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ポスター番号"2n-1"の討論時間:15:40–16:10
ポスター番号"2n"の討論時間:16:20–16:50
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ポスター番号
(2n-1, 2n)
22##
討論の部屋番号 (n)
討論時間
タイトル、著者(発表者に○)、所属(研究室)、要旨(∨)
ポスター
2201
1
15:40–16:10
オルト置換型フェニルチオ糖を用いた連続グリコシル化法の開発
〇吉村優花、⼤野勇次、杉橋葵、⽊村智⽂、⻄⽥芳弘、⼟肥博史(千葉⼤院園芸)
当研究室ではフェニルチオ基のオルト位を置換したo-(methoxycarbonyl)phenyl (OMCP)チオ糖を開発し、これらが様々なオリゴ糖合成に利用できることを報告してきた。本研究では、OMCPチオ糖を含むオルト置換型フェニルチオ糖の反応性の差を利用した連続グリコシル化法を開発し、本法を用いてα1-4ガラクタンの合成を行った。
2202
1
16:20–16:50
o-ホルミルフェニルチオ糖を用いた効率的糖鎖合成法の開発
〇安間美菜,太田愛理沙,小室晴香,西田芳弘,土肥博史(千葉大院園芸)
当研究室で開発したo-ホルミルフェニル(OFP)チオ糖は通常のチオグリコシド存在下でも選択的に活性化されるが、副反応により反応収率が低下することが問題であった。⼀⽅で、無保護のOFPチオ糖に対してベンジル化を行うと、2位のヒドロキシ基のみがホルミル基と環状アセタールを形成することを⾒出した。本研究では、OFPチオ糖を⽤いたグリコシル化の反応条件と分⼦内アグリコン転移反応をそれぞれ検討した。
2203
2
15:40–16:10
低酸素環境における前立腺がん細胞でのO-グリカンの発現および機能解析
〇山本大樹 (慶應大理工)、小坂威雄 (慶應大医)、大家基嗣 (慶應大医)、 佐藤智典 (慶應大理工)
腫瘍組織内には低酸素の領域が存在する。前立腺がん組織内にも低酸素の領域が多く存在し、様々な治療に対する抵抗性の原因となる。O-グリカンは、がんの転移や浸潤に関与することが知られている。しかし、低酸素環境における前立腺がん細胞に発現するO-グリカンの構造と機能は十分に理解されていない。そこで、本研究では低酸素環境における前立腺がん細胞に発現するO-グリカンの発現解析を行い、その機能を解析した。
2204
2
16:20–16:50
糖鎖プライマー法を用いた動物細胞の糖鎖発現解析によるインフルエンザ感受性との相関解析
○奥田真由, 大形一真, 松原輝彦, 佐藤智典(慶大理工)
インフルエンザウイルス(IFV)の受容体糖鎖としてシアル酸含有糖鎖がよく知られている。また、シアル酸以外の糖鎖もIFV感染に関与することが近年報告されており、細胞レベルでの感染に関わる糖鎖の探索は、感染予防や治療薬開発において重要である。本研究では、糖鎖プライマー法で動物細胞に発現する糖鎖を獲得し、IFV感受性との相関解析を行うことで、IFV感染に関与する糖鎖の探索を行った。
2205
3
15:40–16:10
音響浮揚を用いたファージ提示法により獲得したGM1模倣ペプチドの機能解析
〇吉田顕子, 松原輝彦, 佐藤智典(慶應大理工)
ガングリオシドGM1はコレラやアルツハイマー病の発症に関与するため、GM1糖鎖を模倣する物質は阻害剤としての利用が期待される。ファージ提示法は糖鎖模倣ペプチドの獲得に用いられてきたが、ファージ粒子は反応容器に非特異的に吸着し、選別効率が低下するという課題がある。そこで本研究では音響浮揚技術を利用して気相中に浮揚した液滴中で親和性選択を行い、獲得したGM1模倣ペプチドの機能解析を行った。
2206
3
16:20–16:50
膜マイクロドメイン中の糖脂質に誘起されるAβ凝集を阻害する環状ペプチドの機能評価
〇宮本恵里花, 松原輝彦, 佐藤智典 (慶大理工)
