麻神学園の放課後
麻神学園の放課後
──ゲームしようぜ! お前コマな!
【エントリー1:ゲームしようぜ!】
ある日の放課後、君は廊下で行きずりの生徒たちへ泣きついているある男子生徒の姿を目にする。 生徒は最近麻神学園へ転入したピーター・オズボーンと名乗る。 彼は君へ泣きついた。「どうしても遊びたいゲームがあるんだ! 一緒に遊ぼ! 友達は付属してないんだ! 僕がGMやるからァ!!」 凄まじく切実な叫びに負け、君はボードゲームに付き合うことにした。【エントリー2:給食ディストピア】
君はグルメ倶楽部のメンバーと共に数多の戦いを乗り越え、麻神学園の給食センターに辿り着いた。 給食センターの職員たちは操られ、虚な目でキューブ状の完全栄養食品を量産している。 彼らを操るヴィラン・A-Zが機械的に告げた。『私があなたたちへ完璧な食生活を提供しましょう。ゆくゆくは給食のみならず、購買部もまた私の手に堕ちる。 喜びなさい、高カロリー高脂質の飲食物による栄養バランスの崩壊とはこれで永遠のお別れです』 食の喜びを奪われるわけにはいかない…!【エントリー3:音楽室の特別ゲスト】
君は来週に控えた文化祭に備え、ゲストであるスイング・ヒューマンズの楽団長ジマーと共に、音楽室で下準備をおこなっている。「学校なんて〜入ったのは初めてです〜。た〜の〜し〜み〜〜〜〜〜」 陽気な楽団長と準備を進めていると、世界がピカッと光った。 そして次の瞬間、君たちはジャングルの中にいた。【エントリー1:ゲームしようぜ!】
【状況1】
君は麻神学園・ヒーロー科の生徒だ。 授業を終え、家に、バイトに、クラブ活動にと各々の生徒が散っていく放課後のこと、君は見覚えのない男子生徒が廊下で行きずりの生徒に泣きついている様子を目にする。「ねえええええゲームしよおおおお僕がGMやるからあああああ頼むよ付き合ってよおおおおおお!!!」 あまりにも悲痛で切羽詰まった様子だ。君は生徒へ話しかけることにした。【状況2】
「僕はピーター、昨日ここに編入してきた転校生さ。 麻神学園は大きいからね、転校生も多いし。 君が僕のことを知らなくてもな〜んにもおかしくないよね!」「そう! 僕はいま、すごく困ってるんだ。やりたいゲームがあるのに、一緒に遊んでくれる友達がいないんだ。これは由々しき問題だよ。ボードゲームだからオンセとかも無理だし…」「だからさ、僕と一緒に遊んでくれないかい? ぼくGMやるから! 頼むよ! 四人用だから一人じゃ何もできないんだよ! 一緒にあと三人探して遊ぼ! 一回だけ! 一回だけでいいから! ね!?」 ピーターは必死だ。よほどこのゲームをやりたくて仕方がないのだろう。 君は諦めて、彼の望みに応えてやることにした。さて、いま手が空いている生徒は他に誰がいるだろう?(PLは任意で同行キャラクターを三人決定し、彼らを勧誘するシーンを演出する。他のPLのPCでもいいし、これまでのシナリオで出会ったNPCや、学園に潜伏していたヴィランとかでもいい。 困ったらR2「登場人物(94ページ)」の中から、任意の同行キャラクターを三人選択すること。新刃佩贄以外であれば矛盾は生じないはずだ)【状況3】
君は苦労の末に、自分以外に3人のプレイヤーを誘うことに成功する。 夕陽に照らされた無人の教室に陣取って、ピーターがボードを広げる。それはジャングルの中をダイスの出目に従って踏破する、すごろくのようなものに見えた。「よーし、じゃあみんな自分の駒を持って。ダイス……じゃなかった、サイコロはあるね? じゃあまずは全員2d6。ああ、2d6っていうのはサイコロの種類のことで…」 ゲームが始まった。GMの指示に従って君は2d6を転がす。 そしてそれと同時、ボードが光り、意識が遠のく。「やった、始まった! すごいぞこのゲーム、マジで呪われてるんだな!?」 浮かれたGMの邪悪な声を最後に、君の意識は途絶えた。【エンドチェック】
