現代社会では、高度情報化社会の形成やパンデミックの発生などにより、社会システムはこれまでにない大きな構造変化に直面しています。こうした急速な環境変化に対して、都市や社会システムがいかに柔軟に適応していくかが重要な課題となっています。 我が国では、急速な経済成長に呼応して、成長型の都市戦略に基づき比較的緩やかな土地利用規制が行われてきました。しかし、2009年以降の人口減少が転換点となり、従来の成長を前提とした都市計画だけでは十分に対応できない時代になっています。今後は都市周縁部を中心として、空き家・空閑地がモザイク状に発生し、都市インフラや居住環境の維持管理が一層困難になることが予想されます。また、流通が困難な、いわゆる「負動産」の増加や、その予備群となる住宅・土地の蓄積も進むことが懸念されています。
こうした状況下で、当研究室では以下の方針で研究を進めています。
・都市・不動産に関する情報の統合とその利活用
・社会変化に適応可能な都市・社会システムの構築
・自然回帰を見据えた低密度型住宅地の形成の方法論構築
・人口減少社会に対応した都市インフラの維持管理
・都市のにぎわいや地域活力の再構築
研究の着地点としては、多様な都市情報を活用し、人々の居住行動や住宅・土地利用の実態を定量的に把握するとともに、住宅と土地を一体的に捉えた持続可能な都市・不動産マネジメントの方法論を構築することです。その実現のため、主に物的計画について研究、実践を続けており、博士課程では住宅・空間解析に関わる研究を行ってきました。博士課程修了後には都市・不動産に着目し、大規模データベース構築手法の確立や不動産取引と地域環境との相関などの分析を進めています。多層的な空間スケール、最適化、計量的分析に基づく都市マネジメントをキーワードに、研究から実践まで行いたいと思っています。
研究では、主にR、Pythonを用いた空間的定量分析を行い、マルチスケールでの都市空間を対象に研究しています。
2026年7月13日時点