樹木選定での留意点

1)樹木と自然環境条件


計画地に植栽される樹木は、気象条件、気候条件等により限定される場合が多い。
さらに、潮風や煙等の影響度合いや、地下水位の状況、土壌や日照等の環境条件を考慮し、樹種を選定する必要がある。
計画地の自然条件や環境条件を無視すると枯れや生育不良を起こす結果となる。
また特にその土地の風土に適した樹木を選ぶことは、復元緑化や森や林の形成という点で重要であり、管理も容易である。

2)樹木の選定

実際に樹木を選ぶ場合は、現地調査の際、計画地近辺に植えられている樹木を調査したり、地元の造園業者に聞いたり、場合によっては植生調査を行ない使用できる樹木を調べ、さらにその中で生産状況やコスト等を考慮に入れ、イメ-ジに合った樹木を選定する。
また管理のことも考慮する必要がある。

参考HP:緑化樹木地域別価格・調達難易度(日本緑化センター)

3)樹木の選定と周辺の環境

 1.狭い場所に常緑、落葉樹の大木を植栽すると、日照や落葉の問題が生じるので十分注意し計画すること
 2.目隠しが必要な場所、駐輪場、ゴミ置場等は、常緑中木のH1.5~2.0mの生垣を計画すること。
 3.危険箇所には近づけないような植栽計画をすること。

4)樹木の選定と管理

1.仕立物は管理に手間がかかる。自然形のものは管理が容易である。又、果樹は管理の手間がかかる。
2.芝は管理の手間がかかる。特に洋芝は日本芝に比べ、刈り込みや施肥、灌水等に倍以上の手間がかかる。
3.その場所の環境に適しているものは、丈夫で病虫害に強く管理が容易である。虫がある程度つくのが自然で、鳥等が集まってくることになる。

5)その他の注意点

[有毒] 毒のある植物、幼児などが誤食しないように植栽に配慮する必要がある。
[かぶれ] 触れると皮膚の炎症などが起きる場合がある。人が触れるような場所には植栽しないようにする。
[トゲ] 人が触れやすい場所には植栽しないようにする。侵入防止には効果的。
[花粉] ○:花粉症の報告があった植物、可能性がある植物 ◎:花粉症の主な原因樹木。
実際に花粉症の原因になるのは自然林、植林などから飛散する大量の花粉であり、庭などに植えた樹木による影響は少ないと考えられる
[毛虫]  毒を持つ毛虫(チャドクガ、ドクガ、イラガ、マツカレハ)がつきやすい植物 触れやすい場所には植えないほうがよい。
[ペット] 子犬などの誤食により症状がでる場合がある植物。
[赤星病] ナシなどに発生する病気。ナシ園のそばには植えないほうがよい植物。