ビジネスの本質と考え方が理解できるビジネスバイブルです。
ビジネスパーソンたちの成長と成功への道を
この一冊が示しています。
未来を切り開く鍵は時代を超えて活き続ける「仕事力」にあります。
本書では、現代ビジネスの最前線で戦うあなたや、
そして社会に出る準備を進める学生たちのために、
会社というフィールドで成果を上げ、自己を高めるための考え方を
網羅的に解説しています。
明日からの実践に直結する本書が、あなたの潜在能力を引き出し、
仕事力を飛躍的に伸ばす原動力となるでしょう。
詳しくは下の序文と目次をご覧ください。
THE仕事力序文
はじめに
「好漢、惜しむらくは兵法を知らず」とは平安後期に、奥州の安倍貞任を討伐(前九年の役)した源義家に対して、儒学者であった大江匡房がかけた言葉とされています。
義家はこの言葉を聞き、大江匡房に教えを請い、後に起きた第二次戦役(後三年の役)をわずか三年で終わらせることができたといいます。
現代の若手ビジネスパーソンの中には、人間的には優れていても仕事の本質が理解できておらず、現代ビジネスの兵法ともいうべき仕事のやり方を知らずに苦労している人が少なくありません。特に社会人になりたての頃は、学校と会社の組織としての違いを十分に理解できず、不満を持ったり失敗したりする人もいます。
会社に勤務することは「会社で仕事をする」ということです。会社員は、皆等しく仕事をしています。しかし、「仕事をする」ことと、仕事そのものの本質を理解して、「仕事ができる」ことは全く違います。例えるなら「仕事をする」はレシピ通りに料理を作ることです。「仕事ができる」はそのレシピを理解し、アレンジまで加えられる料理人になることといえます。最初から全てを理解することが難しいのは当たり前です。しかし新卒、少なくとも入社初期段階に、仕事の本質や会社という組織を少しでも理解した上で仕事に取り組むことが非常に重要なのです。その後のビジネスパーソンとしての人生に、大きな影響を与えることは間違いありません。
そして、この「仕事ができる」能力を「仕事力」と呼びます。職場では「あの人は仕事ができる」「あの人は仕事ができない」と人を評価することがよくあります。これは、この仕事力の差が仕事としての結果や実績の差となって表れているからです。
仕事力とは営業力や企画力のような個別の特定能力のことではありません。会社での業務を遂行する総合的な能力が仕事力なのです。
学校の世界でいえば「学力」という言葉がそれに相当します。学力とは学校で学ぶ全てを含んだ抽象的な概念に見えます。本質的には、学ぶ力(理解力)、憶える力(記憶力)、考える力(思考力)を合わせた学業の総合力のことです。学力は一夜漬けでは身につきません。
同様に仕事力とは業務遂行能力、課題解決能力、組織活動能力などを含めた仕事の総合力のことであり、こちらも一朝一夕に会得できるわけではありません。会社と仕事の本質を理解して、自分自身の意識と行動を変革し、日々努力してこそ身につくものです。
現代はDX(デジタルトランスフォーメーション)、すなわち、デジタル技術を活用して事業のあり方を大きく変える動きが進んでいます。振り返れば、約半世紀前にパソコンが出現し、その後にスマートフォンがデバイスとして普及してきました。しかし、それらは序章に過ぎず、これからAI(人工知能)やIoT (インターネットオブシングス=さまざまなものがインターネットにつながる仕組み)などの先端技術で社会が大きく変貌しようとしています。それらのテクノロジーが、どのようにビジネスや社会に影響を及ぼすのでしょうか。まずは業務の効率化や新たな商品・ビジネスモデルの開発につながることが期待されています。100年後の未来からすれば、現代は「真の第二次産業革命の時代」と呼ばれているかもしれません。日本経済新聞の2024年1月13日付けの朝刊には「AI生活革命の幕開け」という見出しで記事が出ていました。そのような変化する時代であればこそ、情報を多面的に収集し、問題の背後にある深層を捉える視点を持つことが必要です。本質を見極めて、対応する仕事力を身につけて、実力を養わねばなりません。
この仕事力を伸ばすために、仕事の本質や考え方を説明しているのが本書です。ただノウハウやスキル向上へのテクニカルな部分を理解するだけではなく、仕事に取り組む考え方を哲学にまで昇華させることが重要なのです。そうすることで、人間は誰でも体の奥底に眠る潜在能力を目覚めさせて、卓越した仕事力が発揮できるようになるのです。
