脚本研究会・翠会

【こまの会・こんぺいとう・劇作の会12月合同脚本研究会報告】

【日時・場所】2023年12月2日(土)14:00~17:00 於:エデュカス東京(全国教育文化会館)

【参加者】高橋・吉川・中山(直)・中山(れ)・中山(た)・藤野・安斎・藤崎・宗像・金平(純)・千野・蒔田・山本(茂)・林・小宮・(懇親会より参加 森田)

 

〇 自己紹介・各会より代表者のあいさつ

〇 合 評

①「なかまっていいな!」 小学校2年生くらい向き  作: 中山 れい子(こまの会) 

<作者より>

教育実習を行ったとき(小学校2年生)の風景を参考に、あの子の気持ちはどうだったのかなと考えながら書いた。

登場人物の「はるか」は、いつも外で虫としゃべっているような子。自分自身が、脱走する子と迎えに行く子のどちら側についたらいいのだろうと迷った。

こまの会での合評も含めて、3回書き直しをした。動きを出したいなと思う。

・中山さん、腕を上げましたね。学校の劇を書く原点を感じた。作者の経験や考えから書いていくことができるよさを感じた。

・プロットがよくできている。「はるか」のミステリアスさと他の子との違い、小さな対立が生まれている。

・後半、「はるか」が、自分の思いを全部しゃべってしまうけれど、周りの子がはるかの思いに気づくといいのではないか。

・動きがあっておもしろそう。アリの登場はリズミカルで楽しい。2年生ぐらいの子が演じるのに合っている。

・はるかとアリやダンゴムシとのかかわりから、はるかが自分のことを周りに言えるようになるというきっかけが欲しい。

・ダンゴムシとはるかが会話するのはとても素敵な場面。大きさは違うけれど、この会話の場面の見せ方を工夫したい。

・はるかの「ぼくのことは切り替えないでほしい」という台詞について…「切り替えないで」とは「忘れないで」か?「型に押し込めないで」か?

 テーマにつながる気になる言葉だ。

・「切り替え」って、子どもが言う言葉だろうか?違和感がある。切り替えられないのが子ども…夢中になるとか、自分の世界に入り込んでいくとか。

・「切り替え」っていいことだし、授業もしやすい。子どもたちの中に定着している言葉ではないか。今、子ども自らが「切り替え」と言う。

・子どもの世界をもっと描きたいね。

 周りの子どもも、大人の裏をかくような、みんなで最後は遊んじゃうような。はるかの世界へみんなが入っていく展開になるのもいい。

 

②「助けたカメに連れられて」  作: 千野 隆之(劇作の会)

<作者より>

4年生への書き下ろしで、上演済み。勤務校の「せせらぎ観察園」から着想した脚本を、いくつか書いてきた。子どもたちが食い付いてくれたのが嬉しい。

・現場の子どもに合わせて、学校の環境や歴史なども取り入れながら脚本を書くことができることは幸せだね。

・千野さんのセンスや作風が、ちりばめられているギャグから感じられる。楽しい作品。

・100人以上が出演する劇が発表会では主流なので、コール隊は不可欠になっている。

 ・ずっと舞台上にいて反応ができることや、いろいろな役割をすることから、コール隊をやりたがる子も結構いる。

・多角的に子どもたちが動けるよさだね。

・過去や未来をいったり来たりする設定がおもしろかった。主人公が現代で頑張っている姿を取り入れてはどうか。

・過去のシーンで小学生の時の父、母に出会う前振りがあると、つながりが分かりやすい。

・先の展開が楽しみになる。ファンタジーの世界で、演じる子どもたちは好きだろうね。

・千野さんはいろいろな先生方に要望されて構成し作品化しているところがすごい。

 

③「おかしな国のありす」  作: 藤崎 万喜男(こんぺいとうの会)