アルツハイマー病の原因タンパク質であるアミロイドβタンパク質 (Aβ) は、細胞膜上の糖脂質GM1に結合することで凝集し、高い細胞毒性を示す。本研究では、GM1に結合する環状ペプチドcy-p3を合成し、その機能を評価した。結合活性の評価では、cy-p3はGM1に対し高い親和性を有していた。さらに生体モデル膜上でのAβ凝集体形成を原子間力顕微鏡で観察した結果、cy-p3が優れたAβ凝集阻害能を有していることが見い出された。
2207
4
15:40–16:10
固体酸を活性化剤に用いた環境調和型C-グリコシル化反応の開発
〇松本稜太, 高橋大介, 戸嶋一敦(慶大理工)
環境低負荷かつ効率的なC-グリコシル化反応の開発を目的とし、固体酸を活性化剤として用いた反応を検討した。その結果、固体酸としてNafion Hを用いた場合、種々のグリコシルイミデートと、シリルエノールエーテルおよびアリルシランとのC-グリコシル化反応が速やかに進行し、高収率で対応するC-グリコシドが得られることを見出した。さらに、本反応の広い基質一般性とNafion Hの再利用性を明らかにした。
2208
4
16:20–16:50
保護単糖により修飾したシリカ粒子の分子認識に関するラマン分光法による研究
○中村 彩乃(東海大院)、内田 司(東海大院)、蟹江 善美(東海大技)、蟹江 治(東海大院、東海大工)
動物の嗅覚の第一段階は、匂い分子と嗅覚受容体の相互作用、すなわち化学センシングである。我々はこれを模倣して高感度、高選択的センシングへの展開を期待した。本研究ではシリカゲルを母材にし、センシング素子として単糖誘導体を用い研究を行った。共焦点ラマン顕微鏡を用いて分子間相互作用の検出を行い、糖誘導体修飾シリカゲルの分子認識における選択性を見出した。さらにその応用に関する検討を行なったので報告する。
2209
5
15:40–16:10
核酸塩基によるシリカ粒子表面修飾と分子認識場としての評価研究
〇鈴木綾乃(東海大院工)、嶋崎 花(東海大院工)、上野 莉子(東海大工)、蟹江善美(東海大技)、蟹江 治(東海大院、東海大工)
核酸は生命の基本分子であり、塩基間における複数の水素結合対により高次構造を安定化している。このような水素結合能のセンサー要素への応用ができれば、比較的安価で普遍的なセンシング技術として将来成立する可能性がある。本研究では、ヌクレオシドの過ヨウ素酸酸化反応で得られるジアルデヒド体とアミノ基との還元的アルキル化反応を基軸としてシリカゲル表面に核酸塩基を導入することを計画した。
2210
5
16:20–16:50
非対称化型ホウ素媒介アグリコン転移反応を用いたカナマイシンAの全合成研究
〇今井万丈、戸嶋一敦、高橋大介(慶大理工)
当研究室で開発した非対称化型ホウ素媒介アグリコン転移反応を用いた抗生物質カナマイシンAの全合成を検討した。その結果、ボロン酸触媒存在下、1,2-アンヒドロ糖とメソジオールとのグリコシル化反応が速やかに進行し、1,2-cis グリコシドが高収率かつ単一異性体として得られることを見出した。現在は、myo-イノシトールに2つのアミノ糖が配糖化した鍵中間体までの合成を達成している。
2211
6
15:40–16:10
ファージ提示法によるSARS-CoV-2スパイク糖タンパク質結合性ペプチドの探索
〇鈴木寧々, 松原輝彦(慶應大理工), 佐藤智典(慶應大理工)
SARS-CoV-2は、2019年に出現が確認された新型コロナウイルスである。ウイルスの膜表面には、宿主細胞の受容体ACE2や糖鎖への結合に関与するスパイク糖タンパク質(Sタンパク質)が存在する。本研究では、ファージ提示法を用いて、15残基のペプチドライブラリーからSタンパク質へ結合するペプチドの探索を行った。Sタンパク質へ結合するペプチドは、SARS-CoV-2の感染阻害剤や検出用分子として利用できることが期待される。
2212
6
16:20–16:50
チオエーテル修飾型糖受容体を用いたグリコシルの反応機構の解明
〇内藤真実,田中萌瑛,須田栞,西田芳弘,土肥博史(千葉大院園芸)
我々はチオエーテルで修飾した糖受容体を開発し、グリコシル化における1,2-cis選択性が大幅に向上することを報告してきた。本研究では反応機構の解明を目指して様々なチオエーテル修飾型糖受容体を用いてグリコシル化における立体選択性を調べた。その結果、本反応は糖受容体の硫黄原子が糖供与体由来の中間体に付加してβ型の複合体を形成し、アルコールがSN2様に分子内反応していることが示唆された。
