木次線・四季模様

広島県の最北端に位置する庄原市は備後落合駅から、島根県は宍道湖の畔に位置する宍道駅までのを結ぶローカル線、木次線。総延長はわずか81.9kmながらも、のどかな田園風景から急峻な山岳地帯まで様々な情景の広がる路線です。

春は新芽が息吹き、夏は深い緑に包まれ、秋は山々が錦に染まり、冬は雪に閉ざされる。そんな豊かな表情を持つ魅力あふれる鉄道路線にフォーカスした作品を、私たち広島大学写真部の「撮り鉄」は何代にも渡り撮り続けてきました。その作品の一部をこちらでご紹介いたします。

11月の1ヶ月間は木次線が紅葉に染まる季節。冬支度のために奥出雲おろち号の運行は例年この月で終了、陽もだんだんと短くなるこの季節にはどこか哀愁をも感じさせられます。そんな色彩豊かな美しさと、冬へと向かう寂しさの同居する季節の情景をお楽しみください。

八川小学校の大イチョウは見ごろになると、一面黄金の絨毯が現れる。校庭をかすめるように奥出雲おろち号が通過していった。

深い森から現れた奥出雲おろち号にスポットライトが当たる。秋だけのドラマチックな一瞬。

スイッチバックが存在する急勾配の三井野原-出雲坂根間を下る列車。色づく紅葉の山々に鉄路が呑み込まれてしまいそうな雄大な情景。

山奥のターミナル駅、備後落合駅まではあと少し。

青と白の塗装が木次線に彩を加える奥出雲おろち号。近年、車両の寿命との噂が絶えず、その去就が注目されています。

さらに2021年になって、JRの経営状況の悪化により不採算路線の存続の見直しも表明されてしまいました。

日本の原風景が詰まった風光明媚な木次線。どこか懐かしい車窓に出会いに行きませんか。

2021.2.25 文責:へにょろ(2018年度入学・広報Web担当)