□呪いのゲームに巻き込まれた【エントリー2:給食ディストピア】
【状況1】
君は麻神学園・ヒーロー科の生徒だ。 君は来週から学園の給食がすべてディストピア飯になるという陰謀を知り、それを食い止めるべく戦いを続けていた。 激しい戦いがあった。そして君はついに、給食センターで陰謀の首魁を追い詰めた。 虚な目をしたセンター職員たちが、手に手におたまを構えて立ち塞がる。「雑魚は僕らに任せろ。行け、ヒーロー!」 共に陰謀に立ち向かった、頼れる仲間のグルメ倶楽部たちが、手に手にクサシューやカロリー爆弾パフェマシンガンを構えて並び立つ。 彼らの声援を受け、君は駆け出した。【状況2】
給食センター最深部。そのメインシステムに、陰謀の首魁はいた。 ヴィラン「A-Z」。不死の人間の創造を目論む、邪悪な暴走AIだ。 A-Zは周囲の人間を洗脳し、君へと対峙させながら告げる。『あなたたち人間は所詮、体に悪いと分かっていながら深夜にラーメンを食べることをやめられない、愚かな存在。 私があなたたちへ完璧な食生活を提供しましょう。 ゆくゆくは給食のみならず、購買部もまた私の手に堕ちる。 そしていずれは世界全ての食事環境が私の支配下に…。 喜びなさい、高カロリー高脂質の飲食物による、栄養バランスの崩壊とはこれで永遠のお別れです!』 給食センターのシステムからは、味気ないキューブ状の物体が量産されている。 三食あんなものを食べさせられるわけにはいかない。君は最後の決戦に臨む。【状況3】
A-Zとの戦いの最中、奇妙な出来事が起きる。 突如として、周囲の空間が光に包まれたのだ。君の意識は一時遠のき、そしてはたと我に帰ったとき…。 君は石造りのファンタジックな遺跡の中にいた。周りを奇妙なローブを身に纏ったグルメ倶楽部のメンバーが円陣を組んで取り囲んでいる。君は何故か赤いマントをたなびかせ、ぴちぴちの青い全身タイツを着ていた。 彼らはあらかじめ用意されていたセリフを読み上げるように言う。「異世界から勇者様がいらしたぞ! 召喚は成功だ!」【エンドチェック】
□給食センターの陰謀に立ち向かおうとした□呪いのゲームに巻き込まれた【エントリー3:音楽室の特別ゲスト】
【状況1】
君は麻神学園・ヒーロー科の生徒だ。 麻神学園は来週に、今期1d100度目の文化祭を控えている。その文化祭ゲストとして、マーチングバンド楽団『スイング・ヒューマンズ』を招待することが決まっていた。 今日はその打ち合わせの日だ。学園に足を運んだ仮面の楽団長ジマーは、陽気に君へ挨拶する。「このたびは〜お招きいただき〜、ほんと〜に、あ〜りがとうございます〜!」「す〜〜〜ばらしい文化祭に〜〜し〜〜〜ま〜〜〜しょ〜〜〜!!!」【状況2】
君はジマー楽団長を連れ、学園を案内する。 彼は学校というものに馴染みがないらしく、何を見ても新鮮に驚き、喜びの声をあげた。場合によっては感動を表現するために一曲弾いたりした。「わたくし〜、こういった場に通った経験がないものですから〜、自分には無縁の場所と思っておりました〜! し〜んせ〜んで〜す!」 PCが事情について尋ねれば、ジマーは「ナイショですよ〜」と前置いて、自分に過去の記憶がないこと、おそらくはハービンジャーであることを打ち明ける。 過去がない彼にとって、学生や学校というものは新鮮で、ちょっと羨ましいらしい。「ワタシにも〜こういう生活を〜送った過去があれば良いのですけどね〜」 羨みながらも、学内を楽しむジマーの声は無邪気である。【状況3】
