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Yamaguchi Lab.
Spin-Peierls transition to a Haldane phase
Spin-Peierls transition to a Haldane phase
Physical Review B
10
7
, L
161111
(
2023
)
スピンパイエルス転移を超えて ― 分子設計が生み出したハルデン相へのトポロジカル相転移
有機ラジカル分子から構成される一次元量子スピン鎖において、従来型のスピンパイエルス(SP)転移とは本質的に異なる、新しいタイプの相転移を初めて実証しました。対象物質は、温度低下とともに格子歪みを伴うSP転移を示しますが、その結果として形成されるのは通常の交互二量化鎖ではなく、有効スピン1からなるハルデン鎖(Haldane相)です。
従来のスピンパイエルス系では、スピン1/2鎖が単純なダイマー化によりスピンギャップを開く非磁性基底状態へと移行します。一方、本系では、分子配列の再編により強磁性相関と反強磁性相関が交互に並ぶ鎖構造(F–AF交互鎖)
が自発的に形成され、結果として
トポロジカル秩序をもつハルデン状態へと転移します。これは「単なるギャップ形成」ではなく、
スピンの有効自由度そのものが変化するトポロジカル相転移に相当するものであり
、近年量子計算やエッジ状態物理の観点から再注目されている極めて魅力的な量子現象です。さらに重要なのは、この相転移の駆動機構です。本物質では、ラジカル分子の“
分子軌道が横方向にわずかにずれる
”ことで、分子軌道カップリングが劇的に変化し、交換相互作用の「大きさ」だけでなく「符号(反強磁性/強磁性)」までも反転します。すなわち、
「分子軌道の横ずれ」という分子性特有の自由度が、量子スピン模型のトポロジーを切り替える新しい制御パラメータとして機能する
という、これまでにない物理機構が明らかになりました。
この成果は、分子設計によって結晶空間とスピン相互作用を自在に操る私たちの独自手法
RaX-D(
Radical-based crystal eXpansion-Design
)
の有効性を端的に示すものです。無機固体では到達困難な交換ネットワークの再構成を、分子軌道の柔軟性を活かして実現し、スピン-格子結合から
新奇トポロジカル相転移を創発
させました。「分子設計によって量子状態そのものを創る」という新たな量子マテリアル開拓の方向性を示すものであり、分子起点型量子マテリアル設計が切り拓く次世代量子科学の可能性を強く示しています。
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