<作者より>

山形市民劇団の公募に応募してみた脚本。小学4、5,6年生の20人位が、2月(2024年)に上演する予定。

「ありす」にだけ見える「ネコネコ」が登場するが、見えるための、ありすの状況づくり、性格づくりが必要との指摘はあった。

・「ありす」の生きづらさ、ここから頑張ろうとする姿に好感がもてた。

・コミカルで、面白さに才能がある。ありす、友達など女の子達のファッショナブルな感じが出て舞台向きの作品だと思う。

・「ありす」は小学校高学年の設定で、現実によくある子どもたちのやりとりだと感じた。最後に「友達だもんね。」とまとめてしまうのが勿体ない。

・原作「アリス」の「つまんない つまんないな」という言葉から広げていった。

 原作を元にアレンジしたので、外せない場面(パーティー、裁判の場面など)もあった。

・上演の機会があるのが魅力的。どのように子どもたちが表現していくのか楽しみだ。


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「あるね、こんな場面」「いるよね、この子」。どの作品も、日常的なクラスの様子や子どもたちの姿が描かれていますが、今の学校や子どもたちを取り巻く環境が変化していることも話題になりました。作者が感じた学校現場の課題、悩みも、作品を通して提起されました。

脚本を創作する姿勢がみえてくる・・・それにたじろぐことなく、脚本を書き続けていく皆さんが眩しかった! 思いや願いを脚本に込めて、たくさん話して、糧にして。

そんな定例会をまた共に!                   

                                                         (文責:小宮)

【脚本研究会・翠会 10月定例会 報告】

 日 時:10月13日(金)18:30~20:30 成城学園初等学校 大会議室

 出席者:岡 金平 木村た 久保 千野 森田勝 保坂


今回は、岡さんの人形劇脚本を基に、実際に上演したビデオも視聴しました。後半は、森田さんから、内山賞も含めて劇作の会の脚本の在り方について問題提起がなされ、それについての議論に発展しました。

 

 人形劇用脚本「どんぐりひろばのしりとりあそび」

 〜どんぐりひろばはおおさわぎ 第13話〜

       「きょうゆうなんかこわくない!」  作 岡 信行

         〜どんぐりひろばはおおさわぎ 第14話〜


2本とも、上演ビデオを観ながら、脚本を追う形で進めました。1作目は「人形劇まつりinかわさき市民プラザでの上演。演者は川崎市の児童文化の先生方でした。


【あらすじ】1作目

「♪こぶた たぬき きつね ねこ♪」

 の歌をモチーフにして、「しりとりでつながる友だちさがし」をする話。

 最初「わるいんだけど、しりとりでつながっているぼくたちだけで考えるから、あっちに行って」と言われたヒヨコ。

 その後、こうし しまうま まんとひひ が出てくることでつながる事ができた!という話。

 

2作目は、国立音楽院の生徒が演者。ダウン症や発達障害の子もいるのだが、パペットセラピーの面からのアプローチしたもの。11月29日のパペットセラピー学会での発表を前にオアシスライブとして発表したものを視聴。


【あらすじ】2作目

 どんぐりひろばに恐竜が登場。聞けば足にとげが刺さってしまった。みんなの事を食べないと約束してので、協力してとげを抜いてあげる。

 聞けば、タイムマシンに乗って家族旅行に来ていたとの事。母親のきょうりゅうとも会えて、無事戻っていきました。

 

作者から

 先生たちのは、事前の録音に合わせて、動きをつけた。

 国立音楽院の方は、音に合わせて動きを付けることは難しい子もおり、その場で声を出す方式。少ないセリフを一生懸命言おうとする姿がよくわかった。

 保護者も協力してくれ、感動していた。作品としては、作ってほしい動物を聞いて、それを作った後に登場人物から考えた作品。

 上演のうまさより、コミュニケーションを取ることに主眼。

 

【話し合いから】

・人形は動きが大切。先生たちの方は、もっと動けたら良かったと思う。

・「トゲが刺さった」だと動きが小さくなってしまう。

・“けこみ”に捉われることはないのでは?腕使いだけでなく、全身が見えてても観客は、腕に注目してくる。人形劇でも色々な方法がある。

 (例:デフパペットシアターひとみは、人間が後ろにいえ見える形でやっている)


