でら♡ばす♡ぱにっく

〜身分証明書は必ずお持ちください〜


━━この作品はフィクションであり、 実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。

1.エントリーとシナリオ概要

【シナリオ概要】


 ナマモノヒーロージャンルの祭典、ヒーロージャンルオンリーイベント「ヒロケット」。 その会場に、デラックスマンと未来人バスカが何故か襲撃をかける!? 人間の欲望が渦巻く魔境の壁際で、地球侵略サークルのココロスちゃんの怪しい高笑いが響く。 ヒーローよ、オカズになってもらうぞ! コラッ逃げるな!

【事前情報】


 リトライ:2 初期グリット:3 クエリー:3 チャレンジ:2
 想定時間:3〜4時間 推奨経験点:お好きに

【GMに要するルールブック】


・基本ルールブック(R1)・学園マッドネス(R2)

【注意事項】

 このシナリオには「腐女子文化・BL文化・おたく文化」を著しく茶化すような内容や、同人文化に対する著しい揶揄・皮肉が含まれております。ギャグだとしても許せねえ! という方は学級会に発展する前に回れ右した方が無難です。 参加PCは全員男性を推奨します。

【エントリー】

【PC1:共闘する幹部、何も起きない筈がなく…】

 君はある日、フォーセイクン・ファクトリーのデラックスマンと未来人バスカが、最近協力して何かに奔走しているという情報を得る。 ヒーローサイドに知られるほどに犬猿の仲のはずの二人が、何故…? 何か大きな事件を企んで…? 君は調査を開始する。

【PC2:西クワトロからは逃げられない】

 君はある日、公園でたそがれていた地球侵略サークルの西クワトロを見つけてしまう。 君を見つけた西クワトロは、君に強引に相談を持ちかけた。「最近、拙者のカノジョの様子がヘンでしてなァ……」

【PC3:令嬢接待18歳以上の方のみお通りください】

 君はある日、G6のスポンサーのご令嬢の接待に向かうことになった。 どうしてヒーローがこんなことを? 呆れながらも向かった先で、ご令嬢は君にこんなことを言い出した。「時にお主、同人誌という文化を知っているかの?」「明日のオンリーイベントに着いてきてほしいのじゃ!」 差し出された薄い本には絶妙に隠された君のヒーローネームが…!

2.導入フェイズ

【シナリオトレーラー】


 ある者は言った。「コミケの売り上げはすごいらしいな。ヴィランでも絡んでるんじゃないか」
 ある者は答えた。「ヴィランが絡んでる本ならある」

           ──プライムバース・匿名掲示板のやりとりより抜粋。

【イベント1:共闘する幹部、何も起きない筈がなく…】

 舞台:夜の高架下 登場PC:PC1

【状況1】

 君はいま、フォーセイクン・ファクトリーの第一派閥「デラックス・デザイア」と、第二派閥「ウィンターステイシス」の間で行われる取引を偶然にも目撃し、その場に潜伏している。 現場には各派閥のトップであるデラックスマンと未来人バスカの姿はなく、取引は構成員だけで行われていた。一体どういうことだろう? 君はしばし様子を伺うことにした。

【状況2】

 取引を終えたデラックス・デザイアの構成員と、ウィンターステイシスの構成員は、雑談の中で意外なことを話し出した。「なあ、ちょっと聞きたいんだが、最近デラックスマン様の様子がおかしいんだ。バスカ様となにか動いているみたいなんだが、俺たちになんの通達もない。そっちで何か聞いてないか?」「なに? それは妙だな。こちらでも、バスカ様は最近、部下を連れずにデラックスマン様と何か動いているらしい。てっきりそっちの管轄になっているのかと思ったが」「うーん……まあデラックスマン様が一緒に動いてるなら、やべーことにはならないからいいか」「失礼な、うちの上司をなんだと思ってるんだ。……にしても、不仲で有名なあの二人がなあ。よっぽど重大な案件なんだろう」 構成員たちは雑談を終えると、素早くその場から撤収していく。どうやらデラックスマンと未来人バスカは、部下たちにも黙って、共謀して何かを企んでいるらしい。ヒーローサイドにも不仲で有名なあの二人が手を組むとは、これはただ事ではないかもしれない……君はより詳しく、この件を追ってみることにした。

【エンドチェック】

□デラックスマンと未来人バスカの暗躍を知った□調査に乗り出した

【解説】

 シナリオタイトルがこんなじゃなければ普通にシリアスなシーンだ。 PCは普通にシリアスなシーンとして演出しても大丈夫だろう。 むしろ最初はシリアスな方があとあとでギャップが響く。

【イベント2:西クワトロからは逃げられない】

 舞台:夕暮れ時の公園 登場PC:PC2

【状況1】

 君はパトロールの最中、たそがれた顔で公園のブランコに揺られる、地球侵略サークルの西クワトロの姿を目撃する。 西クワトロは物憂げな顔でこれ見よがしなため息を吐いており、手の中の美少女フィギュアを撫で回す手にも力がない。 君が西クワトロに声をかけずに通り過ぎようとすると、西クワトロは君の前に回り込んで再びあからさまな溜息を吐き続ける。しばしその行いが繰り返された末、君か西クワトロのどちらかが折れることになるだろう。 つまりは、話しかけるのだ。

