共同代表 あいさつ

植田一夫

大阪青山大学

        2024年度より「開かれた学校づくり全国連絡会」の共同代表をさせていただきます植田一夫です。私は滋賀県で37年間小学校の教師をしていました。今は大学で教員養成の仕事をしています。どうぞよろしくお願いします。

  私は小学校で信じて任せると驚くほどの力を出して学校をよくしようとする子どもたちとたくさん出会ってきました。クラブを自分たちで設立すると活動は自分たちで考えましたし、子ども祭りについても世界でたった一つのものをつくると意気込んで原案を書き児童総会に提案して自分たちの力で実行しました。体育館の使用割り当てについても「ボールが怖い」と言う困りごとに応えて、使用割り当てを見直し「こんな小さな学校だから毎日全校で遊びたい」という自分の夢の実現に向けて力を発揮しました。私はこんな経験を通して子どもたちは任せれば力を出して身近な社会を変える力をもっていると確信しています。

  ところが、今、社会では選挙への関心が低く2023年の埼玉県の知事選挙は23%余りの低投票率でした。これは「どうせ投票に行ったって社会は変わらない」という考えが広がっている結果だといえます。そのような考えになってきた一つの原因が学校教育にあるといえます。私が大学で小学生としてきたことを話すと「うらやましい」「そんな風に任せてもらえなかった」という声がたくさん聞こえてきます。つまり、多くの子どもたちが頼りにされてこなかったのです。そして、学校の主人公たる子どもの不登校が30万人を超えるということもその証拠の一つです。みなさん、未来を創る子どもたちが身近な社会としての学校に主人公として参加し、自らの手で学校を創っていく社会をつくる仕事を一緒にしようではありませんか。そのために子どもも大人も学び、経験を交流していきましょう。