主に、上演の様子を観てからの作品検討をしていたのですが、森田さんから

 「この話し合いは、脚本研究会の話し合い」なのだろうか」と問題提起があった。

「自分が勉強してきた脚本研究は、例えばテーマがどうだとか、登場人物の変容がどうがどうか。など佐品の文学性のようなものを論ずる会だった。

今回の作品は、人形劇の為のもので、そこにはテーマ云々といったものは、ほとんどない。いわゆる劇遊び台本と言える。それはそれで良いのだが、それは実践研究会で扱うものではないだろうか。ここ数年、内山賞の選考委員をしていても、今の時代に文学性のストーリーのある作品をニーズとしてもほとんどない。だからそういう作品もほとんどない。多いのは劇遊び台本的なもの。どこかの場面は子どもたちで創作して、といったものばかり。ということは、今までの内山賞は変わるべきではないのか。」


⇒その後、以下のような発言があった。(全てを記録できていないです)

・確かに脚本研究会に来るメンバーと実践研究会に来るメンバーはほとんど重ならない。出席者の年齢層を見ても、その差はわかる。

 若い人たち(つまり現場)では、文学的な脚本は求められていない。

・我々は劇作家を目指しているのではない。そちらのニーズには、協会の講座がある。

・劇上演だと例えば、劇団四季のどこかの場面を感動的に演じさせたい。といったニーズはある。

 本来、我が会ではそれなら感動的な場面を入れた劇を創ればという考えだったがそうも言えなくなってきた。

・教室の中で創ったものを舞台に乗せてもらいたい。創作劇という分野は生かせるのではないか。ただそれは、本会の脚本研究とは違うものになるかもしれない。

・公立では学芸会があっても学年劇なので、セリフも制約があったりする。

・ただ、保護者は子どもの舞台に上がる姿を観たい。

 

等など、劇作の会の本質に迫る話が次々と出てきました。と言って、出席者の7名で結論を出す話では無いので、是非、今後の事については会全体で話す機会を設けたいということで、終わりにしました。

「次回の合同研究会での話題にしても良いかも」という話もありました。 

(文責:保坂 弘之) 

【脚本研究会・翠会 9月定例会 報告】

日 時:令和5年9月16日(土)14:00~16:00オンライン

参加者:金平・木村た・久保・武重(夏期大脚本分科会)・長谷川・保坂・山本(茂) 計7名

1.劇団四季より「ジャック・オー・ランド~ユーリと魔物の笛~」

                                          原作・山崎貴  脚色・武重杏子


夏期大脚本分科会で金平純三さんと相談しながらまとめた脚本。劇団四季の公演を学芸会で3年生に取り組ませたいと考えた。89人で25分、全員を舞台にのせる(26人はコーラス隊)という制約の中、1時間半という元の公演を分かりやすく短くまとめていくのが大変な作業だったと思われる。「最初から比べるとすっきり分かりやすくなった。良くまとめた」との金平さんからの言葉もあった。


<あらすじ>

ハロウィンのおまつりにちなんだ魔王と人間の子ユーリ、魔物のコブの物語。

魔物の王ジャック・オーは、人間にだまされて信じられなくなった。うたがいの霧でユーリの住む村をおおってしまい、触れてしまったエルが倒れてしまう。助けるためには「魔法のふえ」が必要。魔物のまちへ出かけたユーリは、魔物のコブを助ける。笛をほしがっているとものみ鳥に知られた二人は連れていかれる。王様はコブの一生の召使いを条件に笛を貸す。エルを助けたユーリは笛を返すか迷うが、コブのために戻る。うたがいの霧がはれ、人間の子どもを呼んで年に一度、お祭りが開かれることになる。


<話し合いから>

・ユーリの心の葛藤を黒の服を着た子が横でささやくように設定しているが、あっさりしすぎていないか。白の服を着た子を反対側に立たせて本人をはさんでやりあえば、より心の葛藤が

 はっきりするのではないか。

・場面転換が多い。暗転もある。なるべく場面を減らすようにする。場面によって象徴的なものを置き、それを変化させることで場面の変化が分かりやすくなる。三角柱の形に背景を描き、  

 回すことで簡単に転換もできる。効果音と共に場面が変わるのも良い。

・武重さんの学校ではプロジェクターで背景を出す方法が多いとのこと。操作に大人がとられることや位置によっては出演している子ども達がまぶしかったりすることも考えられる。

