100円硬貨には材料と柄の変化がある.現在の100円硬貨は昭和42年(1967)に50円硬貨同じ時期に製造が始まった.経済成長と自動販売機の普及によって100円硬貨の需要が急増するとともに,銀の工業的使用が増加したことで,材料として使われていた銀の価格が高騰したからである.変更後は白銅が使われるようになった(銀貨幣は銀60%・銅30%・亜鉛10%の組成の銀合金,白銅貨幣は銅75%・ニッケル25%の組成).柄の種類には昭和32~33年に製造された鳳凰,昭和34~41年に製造された稲穂,昭和42年から現在まで製造されている桜花の柄の3種類がある.なお,昭和3年(1962)は未発行となっている.
鳳凰 戦後初の銀貨.表面に羽を広げた鳳凰の図柄および「日本国」と「百円」の文字,裏面には旭日を囲む4輪の桜の花の図柄と「100YEN」の文字,製造年が配されている.
稲穂 表面には稲穂の図柄および「日本国」と「百円」の文字が,裏面には図案化された分銅型に重ねて「100」の数字,その上下に分かれて製造年が表記されている.デザインは一般公募された.
桜花 日本の国花である山桜が描かれている.
(水上 春)