■テーマ:「生徒参加の校則改正と教職員集団による学校づくりの取り組み」
■趣 旨
私たち「開かれた学校づくり全国連絡会」は、昨年度 2 回の研究会を実施しました。第 1 回研究会では、いわゆるブラック校則の改正問題に、生徒が積極的に参画した3つの事例を学びました。2つの高校と1つの中学校のいずれも、見直し活動の過程を通して生徒たちの大きな成長と、それにかかわった教職員の変化を確認することができました。第 2 回研究会では、学校評価を学校づくりに積極的に関わらせて成果をあげている私立と公立の例を学びました。
しかし、一方で多くの学校での校則改正の動きは文科省・教育委員会、または校長の指示によるもので、生徒の主体的な活動には限界を感じさせられるものであり、教職員集団による学校づくりに発展することに結びつくものではありませんでした。評価も、授業評価のように一定の成果をあげているものもある一方、教職員の評価が多忙化の一因になったり、人事考課による様々な悪影響が見 受けられたりしています。また、外部評価を過度に意識した学校経営が行われたり、さらには評価そのものが形骸化、形式化してしまっている例も見受けられます。校則改正が生徒主体の動きとなりにくい理由のひとつに、評価でがんじがらめになって、上意下達が強制される教職員間の関係性があります。教職員が生徒と共に積極的に学校づくりに参画しづらい現状があるのです。
でも、今私たちのまわりに起こっている校則改正に生徒の意見を取り入れようとする流れや、自治体による「子どもの権利条約」の普及活動は、私たちにとって紛れもない追い風です。かつて私たちの先達はGHQによる教育の民主化の流れの中で、自ら世界に誇れる優れた教育実践を築き上げてきました。今回、生徒と共に教職員集団が学校づくりに積極的に関わる可能性について、各立場の意見を聞き、共に考えたいと思います。
■日 時 2024年1月21日(日) 9:30~12:00(オンライン)
■パネルディスカッションおよびフロアを交えての質疑討論・意見交換
司 会:細野隆彦会員(全国連絡会企画運営委員・元愛知教育大学)
コーディネーター:山澤智樹会員(全国連絡会企画運営委員・岩手県立大学)
パネリスト:
松林隆行・柴田文子 「名古屋市立山田高校三者意見交流会10回の歩みと名古屋市立桜台高校での模索」
杉浦浩司 「愛知黎明高校 保護者と連携した教職員集団の学校づくり」
神野 寛 「高知県奈半利中学「三者会」を20年以上続けている教職員集団」
藤田星流 「生徒主体のルールメイキング活動の伴走と学校現場での子どもアドボカシー」