 いろいろ確かめてから使う方が良いのではないか。

・偉い人は上手、訪れた人が来るのは下手と意識して出入りを考えるとやりやすい。

・歌の歌詞がまだ入っていないが、歌でかなり時間をとる。歌の時間を長くしないように気をつけた方が良い。

・1回脚本として渡しても途中で変更を加えたり、増やしたりしても良い。これで絶対と思う必要はない。練習しながらも変更して良い。


2. (仮)「みんなと we will cometogether」 作 久保由美子

今年度の5月・6月・7月の定例会の中で、プロット提出に始まり毎回話し合いを重ねて書き直してきた脚本。川崎市の学芸大会に出した後、校内の学習発表会に出す予定。子どもの実行委員会での相談も行いながら進めてきた。夏期大の脚本分科会で木村たかしさんと相談しながら脚本の形に仕上げてきた。4年生でダンス、音楽、群読の発表も入れながら全員が舞台にのることを考えている。


<あらすじ>

レインボー王国から宮前平小学校へ見学にくるという話がもちこまれる。次期国王が宮前平小学校の出身だったのだ。発表することになっていた群読・音楽・ダンスが勝手に発表しようと譲らない。「4年生みんなで」と条件を出していたレインボー王国は約束が違うと言い出す。「1週間後にもう一度」と約束し直した子ども達。ひょんなことから3つの発表を合体した発表を思いつき力を合わせる。


<話し合いから>

・子ども達との話し合いもしながら今後考えていく。題も相談する。今は仮の題名。

・脚本研でプロットを相談をしていた時と比べると、今日の提案の脚本は、まとまって一つの流れになっている。すばらしい。

・1回位もめたり、ハラハラドキドキがあると良いのだが…。

・欲を言えば、子どもの衝突が弱い。それぞれが自己主張し、その上で違いを認めながらまとまっていくという形がほしい。

・山場をどこにもっていくか。グループ毎に困っていることがあって、補いあってみんなでまとまるとなると良い。

・レインボー王国が、発表の結果でなく、経過を見ていたという設定も考えられる。

・脚本としては25分位で終わる方が現実的。時間制限もあるし、学年全体が出演という制約もある。


<次回予告>

脚本研・翠会  10月13日(金)18時半~20時半

成城学園初等学校・オンライン

脚本提出希望は、保坂か金平までご連絡下さい。お待ちしています。

                                                         (文責 長谷川安佐子)

【翠・脚本合同7月定例会報告】

◆日時  2023年 7月8日(土)14:00~17:00

◆場所  川崎市立下布田小学校

◆参加者 橋本・金平(純)・木村た・長谷川・千野・岡・久保(計7名)

 

☆「森のパフォーマンス」 作:橋本 喜代次

【作者から】

 ・調布7中3年生のクラスにて実施。5回の学活にて取り組み、体育館で発表した。演出は、劇団の方が行った。

 ・妖精と登場人物とは別に練習した。妖精のパフォーマンスが難しかったのではないか。

【感想・話し合い】

 ・妖精たちは、全部うまくいかないことで奮起するという設定はどうだろうか。

 ・妖精のパフォーマンスは、その時、その場だけかかるという設定も考えられる。その時だけ、感情が左右することになる。

 ・森の精、妖精たちも最後は元気がなくなってくるということも。森が荒れてくるなど、何らかの変化に気付いて頑張ろうとすることも。

 ・妖精は、人間の会話の内容を理解しておらず、詳しくわからないという方がよい。

【元版提出にて】

 作者から最初の脚本では原発の内容を入れていたが、学校からの要請で書き直した。

 原発の内容を入れることについて、当時の心境としてはリアルだった。劇に原発を入れることについてどうだろうか?

