フルタイム学生: 基礎能力として「数理能力」と「プログラミング能力」がしっかりしている.データ解析を意識して,「数理基盤のしっかりとしたデータ解析手法の提案」を志向している.
社会人学生: 「研究テーマ」がきちんとある.「データ解析の経験」がある.大学院研究に十分な時間が取れる.「数理能力」・「プログラミング能力」,これらの内の1つがしっかりしている.
補足: 「研究テーマ」はかなり広く対応できると思います.これまでの学生の研究テーマや論文を見て頂ければ感じて頂けると思います.
半年: 研究テーマに関連した論文を読み,研究テーマを明確にする.
半年: 論文の深読み.同時に研究テーマを深くする.研究テーマを進めるための不足能力を補う.
半年~1年: 研究テーマを本格的に進める.論文執筆.論文投稿.
次の段階: 論文改稿.新規研究テーマを進めて論文執筆.博士論文の執筆.学位審査.
1本目の論文に関しては積極的に並走します.2本目以降は,1本目の経験をもとにして,本人が自立できるように,関与を減らしていきます.
論文を執筆して採択に至れる能力: 博士課程で獲得すべき基本能力.
本質を明確に抽出できる能力: (例)ある論文に対して「論文の意義を捉え」「論理の飛躍なく」「的確に要約」する能力.
プレゼン能力: 自分だけの理解に留まらず,様々なタイプの人に分かりやすく説明する能力.
学位取得に必要なものは論文採択です.しかし,論文を執筆する過程で獲得しやすい,下2つの能力の獲得も意識します.研究に関してはもちろん,教育や通常業務でも重要な能力だと思います.その観点でもアドバイスします.
良い成果を得ようとすればするほど,自分を追い込む必要があります.そして,自分の(表面上の)限界を突破しようとする時は,当然のように大変な思いをします.しかし,だからこそ,限界を超えたときに,自分を飛躍的に成長させることができ,視野が大きく広がる気がします.博士課程というのはそういう機会かなとも思います.指導教員としては,せっかくのそのような機会に,研究能力の獲得だけでなく,上述したような周辺の能力も伸ばして頂ければと考えています.特に,自分を追い込むと,ふだん何となく見過ごしている,自分の長所と短所が明確になっていきます.(これまでの学生を見ていると本当にそう思います.)その発見のサポートもできればと考えています.
機会があれば,藤澤以外の研究者を紹介して,研究室内に留まらない視野の広さを獲得して頂きたいと思っています.
進路相談で話をして,指導教員として自分が合わないと思った場合,他の指導教員を紹介することもあります.