色々な書き散らしを載せています.ぜひお暇があればお読みください.
2025年の千葉大祭は全体的に無事に終了した.当初は前日準備が大雨になったこともあって,まともな開催ができるであろうかとヒヤヒヤしたが,終わってみれば大成功と言えるほどだったろう.
とはいえ,前日準備は教室を大改造する軽音サークルからしたら余計にたまったものではない.千葉大学において,軽音サークルの本拠地から教室までは結構な距離があって,その間の道も決して良いとはいえない.かなり蛇行することになるし,段差もままある.加えて,軽音というものの性質上,壊しても濡らしても少しでも落としてもならない,加えて極めて重い物資が多いから,運ぶのは本当に困難を極めた.台車も1台しかないから運ぶ回数を減らそうと思うと手で運ばなければならない.これが相当に重労働で,電源を運ぶのに二人がかりでやると,そいつを包んでいるビニール袋が水で滑る滑る.しかも,重いから一人では運べないという有様である.とにかく,雨が少しでもマシになれば荷物を運び入れ,雨が降ればそこで運べる荷物をとにかく運ぶということを繰り返すのだ.
やっとのことで運び入れても問題は多い.それらを設営せねばという問題が次に生えるのであるが,これが時間の少ないこと少ないこと.設営に使えるのはせいぜい5時間もない程度で,その中で防音材を設置して,ステージを作ってPAをやってという有様なのだから,
よく知られた話として,「カラオケの採点で点数を取っても,歌が上手いことにはならない」というものがある.これは私も全く同意見である.ただし,実際になぜそうといえるであろうか,ということにはやはり言及しなければならないと思う.
この手の議論は,例えば「歌がうまくても点数が出る人がいるから,同値でないのであまり意味がない」みたいなこととか,「下手でも点数取る人はいるよね」とかいって,論理的な誤謬を導くことが多い.しかし,現実のことで厳格な主張は多くの場合に成り立たない(そのため,言及に対して裏や逆,対偶をとることはしばしば無意味である).そこで,このことについて,直接的な批判をする.
第一に採点機能の信頼性が低い理由は,『ハック』ができることである.つまり,「点数を取る方法」というものが原理上理解されていて,その方法に則れば,歌詞通り・与えられたピッチの通りに歌う必要がなくなる.従って,「歌が上手いから点数を取ったのか」「原理に即した動きをしたから点数が出たのか」ということは点数上で把握することが難しいのである.
加えて,それらのハックの原因である,そもそもの「歌のうまさ」についても,やはり人間は定量的に評価する術を持っているとは言い難い.
千葉大祭での軽音部・サークルは,野外のステージ企画と教室を一つ占拠して行う部屋企画の2種類が催しのメインである.野外ステージは枠を1つ2つもらえる程度であるから,(おそらく)ほとんどの学生はステージ企画ではなく,部屋企画の方に力を入れる(枠を勝ち取れたバンドは流石にその限りではないと思う).
部屋企画では,教室をあれこれといじって,即席のライブハウスにすることから始まる.とはいえ,ほとんどの場合,その準備にこそ時間がかかる.ライブとして成立させるために,機材の運搬には労力がいる.フットモニターと呼ばれる演者の足元に置いて演奏の音をフィードバックさせるものでも,片手で持っていくとなると少ししんどい.観客に向けるスピーカーなら,その重さゆえに長距離をマンパワーだけでなんとかするのは無理である.そのほかにも,大量かつ高重量のミキサー機材をアレコレ運ばなければならないので,それはもう大変な所業である.
さらに,音楽系ゆえの悩みもある.音響機材を使う関係で,対策をしないままにライブをすれば,おそらく音はずっとずっと遠く,上下階に至って音が響き渡る.当然他の部活やサークルの企画に大きな迷惑をかけることになる.防音は大祭における重要事項の一つなのだ.しかし,これをどう作るかといえば,ひたすらにダンボールを重ねて,畳のような板に仕上げて,それを防音材にするのである.畳,とはいったが,厚みは10cm程度だから労力は推して知るべしという感じで,4枚作るのにも20人弱で3時間以上かかる.ダンボールの数も相当数必要だし,ガムテープも相当容易しなければならない.この吸音材はその性質上放置したり,まして長期間使うことができないから,一年一年新しく作るのである.これが本当に手間も手間なのだ.
しかしながら,基本的にどこの大学祭でも音漏れが気になるということはないから,苦労して作った防音材がとてもよく効いているのだなと思うと,そう大変なばかりではない.余談ではあるが,防音材としてのダンボールの有用性はよく知られていて,最近では個人の活動でしばしば使われているそうである.
2025年8月に関数方程式論サマーセミナーが開催されて,つい昨日終わった.
開催地は兵庫は播磨,山々に囲まれた自然豊かな土地である.人生で関西に,なんなら東京より西に行くことはこれで四度目であり,行く前からとてもワクワクしていた.
東京駅からだと5時間かかる旅程とYahooの乗換案内に言われてたこともあって,非常に心を砕くようであったが,「素直に行くことのほうが合理的だなぁ」と思ったので,姫路経由の旅程に決定した(乗り換えを行うことで1000円ほど安い行き方があるが,調べるとどうにも4,5回の乗り換えをしなければならなさそうで,乗り換えのミスで簡単に予定を色々パーにしそうだったので,そちらをとった).
