大学院での研究内容は以下の通りです。
スピン1フェルミオン系の軌道帯磁率の計算をしています。
😸軌道帯磁率とは?
磁場をかけたときの応答の1種である。
磁場をかけると磁化する現象は、スピンと電子軌道の2つの観点から説明される。そのうち電子軌道による磁場応答を軌道帯磁率という。古典的な描像において、これはローレンツ力による効果と説明される。より詳細には量子力学を用い、磁場を摂動的に取り入れる手法によって、軌道帯磁率を記述することができる。
我々の研究においては、相互作用のない系に対して福山公式を用いて計算を行う。
😹スピン1粒子系とは?
結晶群198の結晶対称性を持つ系に生じる準粒子である。その擬スピンがまるでスピン1であるようなふるまいをすることから、スピン1粒子系と呼んでいる。ほかにもスピン1ワイルフェルミオンなどと呼ばれる。
最も大きな特徴は、ワイル粒子系に特有の線形バンド構造に加え、その2つが交わるところに平坦なバンド構造が生じるところである。我々は、この平坦バンドに起因する効果を調べている。
😺発表
🌸名和 瞳,山影 相,「スピン1粒子のバンド構造に起因する軌道帯磁率」,日本物理学会 2025年春季大会,オンライン開催,2025年 3月.(ポスター)
🌻名和 瞳,山影 相,「スピン1カイラルフェルミオン系における軌道帯磁率の不純物効果 」,第70回物性若手夏の学校,滋賀,2025年 7月.(口頭)