【状況2】

「最近、拙者のジョカノの様子がヘンでしてなァ……あ、ジョカノは業界用語でカノジョ、つまりは恋人、ラヴァーズ、最近の言葉で言うならばカップルやアベックなる意味でして、ドゥフフッ!」 西クワトロは脂汗を美少女プリント付きタオルで拭いながら、(場合によっては強引に)君に相談を始める。 彼の話す「カノジョ」というのが、地球侵略サークルのリーダーであり、彼らにとっての姫である、ココロスちゃんであるということを君は知っている(ついでに彼女と恋愛関係にあると思っているのは西クワトロの妄想だということも知っていていい)。「前は一緒に見てくれた美少女アニメも見てくれませぬし、前は一緒に見てくれた百合漫画にも最近あまり興味が無さそうですし、ロボットアニメにはちょっと関心があるみたいだけど、予定があるとかであんまり遊んでくれなくなりましたし、それに何より、最近あの可愛いらしいおめめの下にクマがたっぷりついてるのですぞ! この前は薬局で栄養ドリンクを大人買いしてたのですぞ! これは……これはもう絶対……絶対ッ浮気に違いないのですぞォオオオッ!」 妄想に憤慨する西クワトロは、君の肩を掴み、顔を近づけ、唾を飛ばしながら君に告げた。「ヒーロー! 拙者のカノジョをNTRした不届きモノがダレなのか、一緒に調べて頂きたいッ! じゃないと拙者は、拙者は、拙者の中の熱く燃え滾る愛の炎がッッッッ自分で何をしでかすかッ分からないィィイイアアァアッッッ!!!」 激しく身をよじりながら、汗と涙と唾を飛ばして悶絶する西クワトロ。 君はこの男の脅迫じみた言葉を承諾してもいいし、無視してこの場を逃げ出してもいい。

【エンドチェック】

□西クワトロの話を聞いた

【解説】

 西クワトロのため息はものすごくわざとらしくかつ堂々とやろう。彼はヒーローがそこにいることを分かっていて、話しかけて欲しいのでこういうことをしている。何度でも鬱陶しく誘い受け的行動を繰り返そう。

【イベント3:令嬢接待18歳以上の方のみお通りください】

 舞台:お屋敷 登場PC:PC3

【状況1】

 ヒーローの支援組織として代表的なG6だが、金無しに組織を運営することは出来ない。G6の背後には、ヒーローたちの活動を支援するスポンサーがついている。 君はこの日、G6の依頼を受け、スポンサーの接待に向かうことになった。先方の希望ということもあり、チェイン(連絡役)は心底申し訳なさそうに、何度もぺこぺこと君に謝りながらこの依頼を持ちかけてきた。 スポンサー相手である以上、粗相をするわけにはいかない。こんなことがヒーローの役目なのか? 君は呆れながらも、致し方なく、スポンサーの豪邸へと接待に訪れた。 そして、そこでスポンサーの男性に告げられたのは、明日一日娘に付き合ってほしい、というものだった。

【状況2】

 君は執事たちに案内されて、スポンサーの令嬢、白光院 薔薇子(はっこういん・ばらこ)の部屋を訪れた。薔薇子は愛され盛りふわ縦ロールが豊かな弱冠12歳の少女だ。ヒーローフリークでもあり、PC3に会える今日を楽しみにしていたのだという。 案内された部屋は、ヒーロー関連のグッズや書籍が散乱している部屋だった。薔薇子は興奮した様子で君を歓迎する。「おぬしがヒーローの○○じゃな! うむ! ひーろーちゅーぶの動画で見た通りの外見じゃ! かっこういいのう!」 ……この口調は彼女が最近ハマっているアニメの登場人物の真似らしい。

【状況3】

 執事たちを下がらせると、薔薇子は君のもとに薄い本を持ってくる。そして君にこんなことを言い出した。「時にお主、同人誌という文化を知っているかの?」 薄い本の表紙には微妙に伏せ字になってる君のヒーローネームが記され、微妙に二次元ナイズされたヒーロー姿の君が描かれている。本の中では君の知り合いによく似たヒーローとの根も葉もないラブ・ストーリーが展開されていた。 君の知識の有無にかかわらず、薔薇子は得意げに君に同人文化について説明を始める。君はここで同人文化のなんたるかを多少理解してよい。薔薇子はその中でもヒーロージャンル、特にBLが好きらしい。 薔薇子は君に接待の目的を告げる。「明日有明で開かれるヒーローオンリーイベント『ヒロケット』に着いてくるのじゃ! コスプレということしておけば問題ないのじゃ! きっとおぬしも大人気なのじゃ!」 君の脳裏に土下座するチェインの幻影がちらついた。 君に逃げ場はない。今の所は。

