発売日:2009年1月23日
色:amadana brown(アマダナブラウン)
本資料はデザイン家電ブランド「amadana」とdocomo社・NEC社のコラボ商品として「一番薄いスライドモデル」をコンセプトに開発された携帯電話である.
いわゆる「ガラケー」に分類されるものであるが,ガラケーの典型である折り畳み式ではなくスライド式を採用しているのが大きな特徴である.
スライド式の主な利点としては,折り畳み式よりもコンパクトになることが挙げられる.実際文字盤を展開していないとき(【図1】)の大きさは縦103㎜,横49㎜,厚さ12.9㎜という圧倒的な小ささで,手のひらで覆えてしまうほどである.開発者インタビューによると,もう少し薄くすることはできたようだが,そうすると機能や使い勝手が少々劣ってしまうとのことだった.
本資料最大の特徴はスライド式を採用している携帯電話の中でも特殊な「アークスライド」技術を採用していることである.
【図3】は,N-04Aの文字盤を展開した上で側面から撮影した写真だが,側面が直線ではなく緩やかな弧を描いている.これが「アークスライド」であり,こうすることでメールを打つ時や電話をするときに持ちやすくなっている.また,アークスライド採用によって中心部の厚みが増し,当時の市場のニーズに応えて,より多くの機能を盛り込むことに成功した.
このように携帯電話としての機能のみならず快適性をも兼ね備えたN-04Aであったが,発売された2009年当時,すでに「ガラケー」の時代は終わりつつあった.
2007年1月9日,アメリカのApple社が初代iPhoneを発表.初代iPhoneは日本では販売されなかったが,2008年7月11日,二代目 iPhone 3Gが日本で発売.店の前には発売日前にもかかわらず長蛇の列ができる盛況ぶりであった.それは「ガラケー」から「スマホ」へと時代が確実に移り変わっていくことを示していた.
参考文献
https://k-tai.watch.impress.co.jp/cda/article/interview/43775.html
(草柳 晴)