ハードダーツ
マニュアル
公益社団法人 日本ダーツ協会 A級指導員
岐阜県ダーツ協会 会長 宮崎文裕
令和6年4月
公益社団法人 日本ダーツ協会 A級指導員
岐阜県ダーツ協会 会長 宮崎文裕
令和6年4月
目次
ハードダーツとは
ハードダーツとソフトダーツの違い
なぜソフトダーツがうまれたのか
ハードダーツのゲーム方法
ダブルアウト・アレンジ
アレンジ論
基本的な考え方
①ハードダーツとは
ポイントがプラスチック、ボードもプラスチックのダーツが誕生した時に「ソフトダーツ」という言葉が生まれました。
その対比的に従来からあるダーツ、つまりポイントが鉄でありザイザル麻を圧縮して作るブリッスルボードを使用するダーツの事を「ハードダーツ」もしくは「スチールチップダーツ」として分類し定義されました。
②ハードダーツとソフトダーツの違い
1 ダーツ(バレル)
ソフトダーツが発明された当初は機械の耐久性を理由にダーツ重量18g以下とされていましたが現在は撤廃されているため同じダーツを使用可能です。
2 ポイント
スチールチップを使用する事。
なおソフトダーツマシンにスチールダーツを投げる事は「厳禁」です。
逆にソフトチップダーツをハード用ボードに投げる事は穴が大きくなるという理由で禁止されており大会・試合には使用できません。
3 ダーツボード
ハード ソフト
インブルの高さ 173cm 173cm
スローイングラインとの距離
237cm 244cm
ボード直径 33.53cm 39.37cm
ブル直径 32mm 44mm
ダブルリングの幅 10mm 20mm
トリプルリングの幅 10mm 20mm
4 ブル・セパレート
ハードダーツに関しては常にブルセパレートです。
アウトブル(=25点)インブル(=50点)でありインブルはアウトブルのダブルという考え方のもとインブルアウトはダブルアウトとみなされます。
5 得点方法
ソフトダーツの場合、刺さらず落ちたダーツも機械が反応した場合は「有効」となりますが、ハードの場合刺さらなかった場合「無効」です。なお3本投げ終わる前に1本目2本目が落ちた場合も無効となります。
6 ミドルフォーディドル
(和製英語 middle for diddle)
最初の先攻後攻決めや、スローリミットで両者あがれなかった場合、両者1本ずつダーツを投げブルに近い方を勝ちとする方法。
a両者アウトブルの場合 引き分け (再投)
b両者インブルの場合 引き分け (再投)
上記a.bの場合、2本とも抜いてから再投します。
c両者ブルに入らなかった場合 インブルの中心から距離の近い方の勝ち
d刺さらなかった場合 再投
e0点の場所(=ダブルリングの外)に刺さった場合 再投
上記d.eの場合、相手のダーツはそのままで再投します。
<疑問>ミドルフォーディドルの際
先に投げた選手の矢がブルに刺さりましたがなんか落ちそうでした。二人目に投げた矢がその矢に当たって両方とも落ちた場合どうなりますか?
