植栽デザイン


植栽設計においては樹形、色彩、配植、イメージ等に留意し行うこと。

1)樹形とデザイン


建物との調和や機能等を考えると、樹形を考慮して樹木を選ぶ必要がある。
樹木には、本来それぞれに樹形が備わっている。しかし、環境により樹形が変化する。たとえば、日当たりのよい広い場所に植えられていた樹木は、横に広がる様になり もっこりとした形となる。
反対に、密集した所に植えられていた樹木は、縦に伸びようとして下枝が少ないほっそりした縦長の形となる。
さらに、風や雪等の影響や 人為的な力により形は変えられる。
したがって樹木を選ぶ場合、本来の樹形を考慮して、材料検査(現物の写真等による)をしてから選ぶ必要がある。
 

【高木】

 主幹が樹冠の先端まで直にとおり枝が規則的に分岐する。剪定しなくても自然に整った樹形になる。

  アカエゾマツ、イチイ、スギ、イチョウ、コウヤマキ、モミ、コバノナンヨウスギ、ドイツトウヒ、ヒノキ、カラマツ、ヒマラヤスギ、メタセコイア等


 主幹があり、卵円形の樹冠を形成する枝抜き剪定により樹冠を整える

  アオギリ、カシ、カツラ、シラカバ、タブノキ、フウ、タイサンボク、トウカエデ、ハクウンボク、ハナミズキ、フサアカシア、プラタナス、ホルトノキ、ヤマモモ、ユリノキ等


 主幹があり、逆卵円形の樹幹を形成する

  コブシ、サワグルミ、シンジュ、トネリコ、ナナカマド、ニセアカシア等


 主幹があり球形の樹冠を形成する

  アキニレ、エンジュ、クスノキ、クロガネモチ、ツブラジイ、ハルニレ、ボダイジュ、マテバシイ


 主幹があり箒状の樹冠を形成する剪定しなくとも自然に整った樹形となる

  ポプラ、スカイロケット


 主幹が分岐しやすく大きな樹冠を形成する枝抜き剪定により樹冠を整える広い生育空間を必要とする

  ケヤキ、サクラ、トチノキ


 主幹が立ちにくく枝が下垂する支柱に添え木をつけ主幹を立ち上げる必要がある。

  シダレウメ、シダレエンジュ、シダレカツラ、シダレザクラ、シダレヤナギ


 主幹が直に立ちその先端部に樹幹を形成する。枯葉を除去するのみで剪定は不要

  ヤシ類、ニオイシュロラン


【中低木】

 主幹が樹冠の先端まで直にとおり枝が規則的に分岐する。剪定しなくても自然に整った樹形になる。

  クジャクヒバ、コノテガシワ、シノブヒバ、チャボヒバ、カイズカイブキ、ヒムロ


 主幹がたつが途中からよく分岐する自然に樹冠が整うものが多い。

  イヌツゲ、カナメモチ、キンモクセイ、サカキ、サザンカ、サンゴジュ、セイヨウヒイラギ、トウネズミモチ、ヒイラギモクセイ、ヒサカキ、ムクゲ、モッコク


 幹が根元近くからよく分岐する自然に樹冠が整うものが多い

  オオムラサキツツジ、カンツバキ、キリシマツツジ、サツキ、シャリンバイ、ジンチョウゲ、ドウダンツツジ、トベラ、ニシキギ、ハマヒサカキ、ヒラドツツジ


 地中から幹が何本も立つ自然に樹冠が整うものが多い

  アジサイ、キョウチクトウトサミズキ、シモツケ、ナンテン、ヒイラギナンテン、ヒュウガミズキ


 幹が根元近くからよく分岐し枝先が垂れ下がる

  ウツギ、エニシダ、キンシバイ、コデマリ、ビョウヤナギ、ヤマブキ、ミヤギノハギ、アベリア、レンギョウ


 地面や壁面をはうように伸びる

  イタビカズラ、キヅタ、テイカカヅラ、ナツヅタ、ハイビャクシン、ムベ


 自然の状態では一定の樹形を形成しにくい。

  ウバメガシ、オオデマリ、ピラカンサ