ごあいさつ
ごあいさつ
我が国の人口は、減少傾向にあり、2060年頃には「肩車社会」注1が到来することが予想されております。少子高齢化の問題は喫緊の課題です。その影響はすでに出始めていると言っても過言ではなく、労働集約型産業を中心に、人手不足が深刻な状況が継続しております。
一方、情報技術の分野に目を向けると、人工知能(AI)等の先端技術が実用段階に入り、人手不足を解消すべくデジタルトランスフォーメーション(DX)に拍車をかけていると言えるでしょう。しかし、先端システムを導入しても投資対効果を得られないユーザも増えています注3 。
このような失敗を生む要因の1つは、システムのスピード提供を重視するあまりに見落とされがちな、「エンジニアリング」注2の実施不足にあるのではないかと考えるところです。
当研究所は、諸先輩方が築かれたエンジニアリングを振り返り、現代に見合う形のエンジニアリングとは何かを、情報技術導入の実践の場を通じて研究して参ります。それによって得られた知見は、ユーザ、パートナー企業をはじめとするステークホルダーに広く展開し、各位が安全・安心に先端技術に関わることができる仕組み作りに邁進したいと存じます。
今後の真正エンジニアリング研究所を宜しくお願いいたします。
所長
塩澤 正三
Masami Shiozawa
注1:肩車社会とは、高齢者1人を支える現役世代が限りなく1人に近づく社会
注2:エンジニアリングとは、科学技術の応用によって物品を生産する技術や、それらを研究する活動
注3:2020年のデロイトの調査では、AI導入企業の9割が失敗との報告: https://ddn.co.jp/media/2021/10/06/270