2213
7
15:40–16:10
デンドロビウムのグルコマンナンのアセチル化に関与するTBLファミリータンパク質
〇菊地愛菜, 西垣南歩, 高橋大輔, 小竹敬久(埼玉大理工), 小野真央, 石水毅(立命館大生命科学), Tsai Wen-Chieh (台湾国立成功大熱帯植物微生物学研究所), Yeh Chuan-Ming(国立台湾中興大生命科学)
蘭の一種であるキバナノセッコクには高度にアセチル化され、高い機能性と水溶性の性質をもつグルコマンナンが存在する。免疫染色により、茎の特殊な細胞である異形細胞にグルコマンナンが特異的に蓄積していることを観察した。また、アセチル化に関わるアセチル基転移酵素MOATの組換え酵素を作製し、その性質を調べた。加えて、シロイヌナズナに遺伝子導入して、グルコマンナンが可溶化されるかを調べた。
2214
7
16:20–16:50
N-アセチル-β-マンヌロン酸の構築を目的としたマンヌロノ-2,6-ラクタムの合成とグリコシル化
〇田尻大陸,龍田真帆,佐々木要(東邦大学理学部・佐々木研)
天然にはN-アセチル-β-マンヌロン酸という,合成困難な1,2-cis-β-配置を持つ希少な糖が存在する.一方,当研究室では,2,6-ラクトン構造による立体配座固定で,β-立体選択的なマンノシドの合成を報告している.本研究では,2,6-ラクタム構造による立体配座固定でN-アセチルマンヌロン酸のβ-立体選択的合成を検討した.
2215
8
15:40–16:10
立体選択的アジドニトロ化によるN-アセチルマンノサミンの効率的合成法の開発
〇中田光(千葉大院園芸),萩原智男(千葉大院園芸),西尾洋祐(千葉大院園芸),西田芳弘(千葉大院園芸),土肥博史(千葉大院園芸)
N-アセチル-D-マンノサミン(ManNAc)は、睡眠の質や脳機能の改善、難治性筋疾患の症状緩和等が期待される機能性物質として注目されている。ManNAc誘導体の合成法としては、グルカールのアジドニトロ化が一般的であるが、立体選択性や反応収率が乏しい点が問題である。本研究では、アジドニトロ化におけるグルカールの保護基、アジド源、反応溶媒などを総合的に検討して、ManNAc誘導体を高収率かつ高立体選択的に得る手法の開発を試みた。
2216
8
16:20–16:50
グルコサミンへのCO2の固定化及びメタノールへの変換の試み
〇牧野史(東海大院)、名越真優(東海大工)、稲津敏行(東海大工)、苫米地祐輔(東海大工)
近年、CO2による地球温暖化問題が深刻なものとなっている。その解決策の1つとしてアミノエタノール誘導体へCO2 を固定化した後、Ru触媒存在下水素添加によって燃料であるメタノールへの変換が報告されている。本研究では報告例よりも温和な条件でグルコサミンの1位と2位の間へCO2をオキサゾリジノンとして固定化し、水素添加によってメタノールへの変換することとした。その結果、オキサゾリジノン体を収率53%で得ることができた。
2217
9
15:40–16:10
DDSキャリアーとしてのGlcCer-LiposomeのPC12細胞での細胞内動態の検討
〇荒井健太郎, 危一, 髙橋祐太(東海大院・工), 蟹江善美(東海大・技), 清水佳隆(東海大院、東海大・工), 蟹江治(東海大院・工, 東海大・工, 東海大マイクロナノ研究開発センター)
GlcCerから調製したリポソームが迅速に細胞内に取り込まれることから、DDSキャリアーとしての可能性が示唆されていた。本研究では細胞内への取り込み後の細胞内動態について検討するため、PC12細胞にてトラッカーを用いてリポソームとの共局在の解析を行った。また、FRETにより安定性の観察も行った。結果、ライソソームへの局在が確認され、細胞内においてある程度のリポソームが形状を保持していると考えられた。
2218
9
16:20–16:50
糖鎖模倣ペプチド修飾銀ナノプレート複合電極による電気化学的ウイルス検出法の開発
〇田中翔太・松原輝彦(慶大理工)・伊東謙吾(伊都研)・佐藤智典(慶大理工)