【エンドチェック】

□薔薇子の依頼を承諾した

【解説】

 事実無根を訴える、関係性を否定するなどすると、薔薇子は「乙女の夢を壊すでないーーーー!!!」と泣きじゃくってじたばたと暴れ出す。しばらくすると落ち着く。

【NPC:白光院薔薇子(はっこういん・ばらこ)】

 G6のスポンサーである富豪の娘。弱冠12歳のお嬢様。 ヒーローたちの活動を積極的に応援している両親の影響で若くしてヒーローフリークとして育ったが、最近道を踏み外して腐女子に目覚めてしまった。特にお気に入りはPC3。 目覚めて間もないこと、実年齢が幼いことなどから、ネットリテラシーや二次元と三次元の線引きが曖昧であり、いわゆる『イタい』言動を悪意なく繰り返す。最近ハマっているアニメの影響で口調がのじゃロリ。数年経てば今日のことを思い出してベッドの中で悶絶するような淑女に育つことだろう。 彼女の両親も彼女自身も悪人ではないが、イタい。

3.展開フェイズ

【クエリー1:西クワトロが死んだ!】

 舞台:街中 登場PC:PC2

【状況1】

 君はいつも通りパトロールをしている。 昨日はなんだか奇妙な遭遇があった気がするが、思い出さない方がいいだろう。君が記憶を振り払いながら街を歩いていると、君の前に西クワトロが再び姿を現す。 しかし様子がおかしい。西クワトロは君の前に現れると、ふらりと揺らめき、「カハッッッッッ!!!」 突然血を吐いてその場に倒れた。(君が西クワトロを無視する場合、同じやり取りを繰り返し、周囲の通行人の眼差しが無視し難いものになっていく)

【状況2】

 西クワトロは震える手で君の腕を掴むと、君に血まみれのメモを押し付ける。メモには『東23C-ホ』と記されていた。 西クワトロは心底恐ろしく、おぞましいものを見たような声で君に告げる。「こ、ココロスちゃんを止めてくだされェ…ッ! 彼女は、彼女は間違っている……!」「そこに行くんだ! 間に合わなくなる前に…ッ! こ、このままじゃあデラックスマンと未来人バスカ、が、ぐふゥっ…!」 西クワトロは君に全てを託すと往来堂々気絶する。しばらくするとオンアーンヒゥナームとミケランジェロ・ドナテルロが西クワトロを回収しながら去っていく。(「恋人でもないのにアイドルのプライベートに触れちゃだめだってあれほど」「修羅場の苦しさを知らないなんて最低なんだナ! 産みの苦しみを知るンだナ!」) 後には君だけが残された。 どうしろっていうんだ。

【エンドチェック】

□西クワトロのメモと最後の言葉を受け取った□グリットを1点獲得した

【解説】

 西クワトロの動きはとにかく鬱陶しくわざとらしくやろう。彼はヒーローがそこにいることを分かっていて、話かけて欲しいのでこういうことをしている。何度でも鬱陶しく繰り返そう。 反面、彼は生粋の百合オタクなので、BLを受け入れることはできない。そのため、ココロスちゃんに何が起きているのかを、PC2に説明することはできない。魂が激しい拒否反応を起こすのだ。

【クエリー2:薔薇子のお願い】

 舞台:薔薇子の部屋 登場PC:PC3

【状況1】

 君は薔薇子に付き合って、明日のイベントの準備を進めていた。 薔薇子はSNSに載っているイベント告知の文面を指し示し、笑顔で告げた。「妾はこのサークルの本が欲しいのじゃ!」 示されたのは『英雄独房・完熟ヒーローズ』というサークル名で、サークル主は『ろすここchan』というハンドルネームの主だった。一週間前に投稿された告知には、『新刊あります! 現在もう一冊誠意製作中☆ 間に合え〜(汗)』という投稿がある。サンプルには肌色面積の多い二次元イラストナイズされた、君と思しきヒーローの絵が描かれていた。新刊のタイトルは『ガーディアンズセ■クス』。 そうしている間に、リアルタイムでSNSに新たな投稿が現れる。『追加の新刊完成しましたー!! やったー! 当サークルは全刊18禁となりますので、当日は年齢を証明できる身分証明書を必ずお持ちください☆』の宣伝文がパソコンのモニターに光っていた。 18禁といえばあの18禁だ。いわゆる年齢制限だ。18歳以下お断りのあれだ。白光院薔薇子の年齢は12歳だ。薔薇子は君に、何一つ悪びれない笑顔を向けた。「妾の代わりに買ってきて欲しいのじゃ! 買ったあとで妾に渡してくれれば良いのじゃ! 簡単なお使いじゃろ?」 曇りのない笑顔で君にそう言う薔薇子。 どうしたものか。