令和5年前期に放送されたNHKの連続テレビ小説「らんまん」で世界的な植物学者である牧野富太郎博士をモデルにした主人公が「雑草という草はない。持って生まれた唯一無二の名前がある。どの草花でも、必ずそこで生きる理由がある。この世に咲く意味がある。必ず!」と熱弁するシーンがありました。人間も皆それぞれに固有の名前をもらっており、一人一人に生きていく意味が必ずあるはずです。その意味を見出せるか否かは、あなた自身の心がけと努力次第です。本書が新たな視点やアプローチを見つけるきっかけとなり、あなた自身の持つ本来の力を出し切れるよう、お役に立てれば幸いです。
目次
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
第一章 企業(会社)とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
会社とは何かを考えよう 12
パワハラ、セクハラ、社内不倫がNGである明快な理由 20
会社に該当することはNPO組織にも該当するか 24
会社と学校の根本的な違い 26
学校の本当の価値 36
仕事の三原則 44
組織は3種類の人間に分類される 48
DXで社会も会社も変貌する 57
ジョブ型雇用とZ世代・α世代 62
女性が活躍できるために会社がなすべきこと 65
第二章 仕事力とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71
仕事力とは何だろう? 72
仕事力を伸ばす基礎Ⅰ(情報) 77
仕事力を伸ばす基礎Ⅱ(思考力) 80
仕事力を伸ばす基礎Ⅲ(取り組み姿勢) 82
仕事力を伸ばす基礎Ⅳ(スポーツとの対比) 85
仕事力を伸ばす基礎Ⅴ(目指すべき先) 90
仕事力を伸ばす基礎Ⅵ(インテリジェンス) 99
仕事力を伸ばす基礎Ⅶ(用意周到・準備万端) 103
仕事力を伸ばす基礎Ⅷ(整理整頓) 105
管理職が優秀な理由 109
仕事の段取り 117
集中力と緊張感 121
経営・起業の仕事力 123
管理部門の仕事力 138
生産・サービス部門の仕事力Ⅰ(バランス) 144
生産・サービス部門の仕事力Ⅱ(情報の収集) 152
生産・サービス部門の仕事力Ⅲ(リスクの回避) 154
営業の仕事力Ⅰ(営業部門が求められるもの) 159
営業の仕事力Ⅱ(顧客を動かす3要素) 169
営業の仕事力Ⅲ(成約の基本原理) 175
第三章 業務のポイント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・182
社内申請(対外取引は3種類) 183
会社は文書主義が基本 187
仕事をするタイミング 194
報連相は社内のパス回し 199
申請書作成のポイント 205
会議と怪議 208
第四章 知っておくべきポイント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・213
段階別の仕事の目標 214
階層別の留意点 216
笑顔の力 224
説教を苦しくなく聞ける方法 227
勝者が周囲に感謝する理由 232
できる人とできない人の明確な違い 235
「一を聞いて十を知る」の本当の意味 237
人は二度生まれ変わる 240
会社は正直者であるべきか 244
売れるものを売れる時に売れるだけ作るトヨタ自動車の凄さ 247
役割の本質を見極める 250
日本経済新聞の読み方 256
転勤の意義と意味 259
挨拶の重要性 266
地理と歴史に学ぶ 273
戦争の本質を考える 277
第五章 注意しておくべきポイント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・286
出世は運? 287
学歴は必要か(料理人のエリートコースは?) 296
給料を増やす3つの条件 301
「鶏口となるも牛後となるなかれ」は本当か 305
後悔をしない会社選びの基準 309
採用面接で必ずするべきこと 311
ヤマアラシのジレンマ 317
「人を恋いうる歌」の裏の意味 320
上司・部下との付き合い方 325
されど身だしなみ 329
吐いた唾は呑み込めない 331
酒の功罪 334
ゴルフはサラリーマンの必須科目か? 342
会社でよくある落とし穴(ドロップアウトしないための注意) 349
苦しい時はどうすればいい? 352
第六章 仕事力を支える人生設計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・357
仕事力を支える夫婦関係 358
仕事のモチベーションとなる子育て 366
仕事力を支える健康力 372
仕事力を支える住宅力 378
リタイア後の年金生活について 386
終わりに代えて 390
あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・396