君たちは音楽準備室にやってくる。学内にある楽器の状態を確認し、パフォーマンスにどう活かすか……文化祭当日の内容について議論を交わそうとした時、不思議なことがおこった。教室中が、世界がピカッと光ったのである。 そして視界を取り戻した時、そこには……。 なんということだ! ジャングルが広がっている! いやそれだけではない!「ぎゃ〜〜〜〜〜〜な〜〜〜にごと〜〜〜〜〜!!??」 突如として襲いかかってきた巨大な怪鳥が、ジマー(何故かカウボーイの格好をしている)を掴んで飛び立ってしまった! そして君は何故かフリフリの女性モノのドレスを着ていた。【チャレンジ1:呪いのゲームで大暴走】
【状況1:PC1】
PC1は気付けば草原にいた。目の前には開かれた木箱があり、手にはひのきの棒を持っている。君の衣服も探検家のようなものに変わっていた。 周りに一緒に遊んでいたメンバーやGMの姿はなく、森に囲まれた広い平原にぽつんと取り残されているようだ。己護路島ではありえない大自然が眼前に広がっている。 君はその状況に覚えがある。遊ぼうとしていたあのゲームのスタート地点にそっくりなのだ。そしてゲーム・マスターが最後に言っていた、あの聞き捨てならない言葉……。 どうやら君は呪いのゲームの世界に吸い込まれてしまったらしい。さて、どうしたものか。どこに向かうべきなのか…。 そんな時、君は背後から怪物の雄叫びを聴く。振り返れば……なんということだ、おぞましいくぅぽくんの群れが、君めがけて一直線に襲いかかってくる!【状況1:PC2】
PC2を取り囲んだローブを身に纏ったグルメ倶楽部の面々が、縋りつきながら君に訴える。「おお、勇者よ! お助けください! この世界は今、邪悪なる魔王の脅威に晒されています。それに立ち向かえるのは、異世界からこの地に降り立ち、異なる神の加護を得ているあなただけ!」「この伝説の兵器、クサシューをお渡しします。くれぐれも換気の悪いところでタッパーを開かないように。さあ、世界を救って!」 君はグルメ倶楽部の面々にタッパーを渡され、強制的に旅立たされた。【状況1:PC3】
突如として現れた巨大な怪鳥は、ジマーを連れ去って大空の彼方へと飛び立っていく。 怪鳥は空高く飛び上がり、ジマー(何故かカウボーイの格好をしている)を連れ去ってしまった。しかも気付けば傍に小型飛行機があるし、頑張れば運転ができる気がする。 何がなんだかサッパリわからないが、とにかく後を追わなければ!【チャレンジ判定】
【状況2】
PC1はくぅぽくんの群れから逃れ、PC2はこの世界に関する情報を得て、PCは怪鳥が東の巨大な山へ向かったことを見届けたところで飛行機のガソリンが尽きて不時着する(自力で飛行している場合、怪鳥の群れに襲われて墜落する)。 そしてPCたち三人は合流を果たすことになるだろう。 この世界は一体何で、自分たちは何に巻き込まれているのか? 情報の共有が必要だ。【エンドチェック】
□チャレンジ判定を終えた□合流した【クエリー1:ゲーム・マスターの思惑】
【状況1】
合流した君たちに、天の声が響く。『はあ!? どうなってるんだよ、これ!』 空を見上げれば、デジタル的なウィンドウ越しに、巨大なピーターの顔が君たちを見下ろしていた。『そいつはサプリメントの「異世界転生ルール」が使われてるみたいだし、そっちは今回は使わない追加ルールの「逃避行カップル」の片割れじゃないか! しかも参加者変わってるし! ダメダメダメ、ゲームバランスめちゃくちゃになっちゃうだろ!?』 どうやら他PCが巻き込まれているのは彼にとっても予想外のようだ。【状況2】