インフルエンザウイルス(IFV)は膜表面のヘマグルチニン(HA)が宿主細胞のシアル酸含有糖鎖と結合して感染を引き起こす。IFVの一般的な検出法であるPCR法やイムノクロマト法は検出に時間がかかることや判定の精度が低いことが課題である。本研究ではシアル酸を模倣したHA結合性ペプチドを修飾した銀ナノプレート複合電極を開発している。電極表面にHAを相互作用させるとピーク電流値の上昇が見られ、IFVの検出の可能性が示された。
2219
10
15:40–16:10
トリインフルエンザ阻害剤に関するオリゴ糖鎖の合成研究(Ⅵ):3SLacポリマーのリガンド間隔とリンカー長の影響の評価
〇安達 稜太(埼大院理工)、松下 隆彦(埼大院理工、埼大先端ラボ、埼大戦略研究)、幡野 健(埼大院理工、埼大先端ラボ、埼大戦略研究)、小山 哲夫(埼大院理工)、松岡 浩司(埼大院理工、埼大先端ラボ、埼大戦略研究)
トリインフルエンザウイルス(AIV)の感染抑制にシアリルα(2,3)ラクトース(3SLac)と呼ばれるオリゴ糖鎖が有望視されている。この3SLacを多価化することでAIV阻害剤を創出することを目的とした。多価化の足場としてポリアクリルアミドを使用し、3SLacリガンドの間隔、足場と3SLacをつなぐリンカーの長さの異なる12種類の3SLacポリマーを合成した。また小麦胚芽レクチンをモデルタンパク質として使用し、ポリマーの評価を行った。
2220
10
16:20–16:50
米糠由来セレブロシドにより作成したリポソームの細胞内局在解析とグルコース源としての機能研究
〇危 一、荒井健太郎(東海大院工)、蟹江善美(東海大技)、清水佳隆(東海大院工)、蟹江治(東海大院工)
グルコシルセラミドは、脂肪酸、スフィンゴイド塩基、グルコースから成る物質でスフィンゴ糖脂質合成の起点である。本研究では、GlcCer(95%以上)からなるリポソームをグルコースを含まない培地でHela細胞に取り込ませその延命効果について検討することとした。また、細胞内でのリポソームの安定性や局在を解析するために皮膚由来TIG-103細胞を用いて検討した。
2221
11
15:40–16:10
位置選択的タンパク質修飾による機能性分子の合成研究(Ⅴ)
〇油谷大河(埼大院理工),松下隆彦(埼大院理工,先端ラボ),小山哲夫(埼大院理工),幡野 健(埼大院理工,先端ラボ),松岡浩司(埼大院理工,先端ラボ)
タンパク質の修飾方法には一般的に化学法と酵素法がある。双方の修飾方法の利点を活かしながら、ストレプトアビジンタンパク質へ位置選択的にラクダ科由来VHH抗体を結合させた。本実験の修飾方法を用いることで、ストレプトアビジン上に複数の機能性分子を導入し、多価効果を得ることを目的としている。これは、高感度な検査薬及び少量で効果のある抗ウイルス薬への応用が期待される薬物抗体複合タンパク質の合成研究である。
2222
11
16:20–16:50
多価型ヒトインフルエンザ阻害剤の合成研究(Ⅵ):シアリルα(2, 6)ラクトース誘導体の大量合成とポリマー化
○小山内翼(埼大院理工), 松下隆彦(埼大院理工, 埼大先端ラボ, 埼大戦略研究), 小山哲夫(埼大院理工), 幡野健(埼大院理工, 埼大先端ラボ, 埼大戦略研究), 松岡浩司(埼大院理工, 埼大先端ラボ, 埼大戦略研究)
ヒトインフルエンザウイルスは、ヒトの持つ受容体糖鎖を特異的に認識・接着することにより感染を引き起こす。この受容体糖鎖と構造が類似のシアリルα(2, 6)ラクトースは安価であり、阻害剤の合成研究に用いられている。この研究を広く展開していくために、シアリルα(2, 6)ラクトース誘導体の大量合成法の確立が必要であると考えた。本研究では、シアリルα(2, 6)ラクトース誘導体の大量合成法の検討とポリマー化を行った。
2223
12
15:40–16:10
2,6-ラクトン構造を活用した七炭糖の短工程合成
〇小川皓平,中島理子(東邦大院理),滝瀬楓,佐々木要(東邦大理)
七炭糖であるHBPは,自然免疫を活性化する免疫賦活物質として興味深い生理活性が報告されており,生化学研究のツールとして供給することが望まれている.そこでこのHBPを,容易に入手可能なD-マンノースから合成することとした.課題である7-位炭素の導入は,当研究室で合成法が確立している2,6-ラクトン構造を活用することで達成した.今後,1,7-位のリン酸化と脱保護を経てHBPへと誘導する予定である.