 →教育現場では、政治的なことを避けようとする風潮があるが、解決しない問題を中3に提示することがあってもよいのではないか。

 ・宇宙の放射能に替えてもよいかも。

 ・人間が弱っても妖精が元気、新しい森を探そうとするなども考えられる。

 ・政治的な問題よりも、人間として大切な問題を考えたい。

 

★下布田小と橋本さんのご自宅が近いということもあり、久しぶりに対面での会に参加され嬉しく思いました。

    元版と改訂版との両方を読み比べることで、子どもに提示する作品の在り方についても深い協議がされました。

    まだまだ、作品があるということですので、次回の作品も楽しみです。

 

☆「どんぐりひろばはおおさわぎ」第12話・13話   作:岡 信行

【作者から】

 ・国立音楽院 パペットシアター講座があり、子どもたちが上演する予定。

 ・12話では子どもたち自身が作った自作のパペットで、13話は岡先生が制作した、または、今後制作する予定の登場人物のパペットを使用して行う。

 ・ストーリーがすっと流れているので、もう少しドラマ性をもたせたいと考えている。

 ・川崎市人形劇祭りでも、先生たちで発表する予定がある。

【感想・話し合い】

 ・ライオンが最後にみんなを食べたり、ライオンが泣いてみんなが逃げたりするなど、最後に困る出来事が起きるのもよい。

 ・最初にしりとりにならないひよこが出て、脇で見ているが、最後につながるのは?

 ・動物一つずつに楽しい歌を歌ってパフォーマンスさせると楽しい。

 ・みんなでやって楽しいななど、生きている喜びが感じられるとよい。

 ・たぬきは、他の動物に「血が出ているよ」と言われて急に痛くなるのは?

 ・最初は違った音がでていたたぬきだが、後半にうまくいくという要素も入れていくとよい。

 

★「どんぐりひろばはおおさわぎ」の作品も13話となり、ますます磨きがかかっています。

 今回は、子どもたちだけでなく、川崎市で行われる人形劇まつりでも発表されるということです。

    子どもたちは、自分で作ったパペットで発表するとのこと。より楽しくするためのアイデアがいろいろと出されました。

    楽しい発表になりそうです。また、発表の様子もお聞きしたいところです。

 

☆4年生学芸大会に向けてのプロット相談3  久保 由美子

【作者から】

 ・6月より、劇の内容、登場人物、テーマ、スローガンについて実行委員と一緒に考えてきた。 スローガンについては、実行委員会でたたき台を出して各クラスに提案していく。

 ・おおよその内容について、学年の先生方から了解をもらった。詳しいことは今後詰めていくが、詳細がまだ、決まっていない。

【感想・話し合い】

 ・五七五の言葉からラップへ、その後、リズムのある音読へと変わっていくのは?

 ・学校の特色を伝えるとよい。→ 学校の特色と言われても、考えてしまう面もあるのではないか。

 ・どうして協力できるようになったのかを考えたい。

 ・自分たちだけで一生懸命やろうとしていたが、協力すればもっとよくなるようにしたい。子どもたちが変化してよくなるように。

 ・「いいところを見せるのは自分たちだ!!」と対立しぶつかり合っていたが、「こんな姿を見に来たんじゃない」と呆れられるが、最後はまとまっていくようしてはどうか。

 

★北原白秋の「まつり」、低学年の教科書から、絵本からなど教材探しが重要になるとのアドバイスがありました。

    夏期大学「脚本をつくろう」の部会で仕上げていきたいと考えています。

                                                                     (文責:久保由美子) 

【翠・脚本合同研究会6月定例会報告】

 

     日時 2023年6月13日(金) 18:30~20:30

     参加者 金平、木村た、久保、千野、山本茂、保坂 (Zoom参加)藤内


1.第1分科会「脚本のつくり方」検討

 木村(た)さんより

  ・例年の方法。担当者は4人(金平、長谷川、山本茂、木村)だが、参加者が多ければ、森田さんにも入ってもらう。

  ・事前にお手紙を出して、参加者のニーズに答えたい。原作の作品などがある人は、持ってきてもらう。

  ・ニーズを聞きながら、担当を割りふっていく。

  ・1人が3人ずつ担当できたらいいな。是非、会員でも脚本を書いていない人、担当になっていない人には、来てもらいたい。

 

2.「4年学芸大会」に向けてのプロット2  久保 由美子

 前回、提案したプロットから、いくつか設定を変えて再提出。

 【あらすじ】

 ①     発表会まであと少し。外国からお客様が来るのに、みんな(ダンスグループ、朗読グループ、音楽グループ)、ばらばら。困っている子どもたち。

 ②     外国からお客さんが来るエピソード。子どもたちの発表を見せてください。英語でスピーチ(字幕付き)

