富山市婦中町住宅地開発
総合設計:㈱藤田住環境計画
開発地は富山市(旧婦中町)の田園地帯で開発面積は約112,400㎡、予定区画約270戸のプロジェクトである。
住宅地の中心に公園を配置しそこを中心としてほぼ同心円状に曲線道路が取り囲む道路パターンが計画されていた。
そこで街のコンセプトとしては周囲に波紋が広がるような道路パターンから音の広がり、響き合いをイメージしシンフォニック・ステージ(交響曲の舞台)というコンセプトを提案した。
これは開発住宅地に見られる画一化した没個性的な街並みではなく、多様な人々が住みかつ調和(人、自然との調和)していく住宅地を目指したもので、その多様性と調和を多様な楽器が響きあいハーモニーを奏でる交響曲として捕らえ、その生活の舞台としてステージという言葉を合わせたものである。このコンセプトは物件販売まで一貫して採用され街のイメージとして確立された。
ランドスケープ計画
公園には音楽のテーマ性に合わせて音楽用語によるネーミングを行った
中心の公園は4つのゾーンから構成されているためカルテット(四重奏)・パークとなづけ、中心には12本のドイツトウヒを円形に配植しピセア(トウヒの英名)サークルとし街の中心とした。ちなみに12本は1オクターブを構成する半音の数を意味している(12音階)
また南に配置している公園には活発に遊ぶことができるように大規模なアスレッチク遊具を設けた。力強く遊ぶというイメージからフォルテ・パークとした。
西側には調整池を取り囲むように公園が計画されていたため水場へ野鳥があつまるように周囲の緑地には野鳥が好む実をつける樹木を植栽し、小鳥がさえずるように歌うという意味のトリルという言葉をつけトリル・パークとした
またトリル・パークには音楽イベントなどのためにメタセコイヤを円形状に配植したステージを調整池に張り出すように設けた。
北側にある公園は規模は小さいため街角のガーデンのようなイメージで計画しト音記号をモチーフとした園路を設け静かな佇まいを目指した。ネーミングはト音記号からクレフ・ガーデンとした。
外構植栽計画では五線紙をイメージしたデザインウォールを提案し、音楽のテーマ性を明確にしている
2005年に街開きが行われ、現在多くの人々が響き合いながら暮らす街となっている。