君たちに行いを咎められ、ピーターは不機嫌そうに舌打ちをすると、手にしたサイコロを転がした。サイコロが光を放ち、収まるころには、そこには派手なマスクをつけた人物の姿が!『ふんッ、バレちゃったなら仕方ない! 麻神学園の転校生なんて仮の姿! 我が名はヴィラン、ゲーム・マスター!』『お前らはこれから、僕が作ったサイッコーにクールで、チョーカッコよくて、マジ感動的でオリジナリティ溢れた究極のシナリオで遊ぶんだ! せいぜい感謝してくれてもいいぜ? 勝手なことは許さないけどな! お前らはぜーんぶ僕の言う通りに遊ぶんだ、いいな!』 ゲーム・マスターは高笑いする。我儘で傲慢なGMだ。君は彼になんと言おうか?【状況3】
君の言葉を聞き、GMは癇癪を起こす。『キーッ! うるさいうるさい! ぼくはゲームマスターだぞ、ぼくがゲームの神様だ!』『くそッ、麻神学園とかいう超人種の偉そうなガキどもが、呪いのゲームに振り回されてヒイヒイ言ってるのを高みの見物してやろうと思って潜入したのにさ。台無しだ! やめだやめ、シナリオ変更! ゲームは終わり! ここから始まるのはルール無用調整皆無のテストプレイだ。GMがその気になったら、PCなんて簡単に全滅させられるってことを思い知らせてやる!』 罵倒と共に天の声が遠のき、上空のゲーム・マスターの顔が消える。 どうやら機嫌を損ねたGMは、本気で巻き込まれたPCたちイレギュラーを殺しにくるようだ。【エンドチェック】
□ゲーム・マスターの言葉に答えた□グリットを1点得た【チャレンジ2:呪いのゲームを踏破しろ!】
【状況1】
大地が揺れ、川が沸騰する。 本気になったゲーム・マスターが、君たちを殺さんと、さまざまなデストラップを発動させているのだ! ジマーやグルメ倶楽部のメンバーのことを思うに、このゲームにはいま、麻神学園全域が巻き込まれている可能性がある。ゲーム・マスターがこのゲームを破壊してしまっては、学園全体に影響が及ぶかもしれない。 ゲームをクリアし、現実世界へ帰らなければ! そこでゲーム・マスターとリアルファイトだ!【チャレンジイベント】
2d6を振る。出た出目に応じたイベントが発生し、判定を行う。 この判定に成功することで、その出目のイベントがクリアとなる。 クリアしたイベントナンバーの合計が20を超えた時、チャレンジクリアとする。【2】
ジャングルの大河を横断しなければならない。川には凶暴なカバやワニやピラニアがうようよと泳いでいる。無事に渡りきれ! 全員が〈運動〉か〈操縦〉か〈霊能〉の判定を行い、全員が成功しなければならない。 失敗で全員のライフを現在値の半分(端数切り捨て)にする。【3】
凄まじく巨大な猿が襲いかかってきた! あれ!? よく見るとあれは育毛研究会の日和山さすがでは!? 全員が〈白兵〉か〈射撃〉か〈霊能〉の判定を行い、全員が成功しなければならない。 失敗で無慈悲に無駄毛を生やされたり頭髪を抜かれたりする。全員のサニティを半分(端数切り捨て)にする。【4】
打ち捨てられた小さな飛行場がある。かつては調査隊が使っていたのだろうか。まだ使えるものがあるかもしれない。唐変木 翠の顔写真が残されているが、彼女の姿はない…。 全員が〈生存〉か〈科学〉か〈追憶〉の判定を行い、全員が成功しなければならない。 失敗で古い金属で皮膚を痛めてしまう。全員「BS:毒3」を受ける。【5】
大きな崖だ。橋が落ちており、渡れない。傍の大樹に蔓が巻き付いている、あれを使えばもしかしたら! 全員が〈運動〉の判定を行い、全員が成功しなければならない。 パーティの中に「移動適正:飛行」を所持しているPCがいれば、全員に+20%の修正を得る。 失敗で堪え難い恐怖を感じる。サニティを2d6点失う。【6】