 ③     それぞれのグループの発表練習

 最後は、3つのグループの良さを出し合って、発表へ。

 【作者より】

  ・前回は宇宙人が来たが、今回は外国人にした。まだ迷っている。

  ・結末も考え中。

  【話し合いから】

  ・宇宙人でも、外国宇人でも、ありえない設定なら、最後まで大嘘の設定にすると良い。

  ・ダンス、朗読、音楽は入れるのか?⇒ダンスはマスト。朗読も入れたい。

   ➡ダンスをするには、音楽がくっついてしまうもの。

  ・ダンスはラップにする手もある。

  ・日本風の盆踊りやよさこい等でも良いのでは?

  ・子どもたちが、授業や行事で取り組んだものを取り上げてあげると良い。

  ・実行委員の子どもがいるなら、投げかけるのも手。

 

  色々と、示唆に富んだアドバイスが出てきました。久保さんも、参考にしながら、また練り直すそうです。作品完成まで、頑張ってほしいと思います。

  

3.千野 隆之作「助けたカメに連れられて」の上演ビデオを視聴

    昨年、この研究会で出された千野さんの「助けたカメに連れられて」の学芸大会での上演ビデオを皆で視聴しました。千野さんが担任団より依頼されて書かれた作品。

  子どもたちが助けたカメに学校近くの竜宮城ニヶ領用水支店に招待され、竜宮城での出来事や現代に戻らず、未来に着いてしまったエピソードなどを楽しく盛り込んだ

  作品です。

  子どもたちが楽しそうに演じていたこと、被り物の工夫など、実際の様子を観ることで、様々な気づきがありました。

  指導された先生や子どもたちも達成感があったそうです。

 

 この研究会は、できた作品の合評だけでなく、今回の様に、作品を書く前のプロットの検討や上演のビデオまで、脚本に関する事を学べます!是非、多くの方の参加を

お待ちしています。

 

 次回は、7月8日(土) 14時から 川崎市立下布田小学校 JR南武線中野島駅下車

 作品提出希望の方は、金平さんまたは、保坂までお知らせください。

(文責 保坂)

【脚本研究会・翠会 5月定例会報告】

2023年5月27日(土)14:00~16:00 川崎市立下布田小学校にて

参加者:池田・金平・木村た・久保・千野・長谷川・山本(留)・ オンライン 山本(茂) 計8名

 

1.川崎市学芸大会(4年生)に向けて    提案 久保由美子

 子ども達の実態やつけたい力、大切にしたいこと、取り組み計画、内容と共にプロット3つを提案。今後学年で相談しながら考えたり作ったりしていくとのこと。

ダンスが好きなのでぜひ入れていきたいとのこと。

プロットは

「らしさツアーへようこそ」

未定(元気なパワーをもつ精霊の修行)

「宇宙へ」

 

・3つめのプロットが一番くわしいので、これをまとめていったらどうか。

・ダンス、歌、朗読の3つを招待の出し物と考えて、お互いが練習しひかない。争いが起きる、結局宇宙人がなぜ失望したか。求めていたものは協力だったと分かり、

 皆でミュージカルをしてつなぎに朗読や詩の発表を入れてまとめるという形にできるのではないか。

・宇宙人となるとうまく表せないとちゃちくなる。宇宙という雰囲気も難しくないか。宇宙人ごっこならできるだろうが。

・宇宙人となると大きくなる。外国からお客様が見えるという設定でも良いのではないか。

・先生がどうこの発表に関わるのか、一番良いのを選ぶとの先生の提案で子どもに任されるという形にするか、条件を決めた方が自然ではないか。

 

2.800字創作(6作品)  