【エンドチェック】

□薔薇子のお願いに答えた□グリットを1点獲得した

【解説】

 スポンサーの令嬢ではあるが、ヒーローが強い意志でNOと告げるのであれば、「何故じゃー!」などと駄々をこねた末にしぶしぶ納得して引き下がる。どこまで駄々をこねるかはGMが好きに演出して良い。

【チャレンジ1:東23C-ホ】

 舞台:ビッグサイト 登場PC:全員

【状況1:PC2の場合】

 その日、PC2は、G6から急な依頼を受けて欲しい、と連絡を受ける。曰く、有明にあるイベント会場に、フォーセイクン・ファクトリーが襲撃をかけるかもしれないというのだ。 君に詳細を話した職員(何故か正式なチェインではなく、普段はバックヤードで働いている人物)は、慌てた様子で詳細を告げる。曰く、もともとイベントの主催者はファクトから脅迫行為を受けていたが、主催はそれを警察やヒーローに通報することなくイベントを敢行。昨夜からイベント会場前に入場待機していた民間人が被害を受けたことで、初めて事態が明るみとなり、G6の知るところとなったらしい。「開場まであと1時間もない…! すでに会場前は長蛇の列だ、今からじゃあイベントを止めることはできない。下手に止めたらパニックになるかもしれない」「君にお願いしたいのは潜入と監視任務だ。何事も無ければそれで良し、何か不審なものを発見したら対処してほしい。すまない、こんなに後手に回るなんて……」 依頼を話し終えた職員は、何故正式なチェインでない人物が説明を担当しているのかを尋ねられ、心底不思議そうに答えた。「なぜか今日に合わせて有給を取ってった職員が多くて……」 ほとんどが女性職員だったという。

【状況1:PC1の場合】

 君はデラックスマンと未来人バスカの動向について調査を行なっていたところ、昨晩遅く、有明にあるイベント会場付近でファクトの関係者と思しき者による暴力行為が発生したということを知る。病院送りになった被害者曰く、犯人はやたら頭がでかい男とやたら筋肉質な男の二人組だったという。 直後、G6から連絡が届き、君はG6からファクト関与の件を聞く。深夜の二人組とは、デラックスマンと未来人バスカなのだろうか? しかし何故? 兎角、君は現場へ向かうことにした。

【状況1:PC3の場合】

「楽しみなのじゃー!」 君と手を繋ぎ、キャリーバッグに腰掛け、日傘を差しながら、白光院薔薇子(12)は浮かれた様子で待機列でそわそわしていた。そんな時、君にG6からファクト関与の件の連絡が入り、君はファクトの件を知る。『既に現場にいるなら話が早くて助かる。そのまま現場の警備を続けてほしい』 職員は君にそう告げると通話を切った。薔薇子は何も知らない様子で浮かれている。開場は間もなくだ。周囲には、あまりにも大勢の人がごった返している……。(PC3がヒーロー姿の場合に追加:……周囲に並ぶ人々の視線が君に突き刺さるのを感じる。「本物?」「まさか、コスプレでしょ?」というささやきがちらほらと耳に入る……)

【状況2】

「みなさんの業のおかげで台風が逸れました」「太陽さんが暑くなってきました!本日、ここは地獄と化します!」「それではヒロケット、開幕でーす!」 スタッフの晴れやかな声と共に、待機列から拍手が湧く。扉が開かれると同時、待機列がゆるやかに動き始めた。「日傘閉じてくださーーーい!! 移動するよー!!! 傘閉じてくださーーい!!! 傘閉じてくださーーい!! 傘、傘閉じて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」「皆さん! 熱中症には気をつけましょう! 今年も生きて帰りましょうね!!」「ゴミ袋は総受けです、萌えないものも受け付けますよ」「今ここは40℃あります! サハラ砂漠を越えた何かです!」「走らないでください! 待機列は逃げません!!」
 スタッフたちのヤケクソじみた声が呼応する。最前列の人々が競歩で移動する。君たちは人の流れに流されるように会場入りを余儀なくされる。広々とした会場の中には、ごった返すような人と、ありったけの長机! その前に垂れ下がるのは……「腐女宮廷(オールファックコート)」「広水庵」「脳×筋工房」「亀本舗」「蜘蛛急便」「(GMの考えたサークル名を入れよう)」……ありったけの同人サークル名(ジャンル:ナマモノヒーロー)…! 負けるなヒーロー! 頑張れヒーロー! 守るべき市民の平和のため、とにかくいまは戦えヒーロー!–––––––––––––––––【チャレンジ内容】判定1:会場に不審物がないか探す…<隠密> or <心理>判定2:未来人バスカとデラックスマンを探す…<知覚> or <生存>判定3:本人ではなくコスプレですと言い張る…<交渉> or <隠密> or <意志>
失敗時の処理:憔悴4を受ける–––––––––––––––––