日が暮れた頃合いに、未開の民族の村にやってきた。今日はここに泊めてもらおう。村人は巻き込まれたバスケ部たちが担当していた。村に伝わる伝統競技「波洲蹴(バスケ)」に勝利すれば泊めてもらえることになった。 全員が〈作戦〉か〈運動〉か〈心理〉の判定を行い、全員が成功しなければならない。 失敗で金で解決するしかなくなる。2d6点のクレジットを失う。【7】
野宿をしていると、夜闇に紛れて、巨大ダチョウに乗った盗賊が襲いかかってきた! しかもその盗賊の首領は……め、メリッサ先生ーッ!? 盗賊の襲撃を退けろ! 相手は元G6最強ヒーロー、シュライクガールだ! 全員が〈任意の戦闘技能〉-20%の判定を行い、全員が成功しなければならない。 あるいは誰か一人がクレジット20点を払って解決する。 失敗で金をせびられ続ける。全員に浪費4がつく。【8】
「樹海ヲ汚ス者……許サナイヨ……!」 密林を抜けようとしたら、凶暴なコアラの群れが襲いかかってくる! 立ち去れ立ち去れと告げてくる彼らのボスは、麻神学園生徒の一人ホロロだ! やってることが普段とあまり変わらない。 全員が〈白兵〉か〈意志〉か〈交渉〉の判定を行い、全員が成功しなければならない。 失敗で強制的にぬか漬けを作らされる。全員「BS:憔悴3」を受ける。【9】
野宿をしていると、夜闇に紛れて、巨大蛇に乗った盗賊が襲いかかってきた! しかもその盗賊の首領は……へ、蛇先生ーッ!? 盗賊の襲撃を退けろ! 相手は保健室のマッドドクター、蛇元甲(シェアユェンジャ)! 全員が〈任意の戦闘技能〉-20%の判定を行い、全員が成功しなければならない。 失敗で実験体にされる。「毒2」「憔悴2」「浪費2」を受ける。【10】
美しい泉がある。その中から泉の精霊、清白鈴菜が現れた。キラキラしている。彼女は厳かに君たちに行く道の予言を授けようとして……。「いぎゃああああ!!!??? オトコ怖いいいいい!!!!!!」 悲鳴をあげてバリアを張って閉じこもってしまった! は、話せばわかる!(PCに女性しかいない場合も、彼女は服装で誤認し悲鳴をあげる) 全員が〈交渉〉-20%か〈心理〉-20%の判定を行う。誰か一人が成功しなければならない。 メンバーの中に女性PCがいる場合、-20%のマイナス修正が消える。 失敗でライフを2d6点失う。【11】
大鳥居そにあの石像がある。石像の口が開き、その中から「ふりだしに戻る」の看板が現れる。 しまった! 時空が歪む! このままじゃふりだしに戻される!! 全員が〈霊能〉-20%の判定を行い、誰か一人が成功しなければならない。 失敗でこれまでの「クリアしたイベントナンバーの合計数」が0になる。【12】
石造の巨大迷宮だ。中央で座禅を組んでいるのは……ゴーレムっぽい雰囲気の蔵前重蔵校長!「いやこれは困ったことになったのう、あのゲームは封印したはずだったんじゃが」「というわけでお主ら、巨大チェスで勝負じゃ。ほれ、魔法使いの映画であったじゃろう、あれじゃよ」 チェスの駒は自分! 校長先生を倒せ! 全員が〈作戦〉-30%の判定を行い、誰か二人が成功しなければならない。 失敗で決戦フェイズで「BS:疲労」を受ける。【エンドチェック】
□チャレンジを突破した【クエリー2:人生ってクソゲー】
【状況1】
数々の障害を乗り越え、君たちは巨大な山の麓に建つ氷の神殿へと辿り着く。 吹雪によって閉ざされた神殿の内部へと立ち入れば、神殿中が青白い光に包まれる。氷で出来た壁、天井、床に、幾何学でデジタル的な映像と音が流れ始めた。PC2は知っている、これはA-Zだ! 姿を現したA-Zは、君たちへ攻撃を繰り……出さない。【状況2】