仕掛け 作・池田靖

 演出家がゴールの様子を撮る。ウサギでなくカメが勝ったとの証明に。するとウサギ達はやらせだという証拠をちゃんと撮っていた。

ウサギとカメのレース後 作・長谷川安佐子

 負けたウサギは再レースを望むが、カメから友達を助けて遅れたのだから優勝はウサギだと言われる。懸命に走ったカメは疲れ果て、もうこりごりと思っていた

 のだ。

修羅場 作・池田靖

 ドアを叩く音に玄関に出ようとする女を止める男。何かおかしいと感じる女。無理に出ると女にプレゼントする花束が届いたのだった。

ドアを叩く音 作・木村たかし

AIが示す未来へ招待されたペア3組の会話。ドアをノックされたのは、どういうペアなのか想像がふくらむ。

おせっかいな先生 作・金平純三

考え中の子に教えてしまう先生。足りない物を察してすぐ出す先生。小さな親切のつもりの先生は子ども達に「おせっかいということです」と言われてしまう。

忘れん坊な先生 作・金平純三

忘れん坊な先生が心配な子ども達。遠足の予約は大丈夫だったが、団体切符を取り忘れ乗るときに気がついたため、歩き遠足に。

 

3.学校説明会での構成ラップ台本   提案 千野隆之

  学校説明会を初めて行った時、あまりに人数が少なくてびっくり。何とか人数を集めたいと教員を巻き込んで説明をラップにのせて行うことを考えて提案。

コロナ渦で3年間やれなかった。オンラインで行ったこともあったが、また復活させた。練習が30分位でできる、台本をもちながらできる、単なる説明だけより

参加者(40人+オンライン40人)を増やせた。先生達も嫌いじゃない、案外やってくれると認識した。学年ごとに学年目標などを発言してもらう箇所も作ったが、

学年ごとにけっこう考えてくれた。学校報告会も学校評価と子ども達の簡単な演技を入れたことで参加者が増加した。

  意見・・・学校のまとまりが見えて保護者は安心するのではないか。良い企画。

      ラップが市民権を得てきた感じだし。

 

〇今年度は土曜日の定例会は、千野校長の学校をお借りし、14時から行うことになりました。

 南武線中野島駅から徒歩5分。大きな机のある校長室は定例会にぴったりでした。

〇800字創作が6つも出て、2つ書いてくれたのが、池田さんと金平さん。発想が全く違うものだなあとどの作品も楽しく読みました。

 

<次回予告>

脚本研・翠会  6月16日(金)18時半~20時半

 成城学園初等学校・オンライン

 脚本提出希望は、保坂か金平までご連絡下さい。お待ちしています。

 夏期大分科会検討も行う予定。

 

☆800字創作の題…ぜひ書いて出してみて下さい。4つから1つ選んで。

   ことわざから考えてみる→「失敗は成功のもと」「ミイラとりがミイラになる」

   この一言を入れて作る→「いいかげんにして」「いい気持ち(気分)」

 

                                                               (文責 長谷川安佐子)


【脚本研究会・翠会 4月定例会報告】

2023年4月9日(日)15:00~17:00 成城学園初等学校にて

参加者:池田 金平 木村た 久保  千野 長谷川 保坂 山本 小宮(オンライン)9名

1.脚本検討「かりす村の話」保坂弘之・作

〇作者より 25年前に書いたものを書き直した。モチーフは島原の乱。題名はまた考えたい。

〇登場人物(全て猫)

 主人公ネウス(天草四郎を連想させる。)

 かりす村のボス猫とその子分たち(領主や役人を連想させる。)

 かりす村の小作猫たち(島原の農民を連想させる。)

 かりす村に逃げてきたデビスを信じている猫たち(キリシタンを連想させる。)

 無宿者のねこたち(圧政への抵抗を扇動する。)

〇あらすじ

 小作猫たちがボス猫とその子分たちに貢ぎ物を持ってくるが、わずかしかないために見せしめのために2匹の小作猫が連れ去られる。

 デビスを信じる猫たちはボス猫たちからその信仰を責められる。

 無宿者の猫たちは、ボス猫たちへの反抗を企てる。

 仲間を連れ去られた小作猫たちに無宿者たちが接近し、ボス猫打倒を呼びかける。

 デビス猫たちにも無宿者たちが接近し、戦いを呼びかける。しかし呼びかけはうまくいかない。

 無宿者たちは記憶を失ったネウスをだまして「天から降りてきたネウスさま」として戦いの神様に祭り上げ、決起を呼びかける。

 ボス猫・子分たちと虐げられた猫たちの戦いが起きる。人質を取ったボス猫たちに雷が落ち、ボスたちは逃げる。

 しかしボス猫たちは再び攻めてくる。結局ネウスがつかまり、抵抗は失敗し、ネウスたちは追放される。

〇参加者の意見

・登場人物が全て猫になっているが、犬などほかの動物が抑圧するようにした方がわかりやすくていいのではないか。

・動物たちに対して、人間が支配したり、自分たちの手を汚さずに動物同士で争わせたりするとういう構成もいいのではないか。

・無宿者は扇動しておいて、最後は逃げてしまう。いったい何者なのか?→史実では浪人。

・ボス猫はいったい何者?

