元祖だい久そば弥について
元祖だい久そば弥について
昔の出前の風景
古い暖簾を堅く守るやぶそばのだい久
大久元之丞さんは伊達家六十二万石の家臣であった。明治四年 廃藩後は 長男の経営していた 鶏屋の二階で刀剣の鑑定などをやっていたが、大正六年四月七十三才でその生涯を閉じた。
「大久成修」さん(元之丞 長男)が 明治初年東一番丁五十五番地で、当時二円の資本から、鶏肉などを販売する店を始め、 屋号も 〈大久鶏卵店〉 と 称して市民からも親しまれ、その売上も仙台一とわれていましたが、大正の始まりに 弟の成治さんにこの店を譲って、大正五年に五軒先の東一番丁に新築して、 藪そば 「だい久」を 開業した。当時、東京青山の砂場から「持丸留吉」さん、ほか超一流のそば職人を五人ほど迎えて、東京の本場の味を仙台に紹介した。さらに愛知県三州から名産の伊勢エビを仕入れて「エビ天そば」を看板に売り出したところ、大変珍しく、味も抜群と絶賛され、市民から喜ばれ太評判となった、仙台では当時伊勢エビなど全く見られない時代であったので好評を博したことは、謂う迄も無かあった。当時アメリカ製 の 自転車ラージ号 を 買入れて、出前もやった。そのころ自転車で出前をするそば屋は仙台でも珍しい風景であった。そのころの時代を彷彿としたものがある。
だい久の店は百坪ほどある総二階で上が三間、下は八畳の座敷があった豪華なそば屋だった。当時の客は仙台二高生や軍人など馴染み客で賑わい、「仙台のそば屋といえば、だい久」と好評を博し、東京風のそばが大変よろこばれたものであった。殊に、七夕まつりの日などは門前市をなして「客止」まであったという大盛況ぶりだった。
「仙台老舗百店史」より
創業期(昭和24年:1949年) 「元祖だい久そば弥」は、昭和24年(1946年)6月に創業しました。当初は蕎麦を提供する店舗として、地域のお客様に親しまれてきました。その蕎麦の美味しさは評判を呼び、次第にその味を家庭でも楽しめるようにと、麺の製造にも力を入れるようになります。これが、現在の株式会社だい久製麺へと繋がる礎となりました。
麺製造業への発展と革新 創業以来培ってきた麺づくりの技術を背景に、関連会社である「だい久製麺」は、日本の麺業界において数々の革新的な製品を生み出してきました。家庭用冷やし中華やビン入りのストレートつゆなど、当時は画期的であった商品を開発し、多くの家庭の食卓に蕎麦や麺料理を広めることに貢献しました。これにより、「だい久」のブランドは、麺の美味しさと品質の代名詞となっていきます。
店舗の閉店とオンラインショップでの再出発 長年にわたり愛されてきた実店舗は、一度その暖簾を畳むこととなりました。しかし、「暖簾を畳んでも、味は畳まない。」という強い想いと、多くのお客様から寄せられた「あの味をもう一度」という熱いご要望に応えるべく、2025年、オンラインショップとして「元祖だい久そば弥」が再出発を遂げました。
現代へ、そして未来へ 現在は、オンラインショップを通じて、創業以来変わらない「元祖だい久そば弥」の蕎麦を全国のお客様にお届けしています。これは、お客様への感謝の気持ちとともに、伝統の味を守りつつ、新たな形で蕎麦文化を継承していくという決意の表れです。お客様からの蕎麦レシピの募集など、時代に合わせた新しい取り組みにも挑戦し、これからも「一杯の蕎麦に真心を込めて」その美味しさを届け続けていきます。
所在地
宮城県仙台市太白区八木山本町2丁目23-11
連絡先
022-229-2336