理論モデルとして長年議論されてきた 近藤ネックレスモデル を、私たちが開発を進めてきた有機ラジカル分子の空間配置と相互作用を精密に制御する独自手法 RaX-D(Radical-based crystal eXpansion-Design)を活用することで、 世界で初めて実験的に実現 しました。有機ラジカルとコバルトを組み合わせた分子性磁性体において、ネックレス状に連なるスピン構造が形成されることを確認しました。さらに 磁場を印加することでスピン結合の状態を切り替えられる現象(スイッチング機能) を発見し、量子情報処理やスピントロニクス応用の可能性を示しました。
<ポイント>
◇ 有機ラジカル+コバルトを用いたハイブリッド磁性体で、実物質で近藤ネックレスを再現。
◇ 設計したスピン系で量子もつれ状態を観測。
◇ 外部磁場で結合状態を制御可能で、新機能材料としての基盤に。
Commun. Mater. 7, 5 (2026) プレスリリース
Phys.org — “New quantum boundary discovered: Spin size determines how the Kondo effect behaves”
ScienceDaily — “A tiny spin change just flipped a famous quantum effect”
Laser Focus World — “Quantum switch?”
Innovation News Network — “Quantum rule-break: Spin size rewrites the Kondo effect”
AZoQuantum — “Precise Control of Magnetic Interactions via RaX-D”
Enerzine.com — “Des chercheurs japonais trouvent une énigme de physique quantique vieille de près de 50 ans”
日刊工業新聞—"大阪公立大など、スピンで量子状態制御 大きさに着目"
既存の近藤ネックレス実現をさらに発展させ、飾りスピンの大きさ(spin size)を変えることで近藤効果の性質が根本的に変わること を実験と理論解析の両面から世界で初めて示しました。特に、従来は磁性を弱める働きとして知られる近藤効果が、スピン 1 の系では逆に 磁性を生み出す力として作用する ことを明らかにしました。これは量子物性における新しい境界線を示す発見です 。
<ポイント>
◇ 有機ラジカル+ニッケルからなるハイブリッド磁性体で、新型の近藤ネックレスを設計。
◇ 飾りスピンの大きさによって近藤効果の働きが 磁性生成側へと転換 することを実証。
◇ 量子相の制御指針として、スピンサイズという新たな設計パラメータを提案