コモンズ再生の試み
なにものにも支配されず、自由に、愉快に生きたい。そういう人間として当たり前の願いがなかなか叶わない社会に生きているように思います。皮肉なことに、個の自由を追い求めてきた結果が現在の不自由だという状況があります。都会に人々が集中し、核家族化し、家事をどんどんアウトソーシングし、共同体的な日本型の会社を古いと切り捨て、成果主義を前面に打ち出し、ついに個人の自由を手にできると思ったのに、たどりついたのは、お金への従属度が高まるばかりの、ちっとも自由ではない世界。
そんななか、いま「コモンズ」への注目がかつてないほどに高まっています。コモンズとはもともと、牧草地や森林、漁場など共同で利用する資源や場所を指す言葉です(日本語では入会〈いりあい〉が近いとされますが、中世、人々が共同で作業や生産、芸能などを行う場を指すのに「庭」という字を当てていたことを考えると、コモンズは中世の「庭」に近いのかもしれません)。このコモンズを解体することで、資本主義経済は跳躍を果たし発展してきました。それを再び構築し、生きたものとすること。これは、あらゆるものが商品化され、商品にならないものは存在しないもののように扱われてしまう世界で、自由とか、豊かさとか、美しさとか、人生にとって大切なものを守ることです。ビジネスは競争であり、そこに面白さがありますが、コモンズの再生は競争ではありません。さまざまな試みがなされ、たくさんのコモンズが生まれ、それらがつながっていく。そういう未来を思い描いています。
Good Scenery Commons(グッドシーナリーコモンズ)は、造園・緑化事業(jardiner Kirikui)を核として、働く人が協同し、顧客と事業者が水平につながるための、地縁を超えたコモンズ再生への挑戦です。
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【2025年2月6日 追記】
2023年4月に、造園・緑化事業をおこなう法人〈労働者協同組合キフクト〉を仲間とともに設立し、Good Scenery Commonsのプロジェクトは、キフクトに引き継がれました。
キリクイの事業も継続しております。
今後ともご支援のほど、お願い申し上げます。
労働者協同組合キフクトのウェブサイト
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https://kifukuto.com/