【状況3】

 あるヒーローは本人疑惑をかけられ、それをどうにか否定する。 あるヒーローは会場内に不審物がないかを探し、長蛇の列となっている女子トイレの隣、閑古鳥の鳴いている男子トイレの中に爆弾が設置されているのを発見する。 そしてあるヒーローは、会場裏手でぐったりとしている、デラックスマンと未来人バスカを見つける…!!
「ぜーっ、はーっ、ぜーっ、あのっ、爆弾はっ、本当に、効果が、ある、んだろう、なあ…!? げほっげほっ水よこせ水っ」「はーあっづ……当たり前だ…! どれだけ急ピッチで作ったと思っている…! うまく爆発しなければ貴様の設置ミスが全部悪い…! あっづう……あ、水ならさっき全部飲んだ」「殺すぞ貴様ァ!?」「お? やるか!? やらいでか!?」
 何故か部下を連れずに二人だけのバスカとデラックスマンは、妙に疲弊しながらも一触即発の雰囲気だ。そんなバスカの手の中には何かのリモコンが握られている…! 彼らはヒーローに気づいていないようだ。彼らが互いに気を取られている今なら、リモコンを奪うことも、爆弾を破壊することも出来るだろう!

【状況4】

「「しまった!!」」 ヒーローに爆弾を未然に防がれてしまったデラックスマンとバスカは、忌々しげにヒーローを見て叫ぶ。そして互いにアイコンタクトを交わすと(第三者から見ても「お前が悪い」「いや悪いのはお前だ」という意味のやりとりだとはよくわかった)、力を合わせて素早く会場の壁を破壊する! 彼らはヒーローには構うことなく、会場内の人々へと狙いを定める!
「ええい! 部下の目など気にせず、最初からこうしてやればよかったわ!」「数百人血祭りに上げてやれば、こんなイベントはあっという間にお釈迦だ!」「「まずは手始めに貴様らからだ!! 死ねェーッ!!」

【エンドチェック】

□未来人バスカとデラックスマンを見つけた

【解説】

 【状況3】以降で、PCたちは合流してもいいし、あえてバラバラに行動していてもいい。どのタイミングでPC同士合流するかは自由だ。 会場内にはPC達自身やPCの知人に関わるような本もあるかもしれない。会場の雰囲気は好き勝手にでっちあげて構わない。 デラックスマンとバスカはいまちょっと熱中症気味なのでいつも以上に頭が悪くなっている。そういうことにしておくと色々と便利だ。彼らが昨晩仕留めたのは徹夜組である。彼らに自覚はないが結果的に良いことをした。 白光院薔薇子は以後シナリオ中では特に出番が無いので、モブに紛れて被害を受けていてもいいし、偶然別行動をしていて以後ベローチェやサイゼリアでお茶をしていたということにしてもいい。彼女自身は全年齢向けの本しか買えないので暇だ。

【クエリー3:腐ったナマモノの扱いは丁重に】

 舞台:ビッグサイト 登場PC:PC1(PC2と3も登場していて良い)

【状況1】

 未来人バスカとデラックスマンは会場の人々を人質に取る形で、ヒーローへと相対する。 この騒ぎの理由を、二人は鼻で笑いながら告げる。「まったくふざけた催しだ、心底虫酸が走る」「二度とこんな催しを開けんよう、徹底的に叩き潰してくれるわ!」 彼らの目的はヒロケットを台無しにすることだ! 相対するPC1を見、デラックスマンはクックックと含み笑いを浮かべると、おもむろに近くのサークルスペースにあった一冊の同人誌を掴み上げて突きつける。「これを見てもこのイベントを守ろうと思えるかな、ヒーロー!」 その同人誌はPC1×PC2←PC3本だった! サークル主の声帯がヤベー音をあげた!

【状況2】

「『(PC2名称)、お前って意外と睫毛長いよな』」「『誤解だ(PC1名称)! 俺はお前だけが……』」「『男だからとか女だからとか関係ない、俺はお前だから…!』」「『(PC3名称)…!』」「(GMの考えるBLっぽいセリフを入れよう)」「(GMの考えるBLっぽいセリフを入れよう)」「おぼべっぼらぶっぽらったぱらっぱっっぱっぴゃらっぱーーーーーーー!!!!!!」
 デラックスマンと未来人バスカはPC1×PC2←PC3同人誌を朗読する。その横で作者と思しきサークル主が奇声をあげ身悶えし痙攣し長机にヘドバンを繰り返した末に動かなくなる。 ひとしきり朗読を終えると、デラックスマンは高笑いする。そしてそれをピタリと止め、同人誌を地面へと叩きつけた。
「実に下らん! 全く貴様らも報われんなァ!? 日夜悪党との戦いに精を出しているというのに、こんな形でオモチャにされているとはな!」「そ、そんな……私たちはきちんと隠れて、見つからないように検索よけとか……!」「知ったことか!」
 参加者たちのか弱い言葉を切り捨て、デラックスマンは地面に落ちた同人誌を踏みにじりながら、PC1へ尋ねた。
「それで? こんなふざけたものを売買し、貴様らを好き勝手オモチャにしているこの空間を、貴様らは本気で守るつもりか? 許せるのか? 受け入れるのか? そぉら言ってみろ、当事者の正直なコメントとやらをな!」

