2022年度第2回研究会の記録
<第2回研究会(3月12日)の記録>
(1)実施体制と準備・開催状況
①3人の企画運営委員=笹田、小池、武者が担当した
②5回+αの企画会議により準備した(2022年10/18、11/22、12/13-20、2023年1/10、2/14。このほか随時メール会議を開催した)
③全国連絡会会員への宣伝活動
1/16 HP案内掲載及びMLにて「全国連絡会主催の第2回研究会のご案内」(メールニュース2022-24)の配信
2/16 HP案内更新及びMLにて「第2回オンライン研究会への入室等のご案内」(メールニュース2022-26)の配信
3/2 MLにて「3月の研究会等のご案内」の配信
3/10 MLにて最終の研究会案内(メールニュース2022-29)の配信
3/15 第2回研究会のレジュメ・録画などの配信開始
⑤参加方法・参加費:当日Zoomに参加、会員・非会員とも無料。
⑥当日の研究会参加者数
途中で出入りがあったので正確な人数ではないが、30名弱の参加があった。確認出来たところでは大学院生が最年少であった(この研究会を契機に入会)。ただし日本橋中学校は、1つのメールアドレスで複数名(副校長・主幹、教務主任ら)がシェアして参加していたと思われる。
(2)研究会の内容構成―プログラム
■日時:2023年3月12日(日)午後2時~4時
■会 場:オンラインのみで開催
■テーマ:開かれた学校づくりと学校評価 —子ども・保護者・地域住民の参加—
■司 会:浦野東洋一会員(全国連絡会共同代表、東京大学名誉教授)
■報告:
1)平野雅仁さん(東京都中央区立日本橋中学校校長)
「学校評価について」
中央区立日本橋中学校の「自己評価報告書」を中心に、日本橋中学校の学校評価について報告。
2)喜多隆正さん(日本橋中学校の外部評価委員)
「開かれた学校づくりと学校評価 -子ども・保護者・地域住民の参加-」
「外部評価報告書」を中心に、日本橋中学校の学校評価について報告。
3)日永龍彦会員(山梨大学)
「開かれた学校づくりと学校評価 -子ども・保護者・地域住民の参加-」
日本における学校評価の展開を概観し、埼玉県立学校における学校評価(関連)政策の動向について報告。
なお、報告者のレジュメ資料については、当日Zoomのチャット機能を用いて配布。
■報告を受けて質疑討論
■各報告の参考資料
◆平野さん・喜多さんの報告関係:①HPより入手可能な資料・・・令和4年度 日本橋中学校経営計画/令和4年度 日本橋中学校における重点目標/令和4年度 学力向上プラン(10月修正版)/令和3年度 日本橋中学校 自己評価報告書/令和3年度 日本橋中学校 外部評価報告書 ②『季刊教育法』214号(2022年9月)の連載企画「参加と共同の学校づくり」。
◆日永さんの報告関係:全国交流集会第Ⅱ期10年を振り返った浦野・勝野・中田・宮下編著『校則、授業を変える生徒たち 開かれた学校づくりの実践と研究』(同時代社、2021年)に、報告者の以下の論考が所収されております:日永龍彦「埼玉県立入間向陽高等学校ー『向陽高校をよくする会(学校評価懇話会)』から見る持続可能な『開かれた学校づくり』」。
(3)研究会記録の公開
3つの報告(資料及びビデオ映像)を、報告者の許可を得て、会員限定で提供した(メールニュース No.30, 2023.3.15)。
なおビデオ撮影には、山沢さんに全面的にお力添えいただいた。
(4)会計報告
費用は、とくに発生していない。
ただし、お茶菓子等の手土産を、司会の浦野先生がお届けする予定(12月企画運営会議)。
(5)成果と課題
①成果—第2回研究会のまとめ
本団体は設立時に、その課題として「対話に基づく自律的な学校運営の基礎となりうる学校評価の再構築学校運営と乖離して形骸化が指摘されている学校評価活動を『開かれた学校づくり』の基盤となるツールへと再構築するために、既存の学校評価をどのように見直していくか。」を掲げ、「対話に基づく自律的な学校運営の基礎となりうる学校評価の再構築」(本団体設立趣意書。Ⅴ.「開かれた学校づくり」の課題④。)を提起した。第2回研究会は、これへの手がかりを得ようと企画された。