・ネウスは劇中で手品のような「奇跡」を見せて、カリスマになるが、もっと奇跡を見せた方がいい。これだけでは弱い。

・主人公はいったい誰なのか?ボス猫なのか?無宿者の猫たちのだれかなのか?

 →作者のイメージは小作、デウス、無宿者、ネウスの4グループがそれぞれやっているという感じで、主人公はいない。

・クライマックスは価値観が転換していくところだと思うが、この脚本ではどこなのか?

・主人公がいれば、もっと希望がもてるような展開になっていく。戦いのイメージも変わっていく。

・それぞれの立場から見た戦い。誰が正しいのかわからない戦い。虐げられたもの同士が争うむなしさ。もっと悪い黒幕がいてもいい。

・自分がよければいいというのは、一概に悪いわけではない。だからこそ黒幕が必要。

・考える材料として、この脚本は成り立つのではないか。

・自分なら子どもの劇としてはハッピーエンドにしたい。

・ウエストサイドストーリーのようにするのもいいのではないか。

・身分制度を伝える劇があってもいい。

・子どもがやるとしたら歴史で身分制度を学んだ後がいい。そうでないと戦いごっこで終わってしまう。

・いずれにしてもこういう劇をやるにはもう少し背景がほしい。

 

保坂さんは実際に島原を訪れ、そのとき感じたことをもとにこの脚本を書いたようだ。

実際の島原の乱では天草四郎という少年がカリスマ的なリーダーとなり、圧政をしいた領主に対して蜂起した。

一時は領主を追い出したが、幕府によって鎮圧され、乱に参加した者は皆殺しになったという。

史実に沿ったものにすると凄惨で、救いのないものになってしまう。

この脚本では無宿者は逃げるが、ネウス、小作猫、デビス猫は永久追放となって幕が閉まる。

やはり結末は救いのないものになっている。子どもの劇の結末として、どうなのだろうか。

史実はともかくとして、救いのある結末にすべきではないだろうか。そもそも子どもたちがこの劇を演じる意味はどこにあるのだろうか。

保坂さんは「戦いのむなしさを伝えたかった」とのことである。何れにしても難しい題材、テーマに挑戦した保坂さんに敬意を表したい。

 

2.800字創作

〇長谷川さんからの提案

 やりやすい題材を選んで書いてみよう。

①音から始まる。例「トントン ドンドン」と玄関扉をたたく音。

②お話の続きを考える。例「ウサギとカメ」カメが勝った後、どんな展開があったでしょう。

③形容詞+人物や職業で

 おしゃべりな 王様

 おせっかいな 魔法使い

 見栄っ張りな 警察官

 忘れん坊な  先生 など 他のものでもよい。

〇参加者から

・与える材料がうまくはまるととても作りやすい。この中で難しいのは「見栄っ張りな」と「警察官」かな。

・「泣き虫な」「すぐ感動する」は作りやすい。音から始まるのもおもしろそうだ。

・「音から始まる」「どこかのドア」「誰かがたたく」「中に誰かがいる」おもしろそう。

・「ウサギとカメ」ウサギが挑発したのに負けて悔しがる。カメはウサギにどう接するかがおもしろそう。

・むらまつひろこさんが絵本を元に作ったミュージカル「二人の桃太郎」は、桃太郎が実は二人いて、一人は従来の桃太郎。

 もう一人は鬼とともに鬼ヶ島に行き、二人が鬼ヶ島で再会する。再会した後どうなったのかという話がおもしろい。

 

定例会の最後に、「おこんじょうるり」に出演した木村たかしさんから、出演にあたってのエピソードをお聞きし、盛り上がりました。                          (文責 千野隆之)