土壌改良


原則、現場発生土に土壌改良を行なうこととする。そのため事前に土壌検査行なうことが大切である。また、現場の条件によっては客土を用いる場合もある。

さらにその上で、現場の土壌に適した植栽を用いることも必要である。


1)土壌改良による植栽


現場発生土に土壌改良材を混入して植栽土壌として活用する。以下に、主な土壌の性質と、一般的な土壌改良材の施用量の考え方を示す。
しかし、土壌の性質によって土壌改良材の種類、施用量は大きく異なるので、実際の現場では専門家による判断が必要である。


<一般的な土壌の性質と改良材の施用量例>



土性 壌~粘


腐植含量 富む~多


排水性


通気性


保水力


保肥力


塩基含量 多~少


リン酸含量 不足しやすい


窒素含量 多~中


微量要素含量


根張り



土壌改良材施用量(例)

バーミキュライト10%以上又はパーライト30%+バーク堆肥30%


土性 粘~強粘


腐植含量 小~中


排水性 不良


通気性


保水力 中~小


保肥力 中~大


塩基含量


リン酸含量


窒素含量


微量要素含量


根張り 不良


土壌改良材施用量(例)

無機系土壌改良材が好ましい。バーミキュライト 20~30%又はパーライト 30%以上




土性


腐植含量


排水性


通気性


保水力


保肥力


塩基含量 中~小


リン酸含量 中~小


窒素含量 中~小


微量要素含量


根張り


土壌改良材施用量(例)

バーミキュライト10%又はパーライト10%+バーク堆肥20%


また、以下に、土壌の不良項目別の、使用改良材の例を挙げておく。

<一般的な土壌の性質と改良材の施用量例>










2)主な土壌改良材について




有機質系


高位泥炭 ミズゴケ

保肥力の増大

腐植質の増大

保水性の向上

土壌の膨軟化

砂質土系統に向く。多量に施用すると、土壌を乾燥させる恐れがある。一般には15~20%程度混合して利用する。強酸性なので、石灰(炭カル等)を添付して利用するが、正確に混合することは施工上困難であるため、極力Ph矯正済のものを利用する。

道産トビモス(PH6.0~7.0。調整済) カナダ産ピートモス(PH3.5前後。未調整)


樹皮(バーク堆肥)

土壌の膨軟化養分の補給

保水性の向上

微生物の活性化

砂質土系統に向く。腐熟度の低いものは施用後に分解するため土壌中の酸素を消費する恐れがある。品質の管理が困難であるため、物理性の不良な土壌では採用しにくい。

フジミバーク



無機質系


珪藻土焼成粒 火山岩性礫状資材

通気性の向上

透水性の向上

保水性の向上

高価だが、主に粘土質の物理性改善に効果を発揮する。硬質で劣化しにくいので改良効果が継続し、客土に混入が容易で利用しやすい。一般には10~20%程度混合して利用する。

一般には20~30%程度混合して利用する。

イソライトCG(2号)

グンゼグリーンライト


パーライト類

真珠岩系

保水性の向上

透水性の向上

砂質土系統に向く。粉砕しやすいので将来的に目詰まりする恐れがある。

一般には20~30%程度混合して利用する。

ネニサンソ


流紋岩系

通気性の向上

AGロック


黒曜石系

排水効果

硬質で劣化しにくいので主として排水材に利用される。透水性の改善に適しているが、保水性に欠ける。

10cm-20cmの厚さを底に敷き排水層として利用される他、5-10%程度を混合して利用する。

ホワイトローム


ロックウール(鉱物繊維)

天然鉱石

透水性の向上

通気性の向上

保水性の向上

砂質土系統に向く。砂質土中で気相率の向上や保水性の向上を促す。繊維質のため粘土分の強い土壌には混合しにくく、吸収しても収縮しやすいことから粘質土ではその効果を発揮しにくい。

栽培用ロックファイバー


ゼオライト

凝灰岩系

保肥力の向上

化学性の改良に効果を発揮する。

一般には5~10%程度混合して利用する。

ウベゼオライト


バーミキュライト

蛭石系

保水力の向上

保肥力の向上

主に化学性の改良に効果を発揮する。

透水性は悪くなる。

一般には10~20%程度混合して利用する。

バーンピース


透水性の向上

通気性の向上

粘質土の改良に利用する。他の無機質系土壌改良材よりも安価な反面、改良効果は劣る。改良効果を高めるためにシルト・粘土含量が少ないもの(5%以下)を採用する。

混合する客土にもよるが、一般には30%以上の割合で混合して利用する。



3)客土の質