論文 (出版/アクセプト済み):
M. Hirose and H. Kawamura, "On a lifting of t-adic symmetric multiple zeta values", Research in Number Theory 11 (2025), art. 64.
高3の終わりごろから所属プログラムを通じて広瀬さんにコンタクトを取って取り組み始めたものです。結局プレプリントが出たのは3回生の冬で超難産でした(すべて僕のせいであり広瀬さんに非はありません)。双対性がキレイでお気に入りです。
H. Kawamura, "Formal sine functions in harmonic algebra", Indagationes Mathematicae, to appear.
妻と高校数学の話をしていて加法定理にまつわる部分を思いつき、ちょっとしたギャグのつもりでMathlogに載せていたのですが、関さんに「論文にしたら?」とencourageされて書きました。どうせならピタゴラスの定理とかも考察してみようとやってみたら思いがけず同値になり、さも狙っていたかの如く主定理に仕立て上げた記憶があります。イントロがお気に入りです。
H. Kawamura, T. Maesaka and M. Ono, "Weighted sum formulas for variants of half multiple zeta values", International Journal of Number Theory 20 (2024), 2329-2353.
小野さんと早稲田のタリーズで話していたとき「関さんの博論にあるt-FMZVの和公式問題をsymmetric側の設定で解けないか」というトピックが出て、いろいろやっていたらなんだか違う形に化けました。Kaneko-Zagierの哲学を信頼しきって大概のvariantで仕上げています。
H. Kawamura, T. Maesaka and S. Seki, "Multivariable connected sums and multiple polylogarithms", Research in Mathematical Sciences 9 (2022), art. 4.
はじめての査読付き論文です(詳しいヒストリーは関さんのpdfにあります)。セクション6にあたる内容を高3の初夏からやっていました。あの頃はまさか多重ポリログの論文になるなんて思いもしませんでした。
論文 (プレプリント):
H. Kawamura, "Ecalle's senary relation and dimorphic structure", arXiv:2509.21252.
前作 ("A note on~") の続きです。むしろ経緯としてはこれの主結果が2025年春にできたのが先でした: もうちょっと言うと、鹿児島mould theory seminarにお招きいただいたときに世話人の古庄先生から「Bachmannさんと共同でEcalle論文のSec3,4をやるように」というお達しがあり、その打ち合わせをしてる最中にsenary rel.が未解決と聞いたのでがんばって解いてみたのが4月はじめとかでした (当時はKVとの関係とかあんまりわかっておらず、ただ大事なのに証明がないということだけ聞かされていた)。その報告をBachmannさんに伝えるとすぐに名古屋でセミナーに呼んでもらえて、その場でほとんどの国内関係者には伝えることができたのでひと安心でした。その後いろいろ議論して、とくに小見山さんからもらった課題 (senary rel.の解空間がpush不変空間に一致するか) とかも解いたうえで全部盛りにしてます。
H. Kawamura, "A note on flexion units", arXiv:2506.22825.
Mould理論に参入してはじめての論文です。今までの論文ではほとんどpolar unitしか扱われていなかった印象があるので、ここいらでflexion unitの一般論をやっとくと今後引用が楽になるだろうと思って割とがっつりサーベイしました。何気にgaxitの準同型性とか分離性とかの証明も(多分初めて)ちゃんと明文化してます。とはいえ体力の限界で輸送同型をはじめとしたtwisted symmetryの理論には一切触れられていないので、続編を書く機運はあります(誰か手伝ってください)。
H. Kawamura and A. Yokoi, "Cyclic sum formula for certain parametrized multiple zeta values", arXiv:2412.04089.
KdEi研の担当生徒とのコンビです。五十嵐さんの論文にあった未解決問題集に片っ端から反復積分でアタックしてみる、というのを2回生の冬にやっていたのですが全敗で、忘れかけていたころに横井君が「パラメータ付きMZVに興味がある」というのでどうせならと提案してみたらHoffman-Ohno型の議論で解けました。
H. Kawamura, "Duality on symmetric multiple polylogarithms", arXiv:2411.08711.
ツリー反復積分の論文を出してすぐに小野さんから「対称MPLに双対性はないのか?」と聞かれて、その頃は上手くいかなかったので「あったらいいですねえ」とかお茶を濁していたのですが、年月が経って改めて反復積分のアプローチを持ち上げてみたらできました。結婚に伴って引っ越したら近所にスタバがあるのに気づき、そこに籠って短期集中で仕上げた論文です。
H. Kawamura, "Discrete iterated integrals and cyclic sum formulas", arXiv:2404.16161.
なんとかしてMSWムーブメントに乗っかりたいあまり急いで拵えました。最初はただMSW型公式を一般の反復積分に持ち上げたいと思って始めたものですが、これではパンチが弱いと思い巡回和もやってみました(調べてみたらまさかの「誰も多重ポリログの巡回和公式を論文に書いていない」という事実に気づいて書いたという事情も有)。はじめて引用された単著でもあります(鶴田さんありがとうございます...)。
H. Kawamura, "Iterated integrals associated with colored rooted trees", arXiv:2209.13293.
2回生の夏に書きました。もともとは小野さんの2CRTの理論について都数で発表したときに思い付いたものです。多重ゼータ値界隈に移り住んでから初めての単著です。2CRTの理論を反復積分にできないかと思っていたらすぐに{0,1}以外にも持ち上げたくなりました。contraction lemmaとかharvestbale treeのシャッフル型の表示とかは割とすぐにできたのですが、根の変更補題で正規化を思いつくまでがなかなか手こずりました。
H. Kawamura. "The hypermultiple gamma functions of BM-type", arXiv:1910.05204.
H. Kawamura, "Asymptotic Expansions for the multiple gamma functions of Barnes-Milnor type", arXiv:1906.00344.
H. Kawamura, "The q-multiple gamma functions of Barnes-Milnor type", arXiv:1905.08068.
その他掲載物:
(掲載予定) "1/2 多重ゼータ値の重み付き和公式と一般化超幾何級数", [誌名未定].
"Pythagorean Triple への作用", 3回生のときにゼミ用に作ったメモ, 2023.
"Topics related to t-adic duality", 数学のなかま 64 (2023).
"D色根付き木に付随する反復積分", 数学のなかま 63 (2023).
"2色根付き木と調和代数上の等式", 数学のなかま 63 (2023).
"有限多重ゼータ値の和公式", 数学のなかま 62 (2021).
"たいかんかけ足", みんなの追手門 52 (2009), p.104.