Luna

AFTER STORY

天を突くように塔は聳え立つ。

ルーナはその塔の中から月を見上げた。

優しくこちらを照らすまろい月明かり。その光にルーナはもう手を伸ばさない。幼い頃から繰り返したその行為に、意味はないと知っている。静かなため息を吐き、膝を抱えて眠りにつく。

あの月を目指して空を飛ぶ──そんな自由を夢見ながら。

SECRET STORY