2224
12
16:20–16:50
脂質改変型a-GalCer類縁体−CD1d複合体を用いた結合安定性解析
〇末吉 耕大・平田 菜摘(慶大理工)・井貫 晋輔(慶大理工・京大院薬)・松丸 尊紀(慶大理工)・喜多 俊介・前仲 勝実(北大院薬)・藤本 ゆかり(慶大理工)
脂質抗原提示を担うCD1dは、糖脂質抗原と複合体を形成することによりNKT細胞を活性化し種々のサイトカインを誘導して免疫機構を調節する。脂質鎖長は免疫機能のバランス調節に関与するが、その詳細は不明であるため、最近開発した結合親和性の高い脂質改変型ɑ-GalCer(KRN7000)を利用したCD1d複合体について、結合親和性、熱安定性を解析するとともに分子動力学シミュレーションを用いた解析を行った。
2225
13
15:40–16:10
グリコシル化反応におけるアルコール求核剤の誘導化の効果
〇篠塚佑太,佐々木要(東邦大理)
2,6-ラクトン法において,ベンジルエーテルを糖受容体に用いるとアルコールとは異なる立体選択性を示すことが判明した.このグリコシド生成機構を解明するために,フッ化糖を糖供与体に,アルコール,種々のトリチルあるいはシリルエーテルを糖受容体に用いたグリコシル化反応の比較を行った.その結果,立体選択性に大きな変動が見られた.この現象の理解と活用を目指している.
2226
13
16:20–16:50
アラビノースを糖にもつ新規コレステリル糖脂質の分子設計と合成研究
〇山内穂乃香、青野怜奈、土肥博史、西田芳弘(千葉大園)
コレステロールは細胞膜の主要な脂質成分である。本研究では、コレステロールと単糖を結合させることで、様々な生物活性を有するコレステリル糖脂質が合成できると考えた。また多くの単糖は、水溶液中でα,β-pyranoseとα,β-furanoseの平衡状態を保っている。フラノースはリボースを除き生体内で使われていないことや、ピラノースに比べ高い反応性を示すことから、フラノースを糖にもつ新規コレステリル糖脂質を開発することを目的として実験を行った。
2227
14
15:40–16:10
単糖修飾グルタチオン誘導体の接触皮膚炎原因物質に対する反応性の解析
〇江川菜々(東海大工)、山崎 須弥子(東海大工)、岡部 リハナ(東海大院工研)、苫米地 祐輔(東海大工、東海大院工研)、金森 審子(東海大工、東海大院工研、東海大先進生命研)
化粧品等の微量含有防腐剤であるプロクリンは、接触皮膚炎原因物質でもある。還元型グルタチオン(GSH)の投与による鎮静化が報告されているが、GSHの多くは細胞膜上あるいは血流中に存在するγーグルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)により加水分解される可能性が高い。本研究では、γ-GTPによる分解を受けない単糖修飾GlcNAc-GSHをデザインして化学合成し、プロクリンとの反応性について解析した。
2228
14
16:20–16:50
歪み促進逆電子要請型Diels-Alder反応に適用可能な新規ADC前駆体の合成
○筒井正斗、後藤浩太朗、二木祐樹、弘瀬友理子、森昌子、八須和子、水野真盛((公財) 野口研)
我々はPEG化二糖オキサゾリン(oxa)誘導体を用いた均一なADCの調製法を確立している.今回我々は歪み促進逆電子要請型Diels-Alder反応を利用可能なADC前駆体の調製を行った.Oxa化の塩基を検討し,DMAPを用いることでテトラジン担持型二糖oxaの合成に成功した.さらに抗体への転移反応を行い導入効率が95%以上であることを確認し,テトラジン導入型抗体の合成に初めて成功した.