A. 両者とも再投だと思います。
先に投げた人がブルに入れた場合「アウトブルです」「インブルです」と発言して抜くことができます。ただし抜く抜かないの選択権はなぜか後から投げる人にあります。「抜きますか」と聞かれて「いやそのままで」と答える選手がいますが理由が全くわかりません。上記の疑問のように落ちて再投の可能性がある以上、「はい、抜いてください」がマナーであり正解だと私は思います。
7 セルフコール
大会などで前にコーラーがいない場合は原則セルフコールです。3本の合計を「〇〇点です!」と宣告(コール)してください。あがった場合は「〇本目」バーストした場合は「バースト」「ノースコア」。
※うしろで見ている対戦相手が今のコールは間違っていると思った場合は即「チェック」といい試合を止め計算する事ができます。
なので、
①計算しコールして相手の目を見る。
②相手が「はい」と答える。
③ダーツを抜いて戻る。
が正しいマナーだと思います。時短で瞬時に行われますが。
特にぎりぎりのところに刺さっている場合は大切なマナーだと思います。
③なぜソフトダーツがうまれたのか
ダーツ発祥はイギリスといわれています。しかし1980年代にこのエレクトリックダーツを発明したのは
アメリカのメダリスト社です。このことから紳士的イメージのイギリス人に対し
・アメリカ人は大騒ぎして遊びたい → アワードの演出
・アメリカ人は引き算が嫌い。 → 自動計算
・ちょっと難しくないか? → ダブルトリプルリング拡大。ブルフラット50点。
と言われたものです。あながち間違いではないかなとは思いますが、時代の進化の中新しい機械の発明は必然だったと思いますし、ソフトダーツがなければダーツはこんなに普及していないと皆が思うところではないでしょうか。
なお2024年現在はじめて投げたダーツは何?の問いに対し「ハード」と答える人は皆無に近くほとんどの人がまずソフトダーツに出会い体験しているはずです。
④ハードダーツのゲーム方法
現在ほとんどの大会が「501ダブルアウト」で行われています。
私がダーツを始めたころはクリケットやハーフイットをハードで行いましたが、そういった人をほとんど見かけなくなりました。(計算がめんどくさいんでしょうね。FIDOが計算してくれるなら復活するかも)
501はダブルアウトが当たり前とされ「マスターアウト」は採用しません。よって、「ダブルアウト・アレンジ」が必要になります。
※ゲームによってはダブルスタート縛りもありますが大半はエニースタート。
⑤ダブルアウト・アレンジ
ゼロワン系ゲームの大前提ルールが、「得点をどんどん減らしていき先にちょうど0点にした方が勝ち」です。その最後の1本をダブル縛り(インブルを含む)とするのがダブルアウトです。
そこで上がりにもっていくために数字の調整をする事をアレンジといいます。
⑤501ゲームの戦い方と考え方
2つに大別できます。①点取り ②あがり
⑥アレンジ論
とかくハードダーツの敷居を高くしているのがこの「アレンジ」です。とかくはじめたばかりの人に評判が悪い。実は経験豊富なうまい人は、本能的な数字的センスと経験による学習がみについています、よって本来アレンジとは「下手な人があがるチャンスをふやすための作戦」であるという事を理解してほしいです。
基本的にはこれは強制ではなくどこ投げるかは本人の自由なのです。
ただ知っててあえてやらないのと、知らないからやらないのは意味合いが違うという事を理解していただきたいです。
(以下 S:シングル D:ダブル T:トリプル)
たとえば「91残り」
おそらく17T→20Dと推奨されます。
しかし19Tで57点とっても34残り(17D)でもあがれますし1本目20Tからいっても、1S入れて15Dであがる事は可能です。3本あれば最近の常識は、アウトブル+16S+インブルでしょうか。
たとえば「79残り」
おそらく19T→11Dと推奨されます。なぜ13T→20Dでないのでしょうか。
回答は、3本持ってる場合最初の「2本で39点とれば」残り40点となる、という事です。
13からいくと13Sだった時66残りとなりダブルトップに届かないのです。
つまり外した時のリスク軽減と、少なくとも3本目はダブルトライしましょうというを目的に作られているのが「アレンジ表」なのです。
⑦基本的な考え方
1 なるべく大きいダブルを残す。(40残り)
理由は横がバーストしないから。
2 偶数のダブルを残す。(32ライン)
理由はインサイドでシングルをついても偶数でダブルだから。
32残りトライは、16D→8D→4D→2D→1Dと4回インサイドつけます。40残りトライは、20D→10D→5Dと2回で奇数になってしまいます。