平野雅仁さん(東京都中央区立日本橋中学校・校長)の報告
平野報告は、最初に日本橋中学校の概要についての簡潔な説明に続いて、中央区立学校における学校評価のガイドライン、中央区立学校における学校評価システム、日本橋中学校の自己評価(特に教員、生徒、保護者に着目して)、日本橋中学校の外部評価(学校関係者評価、第三者評価に着目して)」、評価結果の公表(主要な媒体として、学校だより・学校ホームページ)の、大きく五点にわたった。
喜多隆正さん(東京都中央区立日本橋中学校・外部評価委員)の報告
喜多さんは地元で事業経営やNPO理事長をつとめており、日本橋中学校には学校評議員やPTA顧問(元会長)としても携わっている。PTA役員のとき(2008-2010年度)に、「生徒のために」を基本方針に掲げPTA組織の改革を実施した。このとき、「連絡、親睦」方から「対話、教育」型へ、PTAの「一部参加」型から「全員参加」型へと転換した。また、「三者協議会」の導入をした。
喜多さんからは、外部評価の状況、地域的状況、学校評価の検証、課題について報告がなされた。
日永龍彦さん(山梨大学・本会会員)の報告
日永さんからは、一つ目に「これまでの自身の取り組みの経過 自己紹介を含めて」(学校づくり・学校評価の取り組みや研究へのつながり)、二つ目に「日本における学校評価の展開とその形骸化の要因」(近年においては、学校評価の形骸化・学校関係者評価の困難さ、学校関係者評価の学校運営協議会への移行、 現行学習指導要領におけるカリキュラムマネジメントと学校評価の一体化が進んでいる)、三つ目に「埼玉県立学校における学校評価(関連)政策の動向」(生徒を主人公とし生徒と対話するものへ)の三つの柱からなる報告がなされた。
質疑全体討議では、大学院生の鈴木さんの感想と質問を端緒として、学校評価でとりあげる事項や公開する情報、これらの合意形成の手続き・組織等について議論となった。
この中で、学校評価はツールであって、目的(こういう力を身に付けさせたい)をもって議論し公表していることが確認された。また、公表すべき内容の合意形成に関して、学校全体の保護者会(学期に一回)の後に開催される学年保護者会(部会)や学級保護者会といった小集団での話し合いが重要であること(とりわけ学年会が大きな存在であること)の発言があった。他方、教職員や保護者住民の多忙化に陥らぬよう、既存の会議体を活用することが必要となるとの意見が出された。さらに、公表する必要のある情報を慎重に吟味しないと学校改革・改善を阻害しかねないこと、話し合いの場に子どもを参加させるときには教育意義の観点(参加の実質化)が不可欠であるとの指摘があった。
②残された課題
■開催時期の問題
当初2月開催を模索したが実現できず、やむなく3月開催を視野に入れて調整したところ、三人の報告者の予定が唯一3月12日のみ調整できた。しかし企画担当者や会員において、国立大学の二次試験後期日程の日であることや高校入試等の問題等から欠席者が目立った。
振り返ると、前身の「開かれた学校づくり全国交流集会」の時代にも、2、3月の時期の開催で苦しんだ経験があった。こうした点を踏まえると2、3月の研究会の開催は慎重となる必要があるのではないか。
■研究会・集会等の開催回数の問題
「開かれた学校づくり全国交流集会」の時代は世話人が若手からベテランまで30名近くおり、年一回の開催を目標としていた(これも開催できない年があった)。他方、「開かれた学校づくり全国連絡会」は立ち上がって約一年であり、組織体制の充実・会員の拡大を図っていく時期でもある。こうしたことを踏まえると、この一年間取り組んでみて研究会・集会等の開催回数を精選することも、一考に値するのではないか。
全国連絡会主催 第2回研究会のご案内(2月16日更新)