2229
15
15:40–16:10
位置選択的アシル化と分子内転位反応を利用したオレアノール酸ビスデスモシドシンナモイルサポニンの合成
○小西 成樹、白畑 辰弥、首藤 美琴、金子 優香、佐藤 倫子、小林 義典(北里大薬)
オンジサポニン類のようなシンナモイル (Cin) 基を有する配糖体の合成では、複数のヒドロキシ基の保護-脱保護を繰り返す多段階反応や異性化などの副反応を伴わない方法が望まれる。本研究では演者らが確立した 1)ボリン酸を用いた位置選択的アシル化、2)キヌクリジンを用いた分子内アシル基転位反応を軸としたサポニンの直接的Cin化を利用し、糖が二箇所に結合した「ビスデスモシド型」のオレアノール酸Cinサポニンのモデル合成を行った。
2230
15
16:20–16:50
ヘパラナーゼによる結腸癌細胞のNF-κBシグナル伝達経路の活性化
○史 佳1、高橋勝彦1、奥 輝明1、中島元夫2、入村達郎3、東 伸昭1 (1星薬大、2SBIファーマ、3順天堂大医)
ヘパラン硫酸切断酵素であるヘパラナーゼは基底膜の分解と浸潤のみならず、炎症性物質の産生亢進など多様な形で癌の悪性化に関与する。我々は結腸癌細胞においてヘパラナーゼがCCL2、CXCL2の産生を促進することを見出した。本研究ではヘパラナーゼによる炎症性サイトカインの産生がNF-κBシグナル伝達経路の活性化を介しているかを検証した。結果、ヘパラナーゼはNF-κBの活性化を介して炎症性サイトカインの産生を亢進させることが示唆された。
2231
16
15:40–16:10
グリセロールの反応性と動的配座解析: Reactivity and conformation analysis of glycerol
〇青野怜奈、坂井嵩宏、内藤真実、土肥博史、西田芳弘(千葉大園)
グリセロールの有効活用を目的とし、グリセロールに対する位置選択的トシル化反応を検討した。ピリジン中で2 mol等量のトシルクロライドを反応させると多くの副生成物が得られた。その理由を明らかにする目的で様々な反応条件ならびに溶媒中におけるグリセロールの動的配座解析を行った。グリセロールは水中でgauche配座を主にとるが、有機溶媒中ではtrans配座の割合が増え、コンフォメーションが乱雑化した。
2232
16
16:20–16:50
2,6-ラクトン供与体を用いるSN1-likeなグリコシル化反応
○植﨑菜々子,瀧澤柚花,東田和樹,橋本悠介,佐々木要(東邦大理)
当研究室では,2,6-ラクトン構造を有する糖供与体を用いたβ-立体選択的マンノシル化反応を検討している.同構造は,脱離基の自発的脱離が遅く,SN2反応に適しているのに加え,SN1反応のカチオン性中間体がβ-立体指向性を有していた.また,SN1反応は,求電子剤の立体制御が不要である点で,SN2反応より優位性があるが,その成否が糖受容体の求核力やグリコシルカチオンの対アニオンに依存することを明らかにした.
