企業や異分野との協働

企業や異分野との協働では以下を意識しています.

  • 楽しそうか

  • 意義が深そうか

  • 協働体制をきちんと構築できそうか

実データ解析の時は必要なら何でも使います.基本的な手法はもとより,大きく発展した手法もスムーズに使って頂きたいと思っています.

企業との共同研究やコンサルテーション

守秘義務などがあるので,具体的には書けないですが,以下に例を挙げます.

  • 高次元・高欠測データのための回帰モデリング技術(統数研ニュースでの紹介「産業界の課題を動機とする共同研究」).IJCAI2019&NeurIPS2020 受理.論文化まで行ったので,内容をオープンにできましたし,ソフトウェアも公開しました.いくつかのメディアで紹介されました(例:日経ロボティクス2019年11月号&2021年2月号で SEXY TECHNOLOGY として特集).R package: hmlasso. 東芝レビュー74巻2号 pdf.HMLassoは東芝の技術戦略説明会で取り上げられました

  • 日本アクチュアリー会例会講演「統計科学と機械学習の違いについて」

  • 交互作用検出.P値の多重調整.感度分析.非線形モデリング.臨床試験.品質管理.

異分野との共同研究

医療統計やバイオインフォマティクスに関しては多くの実績があります.詳しくは論文リストをご覧ください.

面白かった体験

  • データ解析の結果として,どういう組み合わせでどのように製品を作ったら,どのぐらいの効果量が期待できるかを報告した.その効果量を見て,会議室で一斉に「おー」というどよめきが起きた.急に質疑応答が活発になって,空気が一変した.このときの興奮は忘れない.その解析結果に基づいて製品を改良したら,効果量が実際に大幅に改善された.(統計的には主に交互作用検出)

  • 先方はマウスの研究で重要な遺伝子群に当たりをつけていた.人で同じ研究をしたが,自分たちのデータ解析法では,想定した遺伝子以外にも有意な遺伝子が見つかった.そこで藤澤に相談された.ただし,藤澤にはマウスの研究は知らされずに,先見情報なしに人のデータの解析を行った.藤澤の解析結果では,想定された遺伝子だけが有意という結果になった.先方は大喜びだった.こちらも,ブラインドの結果をきちんとしたデータ解析手法で当てられて,良い体験となった.先方はこの結果の後に本気で統計を学び始めたらしい.(統計的には主に多重性の調整.)

  • 幾つかの動物ではある種の傾向が見えていたがある動物ではその傾向が見えなかった.そのデータ解析方法がまずいと思い,工夫したデータ解析を行った.その結果として,その動物も同じ傾向が見えることが示唆された.(統計的には主に外れ値への対処.)

  • 提案した手法が,システムに組み込まれて,手作業が自動化された.