寒冷に構える黒い鉄を、曖昧模糊の白い影が浮遊する。

虹色を返すシリカは白に餞を送ることなく、含羞む正気を日常労働者に見せつけた。

 

白は、女であった。

少女と呼ぶには、あまりにも底知れぬ深度を頂くその強烈な洞察アロマ…

勝るものがあるとすれば、それは貴様の違和感と責任逃れな依拠であろう。


輪郭の柔らかなそれは、愚鈍な我々の疑心を悪戯に撫でてくすぐる。

ヒトは内外問わず生じる社会汚濁を、外へ外へと織り込まずにはいられないのだ。


それを知ってか知らずか、彼女は臆することなくチャイコフスキーのオディールを舞踏する。

柔らかなの少女性のワンピースに、潔白という強烈なコントラストを纏って。

我々を辱めるように、我々と共に。



手放した遣る瀬無さよ、赤熱せよ!


不動のバイヤスよ、堂々たれ!


惡なる無邪気よ、永遠なれ!