【エンドチェック】

□デラックスマンの質問に答えた□グリットを1点獲得した

【解説】

 デラックスマンはいまちょっと熱中症気味なのでいつも以上に頭が悪くなっているのだ。そういうことにしておくと色々と便利だ。 『GMの考えるBLっぽいセリフを入れよう』ゾーンはGMの考えるBLっぽいセリフを好きに入れて良い。 同人誌を踏みにじるシーンは残酷非道な感じに演出すると、ヒーローが反論を考えやすい。サークル主の手にはペンダコがあるかもしれないし、目の下には徹夜明けのクマがあるかもしれない。同人誌は裏を返せば愛のかたまりだが、ヴィランはそんなことはお構い無しだ。

【チャレンジ2:身分証明書は必ずお持ちください】

 舞台:ビッグサイト 登場PC:全員

【状況1】

「およしなさい!」 ヒーローたちとヴィランたちの間、一触即発の空気の中に、力強い声がホールに響く。「そ、その声は…!」「何者だ!」 泣き崩れていた参加者の一人が声に顔を上げ、バスカが声を荒げる。波が裂けるように人波が別れ、その先に座る一人の女の姿を示し出した。 色の濃いサングラスに、分厚い花粉用マスク、ふりふりのお洋服に、愛らしい緑色の髪(?)、その頭上でぴこぴこと怪しく動く触覚的な何かに、ここだけわざとらしいお嬢様口調……!「神聖なるヒロケットの会場で争うなど、たとえご本人様であろうとも、この壁サーの姫『英雄独房・完熟ヒーローズ』の『ろすここchan』が許しませんことよ!」「あれおまえ地球侵略サークルの」「別人でございますですわッッッッッ!!!!」 ココロ……HN:ろすここchanはバスカに中指を立てた。

【状況2】

「ええいっ、貴様邪魔をすr……カハァーーーッッ!!??」「なっ何い!? デラックスマン貴様いきなりどうしtグワァーーーーーッッ!!!!????」 啖呵を切るHN:ろすここchanの前で、デラックスマンとバスカが突然膝から崩れ落ちた。二人の前で、HN:ろすここchanは「ウッフッフ」と怪しげな笑みを浮かべながら、一冊の薄い本を手にしていた。「あなたたちの狙いはこれね!? 極道入稿と度重なる印刷屋との交渉の末に、昨晩完成したばかりの出来立てホヤホヤ超☆新作! 『でら♡ばす♡ぱにっく』(デラックスマン×未来人バスカ/A5/表紙込み44ページ/500円/年齢制限あり)! あまりに極道すぎてお品書きも間に合わない始末! 今回ばかりはダメかと思いましたわ!」「「ダメになっちまえば良かったんだそんなもん!!!」」

【状況3】

 高笑いを浮かべるHN:ろすここchan! 崩れ落ちるファクトの幹部2名! 壁サーの新刊に沸く待機列! あれ俺たちもう要らねえんじゃねえ? そんな空気がヒーローサイドににわかに流れだした、その瞬間! HN:ろすここchanのサングラスに隠された目が、ぎらりと怪しいハートマークにきらめいた。
「ヒロケットは乙女の花園、淑女の庭、一夜の幻、うたかたの夢……」「な・の・でぇ?」
 HN:ろすここchanの目が怪しく光り、頭上の触覚?がうねうねと蠢く。それに続くように、周囲の人々の息遣いが徐々に荒く激しくなっていく……ヒーローたちの周囲にいる人々も含めて。
「前から気になってたのよねえ……その覆面の下にどんな顔があるのかとか、実年齢どれぐらいなのかなあとか。美形派フツメン派魅せ筋派ガチ筋派ネーミングセンスないよ派あるよ派が界隈では定期的に学級会を起こすんだよね」「は!?」「その大きな頭の下、服を脱いだらどうなってるのかとかぁ……あ、界隈では『ひょろひょろの老人体系だよ派』『肉体は全て機械に置換されてるよ派』『中年太り派』『意外と鍛えてる派』『それはさておき萌え袖派』があるんだけど」「なんて!?」「(PC1のオタク界隈における風評を勝手に捏造して入れよう!)」「(PC2のオタク界隈における風評を勝手に捏造して入れよう!)」「(PC3のオタク界隈における風評を勝手に捏造して入れよう!)」「とか・とか♡とか☆とかあ!」
 自分で話してて盛り上がってきたココロスちゃ……HN:ろすここchanは、体をくねくねとくねらせると、うっとりと目にハートマークを浮かべ、スポットライトを浴びるアイドルのごとくに、パイプ椅子の上に立ち上がって叫んだ。
「聖域を土足で荒らす輩は、たとえご本人様であっても許さない♪ なーのーで♡ みーんなそろってふんじばってひんむいて、 一糸まとわぬあられもない姿にしちゃって、 リアル資料をスミからスミまで堪能しちゃうゾッ☆ さあ『みんな頑張って♪』、『私(たちのヒロケット)を守って♡』!」
 その瞬間、周囲の人々が、一斉に熱狂した雄叫びをあげる。会場は凄まじい一体感と熱気を帯びる。オーディエンスたちのテンションは最高潮だ。乙女たちの目はギラギラと欲望に猛り、飢えに飢えた狩人の目で獲物へと視線を向けた。その標的には当たり前のように、君たちヒーローも含まれていた。 なんてこった! バスカとデラックスマンだけじゃない! 君たちも狙われている! ヒーローよ、自分の身と貞操を守れ!
–––––––––––––––––【チャレンジ判定】判定1:逃げ出そうとしてる未来人バスカを捕まえる…<運動> or <作戦>判定2:デラックスマンの攻撃から民間人を守る…<白兵> or <意志>判定3:自分の貞操を守る…<生存> or <隠密>
失敗時:決戦フェイズ突入時、『BS:疲労』状態になる。–––––––––––––––––