2233
17
15:40–16:10
結腸癌細胞株が形成するスフェロイドからの突起伸長とヘパラナーゼ
○彼ノ矢陸(星薬大),梅田尊弘(星薬大),高橋勝彦(星薬大),中島元夫(SBIファーマ),入村達郎(順天堂大),東伸昭(星薬大)
がん細胞を含む腫瘍塊から浸潤が生じる初期変化については十分に解明が進んでいない。生体内の腫瘍塊を模倣するin vitro培養手法として三次元の培養系が試みられている。本研究において、我々は三次元培養系を利用したがん細胞の塊(スフェロイド)の作製方法を確立した。さらにこの系を利用することにより、ヘパラン硫酸分解酵素であるヘパラナーゼがこの三次元培養系において酵素活性を介して浸潤を促進するか否かを検証した。
2234
17
16:20–16:50
マイコプラズマ肺炎菌に由来する糖脂質抗原の生物有機化学的研究
〇加藤里奈, 孫 逸飛, 土肥 博文, 西田 芳弘(千葉大園), 松田 和洋, 松田 幸枝(エムバイオ)
我々は、これまでの研究で、マイコプラズマ肺炎菌が生産する細胞膜糖脂質(GGLs)の化学構造を明らかにし、これを用いたマイコプラズマ感染診断法(プリズム法)を開発している。本研究では、GGLsの合成中間体あるいはその類似体が生合成経路を特異的に阻害する抗マイコプラズマ活性を持つと予想し、安価なグリセロールを出発原料に用いるGGLs立体異性体の合成研究をすすめている。今回はその成果の一部を紹介する。
2235
18
15:40–16:10
免疫調節性分子の蛍光分子プローブ:反応開発とイメージングへの展開
○平野雄基, 大久保花菜, 藤井秀輔, 高山珠理, 松丸尊紀, 藤本ゆかり(慶大理工)
自然免疫受容体Mincleおよびそのリガンドの細胞内挙動解明を目指した蛍光分子プローブを開発した。トレハロースエステル型リガンドを分子プローブのコア構造として用いることとし、トレハロースのグルコース部位を標識化するためリンカー導入手法を検討し、糖5位へのリンカー導入手法を確立した。また、蛍光標識分子プローブ合成に成功し、分子プローブを用いた生細胞イメージング解析を行った。
2236
18
16:20–16:50
マイコプラズマゲニタリウム菌 (M.genitalium) GGL骨格の簡便合成経路の開発研究
◯門間絢子、米田祥悟、土肥博史、西田芳弘(千葉大園)、松田和洋、松田幸枝(エムバイオテック株式会社)
マイコプラズマ菌が細胞膜にもつ糖脂質(GGL)は、抗原性や病原性に関わることがわかっている。そこで我々はマイコプラズマゲニタリウム菌のGGL簡便合成経路を開発し、感染症の新規診断法の確立を目指している。従来法のグリコシル化反応では、銀塩を用いるケーニッヒ・クノール法による糖脂質合成が行われているが、本研究では陽イオン交換樹脂(Amberlyst)に銀イオンを吸着させた新たなプロモーターを開発し、その反応性を検討した。
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15:40–16:10
ドリコールピロリン酸結合型糖鎖アナログの化学酵素的合成研究
◯佐野 加苗(立命館大生命科学部)、菊間 隆志(立命館大生命科学部)、高橋 諭(群馬大院理工学府)、石井 希実(群馬大院理工学府)、松尾 一郎(群馬大院理工学府)、梶浦 裕之(大阪大生物工学国際交流センター)、武田 陽一(立命館大生命科学部)
N-結合型糖鎖の前駆体であるドリコールピロリン酸結合型糖鎖(DLO)は小胞体膜内外でフリップフロップする。この分子機構を解明することを目指し、均一なDLOを膜に挿入した反応場の構築を目的とした。その反応場を得る手法として、Endo-β-N- acetylglucosaminidase改変体の糖転移活性により、リン脂質を還元末端に有するGlcNAcをアクセプター基質に、糖鎖を導入することを検討した。
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16:20–16:50
混成型糖鎖特異的ENGaseの活性検出に向けた 9糖分子プローブの合成
○井上 周征・石井 希実・高橋諭・松尾 一郎 (群馬大院理工)
エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)とは糖タンパク質上のアスパラギン結合(N-)型糖鎖を切断する糖加水分解酵素である。これまで高マンノース型や複合型に作用するENGaseの報告は多数あるが、混成型糖鎖に作用するENGaseは限られている。そこで混成型糖鎖構造を認識するENGaseの探索を行うための糖鎖プローブの開発を目的とした。本発表ではFRETペアとなる蛍光基と消光基を導入した混成型9糖プローブの合成と、ENGaseを用いた活性測定の結果を報告する。