教養学部学際言語科学コース、言語情報科学専攻修士課程、同博士課程いずれにおいても、私の方からテーマを与えることはありません。したがって研究トピックは自由ですが、現象であれ理論であれ、自ら問題意識を見出し、経験的な議論(一般化)に基づいて何らかの形で理論や分野全体に貢献することを目指します。そのため、純粋に理論的な議論をしたいのであれば、私との相性は良くないかもしれません。関連して、先人が言っていることを鵜呑みにしたり後追いしたりするような議論は避け、分野の正確な理解を土台としつつもどこかに「自分らしさ」が出る研究を推奨します。
対象言語や現象は何でも構いませんが、私の好みとしてすぐに他の言語や現象にも目を向けたがり、また大風呂敷を広げたがるので、そういった研究スタイルが好きな方、あるいは挑戦してみたい方とは相性が良いと思います。
なお、私は指導学生のペースをコントロールするようなことはしません(というか、できません)。あくまで主体的に、自らのペースで勉強・研究することを尊重します。そのため、指導教員によるペース管理が欲しい方は、私との相性は良くないと思います。
最後に、私は身を削って研究することを良しとはしません。というのも、「科学は人の営みであり、良い科学をするためにはその主体である人、すなわちあなた自身を大切にしなければいけない」、また「大学とは良き社会を築く良き市民を育てる場所(の一つ)であり、良き社会を作るために科学が営まれるのだとすれば、研究文化・環境それ自体も良き社会でなければならない」と考えるからです。(もちろん、「良い科学」「良き社会」とは何か、ということも考えてもらいたいです。)心身の健康を最優先にし、適切な休養・食事・遊びをしながら、健全な肉体と精神をもって充実した研究をすることを奨励します。