【エンドチェック】

□どうにかした

【解説】

 デラックスマンとバスカは熱中症気味だがココロスちゃんは正気だ。 彼女は会場にいる大人のお姉さんたちを洗脳・支配し、暴徒と化させて欲望のままに襲いかからせる。暴徒と化した腐女子の群れはありったけおっかない感じに演出するといいだろう。これには流石にヴィランもビビる。 ココロスちゃんはあくまで正体を隠して活動をしているつもりなので、素顔も隠すし口調もわざとらしいお嬢様口調で喋る。しかしだんだんヒートアップしてくると、ぼろぼろと素が出てくる。

4.決戦フェイズ

【決戦:でら♡ばす♡ぱにっく】

 舞台:ビッグサイト 登場:全員

【状況】

「さあ、冬のネタはこれで決まり! みんなーっ、くんずほぐれつやっちゃってー!☆」 ココロs……HN:ろすここchanの力によって、暴徒と化した会場の皆さんが襲いかかってきた! 誰も彼もが飢えた狼のように正気を逸したギラギラとした目をしている……ここで倒れたら間違いなく、君の、何か言葉にできない大切なものが失われる気がする! 戦え、ヒーロー! 生き延びろ!

【戦闘情報】

【エネミー】

・ココロスちゃん(学園マッドネス120ページ)・未来人バスカ(基本ルールブック191ページ)・デラックスマン(基本ルールブック191ページ)・会場の皆様×7(ヘンチマン『予備メンバー』学園マッドネス128ページ)

【エリア配置】

■PC初期配置 エリア1・エリア2■エネミー初期配置 エリア4:ココロスちゃん エリア3:会場の皆様 エリア2:バスカ・デラックスマン

【勝敗条件】

勝利条件:ココロスちゃん、デラックスマン、未来人バスカの撃破敗北条件:味方の全滅

【備考】

・ココロスちゃんを倒せば会場の皆様は自然解散する・ココロスちゃんと会場の皆様には常に『BS:浪費10』がついている。・会場の皆様は毎ラウンド7人ずつ自動で補充される。・未来人バスカ、デラックスマンはココロスちゃんと会場の皆様達を標的に含めた上でランダムに攻撃目標を決定する。・バスカとデラックスマンには『BS:憔悴10』がついている。
・この戦闘で「死亡」「絶望」は「戦闘不能」として扱い、「汚名」になったとしても戦闘終了後解除される。その場合、経験点を獲得することは出来ず、代わりに「弱点:自分の同人誌」を取得する。

【戦法・難易度調整・演出に関して】

【エネミーの戦法】

 ココロスちゃんはエリア4から『魅了しちゃうぞ☆』でヒーローを攻撃する。ヒーローに攻撃された時は『私を守って♡』でダメージを射程内のヒーローか予備メンバーに押し付ける。彼女の『みんな頑張って♪』は、予備メンバーには回復以外の効果をもたらさず、またこのシナリオでは『BS:浪費10』が付与されている関係上、あまり出番はないだろう(予備メンバーは攻撃能力のあるパワーを持っていない)。 予備メンバーはエリア3から通常攻撃でヒーローに攻撃を行う。ヒーローがエリア1にいる場合は『殺到』を使ってエリア2やエリア1に移動すれば良い。予備メンバーはラウンド末に浪費10の効果で必ず戦闘不能になるが、次ラウンドから新しい予備メンバーが7人追加される。 未来人バスカ・デラックスマンの両名は、ココロスちゃん陣営(ココロスちゃん/予備メンバー)とヒーロー陣営(PC3人)の中からランダムに目標を決定し、攻撃を行う。ダイス次第で敵にも味方にもなり得るだろう。未来人バスカの『精神爆弾』の当たりどころが悪ければ、憔悴10の効果でデラックスマンが3ラウンド持たずに倒れるかもしれないが、そんなこともある。 バスカの『リセット』は、予備メンバーがヒーローを攻撃する際の援助や、ヒーローの攻撃を防ぐ/回避する際の自己援助に用いるといいだろう。場合によってはデラックスマンのパワーの補助に使用しても構わない。

