井大学 工学部 物質・生命化学科/工学研究科 産業創成工学専攻 生物応用化学コース

生命機能工学研究室


泉の源泉や海底火山から噴出する熱湯、永久凍土、飽和塩濃度に達するような湖など、私たち人間がとても生きることのできない過酷な環境にも生育できる生命が存在しています。これらの生物は極限環境生物と呼ばれています。この極限環境生物は一体どのような方法でこのような過酷な環境を生き延びているのでしょうか?極限環境生物のタンパク質、酵素、遺伝子などを調べることによって、この生命の謎を解き明かしたいと考えています。

その中でも、私たち海底火山や温泉の源泉など、水が沸騰するような高温環境で生育できる超好熱菌という微生物に注目しています。超好熱菌が生産するタンパク質は100℃以上の高温でも茹で上がらず、有機溶媒中でも壊れないという我々が知っているタンパク質の性質とは大きく異なる性質を持っています。この他の生物には見られない高いタンパク質の安定性は、タンパク質の有機合成への応用やナノ材料としての応用など様々な産業分野への応用も可能です。

  私たちの研究室では、温泉などを対象に新しい超好熱菌や超好熱菌由来遺伝資源を探したり、遺伝子組換え技術を使ってたくさん超好熱菌のタンパク質を作らせてその働きを解析したり、タンパク質を結晶化して構造を解析し、なぜ超好熱菌のタンパク質は安定なのか、どのように働いているのか検討してみたりしています。さらに、超好熱菌の酵素を有機合成、食品分析、臨床分析などの分野に導入できるようにすることを目指しています。

超好熱菌サンプリング風景(長崎県雲仙温泉郷)

温泉から分離した超好熱菌

超好熱菌酵素のタンパク質の構造

お知らせ

2024. 4. 1. 新規ホームページを開設しました。

2024.  4. 1. 福井大学との共同研究の成果が「Electrochemistry」誌に掲載されました。

2024.  4.1.  ノースカロライナ大学/ノースカロライナ州立大学 早出広司教授との国際共同研究の成果が「Biosensors and Bioelectronics」  誌に掲載されました。

2024.4.1 2024年度公益財団法人発酵研究所一般助成金に採択されました。