『デジタルゲームであればワタシが干渉する余地もあったのですが、アナログゲームではお手上げです。ワタシに手はありませんけど』『大体、ゲームなどというものは時間の無駄です徒労です。 いわば精神の暴飲暴食、なんのフィードバックも持たない無用極まるもの。 味覚調整のためだけに費やされた添加物が如し。カロリーカットを目指すべきでは? もっと有意義なことに時間を使いましょう、今頃ベンツが買えるようになりますよ』 人間の遊興(と食の悦び)を全て無駄と切って捨てるA-Z。君はそんなA-Zの言葉に何を返そうか?【状況3】
『理解不能。やはり人類は愚か。リピートアフターミー「人類は愚か」。さあご一緒に! もっと心を込めて! 声が小さい!』『あなたがたの快進撃もここまでです。第一、ワタシを倒したところで、このゲームにまともなクリア条件があるとお思いですか? あのクソGM相手では、ルールなどいくらでも後出しでエラッタが充てられてしまいますよ。円盤投げにも使えない産業廃棄物、今年度クソゲーオブザイヤー堂々の受賞。やってらんねー』 A-Zはそんなことを告げながら戦闘態勢に入る。先へ進むには、彼を倒さねばなるまい。 A-Zが告げた「クリア条件」という言葉が、君たちの意識に残った。【エンドチェック】
□A-Zを倒し、先へ進んだ□グリットを1点獲得した□クリア条件はなんだろう?【クエリー3:魔王】
【状況1】
PCたちはA-Zを倒し、険しい山脈を乗り越え、ついに最後のダンジョンへとたどり着いた。 山頂、マグマが噴き出す火口付近にあったのは、巨大な円形劇場だった。中央のアリーナは競り上がり、組み上がり、ライブ会場か祭壇のような雰囲気を醸し出している。 祭壇の上には、ジマー(何故かカウボーイの格好をしている)が逆さ吊りにされている。怪鳥に攫われてここに連れて来られたのか、意識はないようだ。 PCたちが祭壇に近づこうとすると、薄暗い祭壇の周辺から一斉に花火が空へ噴き上がる。ロックでメタルなメロディが流れだす。そして…。「待ってたぜ〜〜〜〜! この瞬間(とき)をよォ〜〜〜〜ッ!!」 妙にパンクでロックでメタルでトゲトゲした格好をした、もう一人のジマーが現れた。【状況2】
「ワタシはジマーの心のダ〜クサイド的な場所から生まれたそ〜いうやつ! いわば闇のジマーさん! 魔王なので〜す!」 闇のジマーはPCたちを指差してマイクパフォーマンスをキメる。「こっちの善良なジマーを消滅させてしまえば、晴れてワタシの天下! 近所への騒音被害とかを顧みずに真夜中にギターをかき鳴らしたりしてやるぜ〜ッ!」「ワタシは悪なのでお前に答えにくい質問とかを投げかけてやる〜! 見てろよ〜! え〜と、あ〜っと……え〜……」「……あっ! 学校楽しい?」【状況3】
「わ〜! それはよかった〜! って、ちが〜〜〜〜う!」「話は終わりだ! あとはお前らをケチョンケチョンにしてやって、どんくさいワタシの方を始末してジ・エンド! ロックンロ〜〜〜〜ルの時間で〜〜〜す!」 激しいギターとドラムとベースの音がどこからともなくかき鳴らされる! なんとも締まらない相手だが、これが最後の障害だ!【エンドチェック】
□闇のジマーの質問に答えた□グリットを1点獲得した【決戦:呪いのゲームをぶっ壊せ!】
【状況1:現実】