【難易度調整】

 ヒーローが経験豊富で難易度に不安がある場合、GMは『予備メンバー』を別の攻撃パワーを持ったヘンチマンに置き換えてもよい。 ココロスちゃんの『みんな頑張って♪』をデラックスマンの『デラックスビーム』に適応させてみてもいいだろう。

【戦闘演出に関して】

 せっかくの特殊なシチュエーションを活かした演出を楽しむといいだろう。特に、このシナリオのエネミーは、どちらかというとショック攻撃がメインだし、敵には普段あまり見ないBSがついている。 例えばココロスちゃんの『魅了しちゃうぞ☆』のショック効果は、ヒーローたちのあられもない姿が描かれた年齢制限付き同人誌をつきつけたり、ヒーローを相手にした聞くに耐えないドギツイ妄想を口走っての精神攻撃としてもよい。 例えば、ラウンド終了時に『浪費10』を受けて倒れる予備メンバーは、推しの新刊を買えて尊いと呟きながら倒れても良い。 例えば、デラックスマンの『ブラックメール』でのスティグマ効果は、会場の醜聞がSNSに流出した結果、どこかで誰かの妄想の燃料になって新しいカップリングが誕生した、などとしても良い。

5.余韻フェイズ

各PC結末(一例)】

【戦闘終了後】

 デラックスマンとバスカが逃げ出し、ココロ……HN:ろすここchanが倒され、戦いが集結すれば、彼女の興奮に巻き込まれていた会場の人々は我を取り戻す。「え、一体何事……?」「あれ、会場が……」「なんかヒーローが戦ってたような、うーん」「あれっ、本物!?」 巻き込まれた人々は都合よく記憶を失っているようだ。急いでこの場を離れればパニックが起きることはないだろう。 HN:ろすここchanは一応イベント参加者の一人なので、そのまま医務室に搬送される。ヒーローやヴィランたちがいなくなれば、彼女は一参加者としてヒロケットを楽しみ、大人しく帰っていく。 かくして、戦いが終わり、イベントもひとまず無事に終わる。

【PC1の結末】

 あの戦いから三日後。君は再び、デラックス・デザイアとウィンターステイシスの取引現場に潜入している。今日もやはり、デラックスマンとバスカの姿はなく、取引は構成員だけで行われる。 取引終了後、ウィンターステイシスの構成員がデラックス・デザイアの構成員に尋ねた。「そういえば、デラックスマン様はどうしたんだ? 来ると聞いてたんだが」「それが、何故か三日ほど前から寝込まれているとかで。風邪でもひいたんだろうか」「なに? おかしいな、うちのバスカ様も何故か三日前から寝込んでいるぞ」「あの二人何してたんだ…?」「さあ…?」 三日前といえば、まさにヒロケットの激闘が繰り広げられたあの日のことだ。君は色々なものを察しながらも、今日の取引は見逃すのではなく、一斉逮捕に踏み切る為に、一歩足を踏み出すのだった。

【PC2の結末】

 あの戦いから三日後。君はいつもの通りパトロールをしている。その肩を、実に馴れ馴れしく西クワトロが掴み、ウキウキとした様子で一方的に彼のその後を説明してくる。「いやァ、ココロスちゃんはすっかり元に戻ってくれましてなァ〜! また一緒にアニメも見てくれるし、ロボの出来も褒めてくれまして! ヒーロー氏、なにかやったんでないですゥ〜? やるゥ〜! これには拙者も感服でござるドュフッドゥフフッ、なにせつい昨日も……昨日、も……?」 上機嫌に話していた西クワトロだったが、彼はふと何かを思い出したように足を止める。「……昨日のココロスちゃんは……締め切りがどうのとか……次は(PC2)本かなとか……ウッ頭がッ!」 BLに繋がる記憶に拒否反応を示した西クワトロは頭を抱えるが、ハッとした様子でPC2を振り返る。「まさか、ココロスちゃんをNTRしたのって……!?」 とんでもない誤解に巻き込まれた気がする。君はこれ以上面倒なことになる前に、慌ててその場を立ち去ることにした。

【PC3の結末】

 あの戦いから三日後。君は改めて、G6のスポンサーである富豪に呼び出され、先日の礼を言われる。「私たちではこの子の趣味はよくわかってあげられないものだから」「憧れのヒーローさんに会えたことがよほど嬉しかったのか、あの子、すっかり上機嫌で」 現場の実情を全く知らない善良な一市民の二人は君に感謝し、何か礼をしたいと告げる。そんな時、君の来訪を聞きつけ、白光院薔薇子(12)が自室から駆けつけてきた。薔薇子はPC3との再会を喜び、曇りのないまなこで君に尋ねた。「ところで(PC3)は受けなのかの? 攻めなのかの?」 だからなんでそういうことを本人に聞いちゃうんだこの子は!