※これは1990年代流行した「32鉄板主義」です。この時代の人はダブルスタートですら16Dで行うくらい16Dを最重要と考え、16Dを徹底的に練習したからです。
3 奇数の4枚並び(7・19・3・17)で保険をかける。
奇数が2マスならんでいるところは下の方(7・19・3・17)のみです。43残りは11S→16Dとなりますが、11S外すとダブルが打てません。
43残り。3S→20Dとして仮に横(19・17)に外してもとりあえずダブルは出ます。
4 偶数の並びは3か所(16・8)と(18・4)と(10・6)
シングルアレンジは広く狙えるところを。
42残り は 10Sで16D、6Sで18D です。
48残り は 16Sで16D、8Sで20D です。
54残り は 18Sで18D、4Sで25D です。
5 シングル2本でダブルがでるところ
79残り は 19+20+20D です。
1本目トリプルからんで 19T→11D でOKです。
77残り は 19+18+20D です。
1本目トリプルからんで 19T→10D でOKです。
82残り は 25+17+20D です。
1本目インブルなら、インブル→16D です。
※アウトブル25点はシングルと考えます。そう考えると85点残りは、2本で45点とる。その方法は「25点+20点」でどうでしょうか。
したがって85残りはインブル→3S→16D が本線で
アウトブル→20S→20D が保険となります。(3本ある時の話)
2本しかない時 (例えば145残りから20T入れた時)
この85残りは当然 15T→20Dもしくは19T→14Dトライです。
⑧残り110点またぎ
110残りが、20T→25D となるためここが分岐点になってきます。
2本目に可能性を残すところにうつ。
残り2本であがれる数字
98以下・100・101・104・107・110
2本であがれない数字
99・102・103・105・106・108・109
です。つまり1本投げてあがれる数字になるところを狙えという事です。
119残り
20Sで99残りになるともう上がれません。
したがって 19S→20T→20Dが本線となります。
もちろん1本目はトリプルからんでくれた方がいい。よって19T→12S→25D が狙いとなります。
128残り
シングルでも上がれる数字になるのは、18Sから110残しかありません。したがって1本目は18T打たざるをえないのですが、仮に18T入れても74残り。もう1本トリプルが必要です。
18T→18T→10Dが本線となります。
1本目20Tいれると68残り。結局18Sからインブルトライとなるのです。
20T→20T→4Dをノータイムで決めたらカッコいいしインパクト強いですが、この4Dがバーストが怖すぎて打てない。
⑧残り170点またぎ
170残りが、20T+20T→D25のハイオフであるため170またぎになりそうなところでアレンジする必要があります。
3本であがれる数字
160・161・164・167・170
3本であがれない数字
159・162・163・165・166・168・169
⑨残り350点またぎ
上記の170点に1スロー180点を追加した数字が2スローフィニッシュの可能数字となります。
350点残りは180+170であがりの可能性がありますが、339点残りは最低でも3スロー要するということです。
ただこれは難易度がハイレベルなので、そのひとつ下310またぎについて述べます。
303残り
140点取りすると163残りとなりとなりあがれません。しかし139点取りすると164点残りとなりあがれます。つまり19Sを1本使うという事、さらに20Sに刺した瞬間アレンジ作れないという事が確定してしまうという事です。
したがって1本目は19からいき19Tならもう一本19を、19Sなら20Tで120点とる。もしくは19の7マーク133点取りですが、なんにしろ19Sが必要な不思議な数字。
310またぎが最初のアレンジポイントだと思います。難易度高いのでできなくてもそんなに残念がらなくてもいいのですが、意識はした方がダーツは面白いと思います。
スローインラインにたった時に140を引いてみればいい。304残りなら「140引いて164残りあがれますやん」ということなら全弾20Tいけばいいのです。(遠慮して140にする必要もないなんなら180でいいから)
同じことが270点またぎでも言えます。100点ひいてみたらいい。
269残り。スローインラインにたって100点ひいたら169。ダメですね工夫しようという話です。99で170残り。つまり269がBadArrangeということなんですね。前スローの3本目に19を投げ269を避けるとかやる人はやります。
・・・アレンジの話はこのくらいまでで終了します。