3月12日の第2回研究会では、東京都中央区立日本橋中学校の学校評価の取り組みを中心に検討します。日本橋中学校では、2009年より、年2回、PTA主催の「三者協議会」が開催されています。また、研究会では、日本における学校評価の展開を概観しつつ、埼玉県立学校における学校評価の実践についても検討します。以下、研究会の概要をご紹介します。年度末で何かとお忙しい時期ではございますが、全国の学校評価の実践と研究の交流ができますよう、皆様の積極的なご参加をお願い申し上げます。
■日時:2023年3月12日(日)午後2時~4時
■会 場:オンラインのみで開催
ZoomのURLのご案内については、会員の方は、「メールニュース」2022-26(2023年2月16日発信)をご覧ください。会員以外のかたで、参加をご希望の方は、全国連絡会の事務局まで、メール(hg.zenkokuren@gmail.com)でご連絡ください。
■テーマ:開かれた学校づくりと学校評価
—子ども・保護者・地域住民の参加—
■司 会:浦野東洋一会員(全国連絡会共同代表、東京大学名誉教授)
■報告:
(1)平野雅仁さん(東京都中央区立日本橋中学校校長)
中央区立日本橋中学校の「自己評価報告書」を中心に、日本橋中学校の学校評価について報告いただきます。
(2)喜多隆正さん(日本橋中学校の外部評価委員)
「外部評価報告書」を中心に、日本橋中学校の学校評価について報告いただきます。
(3)日永龍彦会員(山梨大学)
日本における学校評価の展開を概観し、埼玉県立学校における学校評価(関連)政策の動向について報告いただきます。なお、報告者のレジュメ資料については、当日、チャットでご案内、共有させていただきます。
■各報告の参考資料
◆平野校長・喜多さんの報告関係:①HPより入手可能な資料・・・令和4年度 日本橋中学校経営計画/令和4年度 日本橋中学校における重点目標/令和4年度 学力向上プラン(10月修正版)/令和3年度 日本橋中学校 自己評価報告書/令和3年度 日本橋中学校 外部評価報告書 ②『季刊教育法』214号(2022年9月)の連載企画「参加と共同の学校づくり」。本号には、平野さん、喜多さんのほか生徒の青山さんの実践報告が掲載されています。
◆日永さんの報告関係:全国交流集会第Ⅱ期10年を振り返った浦野・勝野・中田・宮下編著『校則、授業を変える生徒たち 開かれた学校づくりの実践と研究』(同時代社、2021年)に、報告者の以下の論考が所収されております:日永龍彦「埼玉県立入間向陽高等学校ー『向陽高校をよくする会(学校評価懇話会)』から見る持続可能な『開かれた学校づくり』」。
■企画担当者:小池由美子(大東文化大学)・笹田茂樹(富山大学)・武者一弘(中部大学)
(2023.2.16 事務局 坪井由実)
全国連絡会主催 第2回研究会(冬季)のご案内
全国連絡会では、年2回の研究会を開催することにしています。第1回研究会(夏季、昨年8月24日開催)に続いて、第2回研究会を3月に開催します。概要を以下にご案内しますので、あらかじめご予定ください。詳細は、報告者との打ち合わせ後、2月中旬にご案内します。
■日時:2023年3月12日(日)午後2時~4時(予定)
■会 場:オンラインのみで開催
■テーマ:開かれた学校づくりと学校評価
—子ども・保護者・地域住民の参加—
■報告者:平野雅仁さん(東京都中央区立日本橋中学校長)、喜多隆正さん(日本橋中学校の学校評議会委員、PTA顧問)、日永龍彦さん(山梨大学、本会の企画運営委員)の3名を予定しております。
■司 会:浦野東洋一(全国連絡会の共同代表、東京大学名誉教授)
■企画担当者:小池由美子・笹田茂樹・武者一弘
■参 考:中央区立日本橋中学校の三者協議会については、『季刊教育法』第214号(2022年9月発行)の連載「開かれ
た、参加と共同の学校づくり」の第1回に、以下の実践報告が掲載されていますので参考にしてください。
*平野雅仁「生徒、保護者、教職員をつなぐ『三者協議会』」
*喜多隆正「実践報告 PTA改革と『三者協議会』導入」
また、同校中学校3年生による「三者協議会での学びと、三者協議会の課題」も掲載されています。
(2023.1.16 事務局 坪井由実)