
ファイルの種類
データ足りないかも・・・・!
3. ポイントは何か
結論を何に持っていくか
4. タイトルを決める
共著者に論旨の検討を送る.期限を付けて
5. introductionは手抜かりなく
論文の構造を定義するにはreferenceに基づいたロジックが必要である.通常この作業をするとreferenceは30-50件程度になるはずである.ならない場合は2へ戻る.
6. 査読者は誰か
7. Figure 1でコンセプトを示せ
8. タイトルを決める
9. D.C.
10. 勇気を出して読んでもらう
11. 英文校閲
12. 勇気を出して投稿
原稿を眺めているだけでは論文掲載までに横たわる深い谷は渡れない.インディ・ジョーンズの映画で見えない橋を渡るシーンがある.切り立った崖に立ち,見えない橋に1歩を踏み出すくだりだが,理性で恐怖に打ち勝ち大いなる一歩を空中に踏み出す勇気を試される.谷を眺めていても見えるのは谷があるだけである.勇気を出して原稿を投稿し大いなる一歩を踏み出そう.