初日は少し早く姫路に向かうことにした.最低限間に合うぐらいの時間は最寄りから東京駅の混雑がひどいこと,現地で迷った時の対策などを込めて,元から早く行く予定であったのだが,セッカクいくのであるから,あちこち散策をするようの猶予ができるようにしたのである.早朝6時の東京駅は閑散としているかと思いきや,大人が仕事のためにスーツで縦横無尽に歩き回り,遠征に行くであろう学生生徒がたむろしていたりと,それなりの人の入りようであった.
姫路に着いたのは11時の頃だった.すでにかなり暑く,歩き回ろう歩き回ろうと思っていたのも,体力が尽きてセミナーに差し支えても仕方がないと思ったので少しの散策でやめにして,昼飯にすることにした.こうして姫路に来たから何か名物をと思ったが,関西に縁がなかったから,何が名物かあまりわからなかった.とはいえ,目の前の情報を吐く板に頼っていても,普段の生活と変わらないので自分の足と実物を見る目を信じることにした.向かったのは『喃風どろ焼酒場』というところで,何やら「どろ焼」なる姫路の名物を出しているらしい.なにやらこれは明石焼きとお好み焼きの合いの子のようなもので,出汁につけて食べるものだそう.明石焼きのような出汁と粉物の組み合わせが好きな私にはこれが随分刺さった.たこ焼きのようにソースでもいただけるのだが,出汁でいただくほうが私の好みだ.
そうしているうちに,バスに乗る時間がやってきた.同じ(ないし合流した)ルートの仲間は見たとこ10人弱ぐらいだ.このバスが結構しんどかった.というのも,この旅で私は初の試みとしてキャリーケースを持っていたのだが,進行方向に対して常に垂直に向くような椅子に座ると,キャリーを太ももで固定していても自由に動き,自らも横方向に動き,かつ悪路に入ると縦にも揺らされる.つまり,スゴイぐらいに車酔いを引き起こすのである(私自身,車酔いをするタチであるから,これを想定すべきであったと,猛省するばかりである).
送迎バスの出る駅に着いて,降りようとした時だった.知り合いの先生が立とうとしないから
「アレ,私はここで降りますが,先生はこのまま行くのですか?」
と尋ねた.すると,その先生は少し困ったように
「ええ,私はこの先の駅で」
とおっしゃった.送迎バスが出るのに,不思議だとなぁと思った.ぐだぐだしゃべってもいられないので,ひとことふたことの会話だけで,理由は何もわからなかった.参加メンバーがぞろぞろ降りたこともあって,より一層何やってんだろうなとも思った.しかし,これの面白いオチは,我々の乗っていたそのバスが,宿のすぐ近くの駅に向かうことである.つまり,クイズ番組でまれに起こる「一人だけが正解する」という状況に遭遇したのである.答え合わせをした時には,改めて宿周辺のリサーチの必要性を痛感した.
私も発表者として参加した.いつかの日大でもしゃべったことで,事情によってそこまで研究が進んでいなかったので,院生セッションでいいか,と思ったのでそのようにした.幹事から通常講演枠に移ってほしいと思われていたことを知るのは,その日の夜の懇親会のことである.ただ,日大でもしゃべっていて,事情があるにせよ研究がなかなか進まなかったこともあって,それを負い目にしたのである.この院生セッションというものは,かつては院生が「こういうことを勉強しているよ〜」「こんなことに興味があるよ〜」と,講演よりもフランクに喋る枠であったのだそうだが,私が参加する頃にはすでにタイトルまでつけて,ほとんど講演と変わらない(変わるのは手加減ぐらい)ものになっていた.私はPapperitzの方程式と呼ばれる,超幾何微分方程式の特異点を点平等に,パラメータを一般の形にした方程式の話をした.これはゲージ変換(ここでは,単に特異点における特異性をずらす変換)と一次分数変換(球面上を同じ形にうつす変換,3点を決まった3点に移すことができる)によってPapperitzと超幾何の同値がわかるので,Kummerの24解もPapperitzにあるから,その関係式を一息で書いてやろうという魂胆の発表である.感想戦をすれば,積分表示からは4つの級数表示が確かに得られるが,それを判断しやすいように係数をいじることを説明する手があった.これを思い出せば,30分喋れたろうなと思わなくもないので,本当に通常公演でも良かったかもと今になって思う.
サマーセミナーではq - 類似のことをしている人が多いから,いつも惹かれるのであるが,これについて何か簡単にわかるような教科書はないものかないものかとやはりいつも思うのである.加えて,やはり保形関数のことについてもあれこれ出てくるので,今回は強くこちらにも惹かれた.また,不確定特異点についてのアプローチとして完全WKB解析が知られている(と素人ながらに思っている)が,私自身はすでに発散してしまったものよりも,その前段階に何かしらできないものかとフワッと考えている.これについてもやはりまずは前者を詳しく知らなければならないといつもいつも思うので,これもモチベートされた.