「くっそ〜〜〜〜!!!??? あいつらなんで死なないんだよ! 相当の無理ゲーを要求してるんだぞ!? さっさとゲームオーバーになれよ!」 夕陽に照らされた無人の教室で、ゲーム・マスターは頭をかきむしる。 今の麻神学園は静かだ。窓の外から響いていた学生たちのざわめきは全て失われている。グラウンドにも、校内にも、関係施設にも、誰もいない。今の麻神学園は無人だ。 皆、ゲームの中にいるのだ。 だからあの邪魔者のヒーロー気取りたちさえゲームオーバーになれば、自分の邪魔をするものは誰もいなくなるのだ。そうすればあとはこのゲームとゲームの中の人々を使って、いくらでも好きなだけゲームができるのだ!「まあいいさ、僕はいくらでも続けられるけど、お前らは無理! リソースだって有限だ!」「今度の今度の今度こそ、ぜ〜ったいに無理ゲーだね! ヒーヒー言わせてやるぞ、覚悟しろ!!」 ゲーム・マスターは苛立たしげにサイコロを転がす。 その手元で、呪いのゲームボードにヒビが入ったことに、彼は気付いていなかった。【状況2:ゲーム内】
闇のジマーのシャウトと共に、魔法陣が展開され、中から武装した戦士が姿を現す。それはPC1がゲーム・マスターとのゲームに誘った三人のプレイヤー! 彼らは虚な目で、君たちへと武器を向ける。 それだけではない。溶岩の中から映像と音が迸り、倒されたはずのA-Zが復活してきたではないか!『言ったでしょう、この空間にまともなクリア条件などない。これはゲームですらない、ただの一方的な虐殺なのですよ』 そのA-Zの言葉に、君たちはピンとくる。 つまり本当に倒すべきは、目の前の敵ではない。この空間そのものだ。 呪いのゲームをぶっ壊せ、ヒーロー!【戦闘情報】
【戦闘情報】
・呪いのゲーム・A-Z・闇のジマー(軽音部部員(R2)のデータを使用)・呪いの戦士×3(R2のヘンチマンより3体を任意選択)【エリア配置】
■PC初期配置 エリア1or2■NPC初期配置 エリア4:闇のジマー、呪いのゲーム エリア3:A-Z、呪いの戦士×3【勝敗条件】
勝利条件:呪いのゲームの撃破敗北条件:PCの全滅【備考】
■「呪いの戦士」は、PC1がエントリー1で選んだ三人のキャラクターの設定に、GMが妥当と判断するヘンチマンのデータを適応すること。■ゲーム・マスターはこの戦闘の中、全てのキャラクターに対し、「ヴィーナス・オブ・ダイス」「プロレス・オブ・マウス」「リターン・トゥ・テーブル」のパワーを使用できる。 使用タイミングと効果はそれぞれのパワーに殉じるが、代償を払う必要はない(判定は要する)■PC2はグルメ倶楽部から渡された「クサシュー」を所持している。このイベントの中で一度だけ、R2エンハンスドのパワー「オーバードーズ」の効果を適応して良いものとする。タイミング・目標・射程は自由とする(自分に使うことも他人(敵も味方も)に使うこともできるということだ)。■ボス:呪いのゲーム
【エナジー】ライフ:60 サニティ:60 クレジット:70
【能力値・技能値】
【肉体】15 操縦60% 【精神】25 意志30% 知覚50% 【環境】30 作戦80% 経済70%【移動適正】地上・飛行・宇宙
【パワー】
■呪いのゲーム属性:弱体 タイミング:永続 判定:なし射程:なし 目標:自身 代償:なし効果:君は「属性:装備」のパワーのように扱われる。君のいずれかのエナジーが0になった時、「破壊」状態となる。何らかの方法で君を「破壊」状態にするパワーを受けた時、君のエナジーが全て残っているのであれば、君は三度まで破壊状態に耐えることができる。──老朽化で壊れかけている、誰も気づいていないけど。【シナリオの結末(一例)】
【獲得経験点】
・初期グリット:3点・クエリーグリット:3点・リマークグリット:想定3点--------------------------------------------------------合計:9点