胎児孕む胎児
胎児孕む胎児
──母子の執心永く恨みを報ひし事。
【共通エントリー】
君たちは盤外視座の一員だ。 鍾馗の命を受け、PC1が見た奇妙な夢の真相を探ることになる。【PC1:陰陽師の見た夢】
ここ数日、君は似たような夢を夜毎に見て、嫌な気分で目を覚ます日々が続いている。 夢の中では、分娩台の上、帝王切開での出産が行われている。しかし産まれた胎児の腹は妊婦のように膨れており、その中から別の赤子が生まれ、居合わせた医者や母子を食い殺すのだ。 君はこの夢のことを、鍾馗へと相談してみることにした。【PC2:真名鶴の悩み】
盤外視座の一員として妖怪退治を行う君は、同行していた真名鶴の様子がおかしい事に気付く。 退治後、問い質してみれば、彼女は悩みの理由を打ち明けた。「昨日、自殺しようとしていた女性を助けたんです」【PC3:資料整理のアルバイト】
君は黒不浄に雇われ、彼がこれまでに民俗学者として集めてきた資料の整理を手伝っている。 本の山に埋もれながら資料整理に勤しむ君たちのもとに、鍾馗の式神が現れた。「おう、お前達。その辺の資料持ってちょっと獄門街まで来い」【エントリー1:陰陽師の見た夢】
【状況1】
──夢を、見ていた。 ピッ……ピッ……ピッ……ピッ…… 「よし、そこ持って。ゆっくり……」 おぎゃあ おぎゃあ おぎゃあ 「ソナー準備。急いで検査を」 「映すぞ。せーの」 おぎゃあ おぎゃあ おぎゃあ ピッ……ピッ……ピッ……ピッ…… 「……なんだこれ」 「胎児の中に……胎児……?」 おぎゃあ おぎゃあ おぎゃあ ピッ……ピッ……ピッ……ピッ…… ジジッ……ジジッ……ブツッ…… (消える照明) ピチャン……ピチャン…… (滴る音) おぎゃあ おぎゃあ…… (絶える胎児の産声) をばれう をばれう ほぅ ほぅ (風切り音。揺らめく妖炎。梟の声) 「……いや、いやよ、おねがい、連れていかないで、その子は──…」【状況2】
君は目を覚ました。 目を覚ませば、そこにはいつも通り、記憶にある通りの寝室が広がっている。 またあの夢を見た。君の知らないどこか、病院のような場所。君の知らない誰かたちが登場する夢だ。 夢の中では、分娩台の上、帝王切開での出産が行われている。しかし産まれた胎児の腹は妊婦のように膨れており、その中から別の赤子が生まれ、居合わせた医者や母子を食い殺すのだ。 一度ならば悪夢。二度ならば偶然。しかし三度以降は……意味を持つ。 君はこの件を、盤外視座の首座・鍾馗へと相談してみることにした。【状況3】
「なるほどね、こわ~い夢を見てビビっちまった訳か? いやいや、冗談、冗談」「よく話してくれた」 一笑に伏されるかに思われた相談を、しかし鍾馗は存外にまっとうに受け止めた。「古来より、どこの流派でも夢ってのは意味を持つもんさ。吉夢、凶夢、ただの予兆かはたまた……さてこいつはどちらかね」「探る価値はありそうだ。追って式神を送る、数日待て」【エンドチェック】
□夢を見た□鍾馗に夢の内容を相談した【解説】
PC1が何故夢を見るに至ったのかは不明である。 無自覚のうちに嘉瀬さよこと接触していたのかもしれないし、偶然チャンネルが合ったのかもしれないし、案外嘉瀬家の遠縁なのかもしれない。 PCの設定に応じて自由に設定して良いだろう。あるいは、あえて最後まで触れず、不気味な余韻を残すのも手だ。 状況1の夢の描写は、あえて具体的な描写はぼかし、曖昧な効果音だけとしている。【エントリー2:真名鶴の悩み】
【状況1】
君は盤外視座の陰陽師として、夜の新宿駅に出没するというコインロッカーベイビーの怪異を退治した。 君たちにとっては、何てことはない雑魚だ。面倒な目撃者や被害者もいない、楽な仕事。 しかしその日、君と退治を同席した真名鶴はどこか上の空で、不調気味だった。 討伐は無事に完了したものの、君はそれが気にかかった。【状況2】
討伐を終え、君は真名鶴に理由を尋ねることにした。 真名鶴は申し訳なさそうに謝罪をしながら、理由を話す。「今日のお昼に、自殺しようとしていた人を助けたんです」「橋の上から、川に飛び込もうとしてたみたいでした。思わず声をかけちゃって……困ってることがあったら相談に乗りますよって言ったんですけど、やっぱり、何も話してもらえなくて。そのまま名前も聞けずにいなくなっちゃいました」「お腹が大きかったんです。太ってたんじゃなくて、多分あれは……妊婦さんだったんだと思います」「それで、色々考えちゃって。もっと違うことが出来たんじゃないかとか、私がしたことは間違いだったのかなとか……こういうことをしてる私に、彼女の人生に口出しする資格があったのかな、とか……」「……でも、それで討伐に影響を出したら、いけませんよね。本当にすみませんでした」 さて、この真名鶴の言葉に、君は何と返すだろうか。【エンドチェック】
□真名鶴の話を聞いた【解説】
真名鶴が助けたのは、後に登場する「嘉瀬さよこ」その人だ。 彼女は子供を産む勇気を持てず、子供と共に自殺をしようとした。そこに偶然にも真名鶴が声をかけたことで、彼女はひとまず、一旦は自殺を思い留まることになった。 真名鶴の相談に、PCはどんな言葉を向けてもよい。優しい言葉を向けるのも、厳しい言葉を向けるのも、君の自由だ。【エントリー3:資料整理のアルバイト】
【状況1】
君は黒不浄に雇われ、彼がこれまでに民俗学者・守屋幾太郎として蒐集してきた資料の整理を手伝っている。 勿論、盤外視座にそのような繋がりは本来存在しない。あくまでこれは金銭目的のアルバイト、ないしはいくらかの資料を譲り受けることを目的とした取引の一環である。「いや、助かった。ここ半世紀ほどすっかり整理を忘れていたものだから」「この倉庫の中のものなら、欲しいものがあったら適当に持っていってくれていいぞ」 長命である反魂人形がこれまでに集めてきた資料は膨大だった。 そこには津々浦々の妖怪や都市伝説、土着伝承にまつわる文献が多数存在している。【状況2】
本の山に埋もれかけながら資料整理に勤しむ君たちのもとに、鍾馗の式神が現れた。「おう、お前たち。丁度よかった、その辺の資料持って、ちょっと獄門街まで来い。じゃ、よろしく」 式神はそれだけ伝えてひらひらと紙に戻ってしまう。 黒不浄と君の目があった。 倉庫の周りを見た。 本の山があった。 ど、どの辺の?【状況3】
かくしてPC3と黒不浄が、獄門街・荒夜髭神社へと向かってみれば、そこにはすでに鍾馗とPC1、PC2、真名鶴の姿があった。「おー、来たな」 鍾馗は君たちを招き、目的を伝える。「PC1が近日観測している奇妙な夢だがな、こいつはいわゆる予知夢ってやつだと判断した」「近日中に、高確率で類似の事件が起きる。事が起きる前に知れたのは僥倖ってもんだ。見つけ出し、その根を摘め」 君たちは顔を見合わせる。 まずは協力しての、捜査が必要であるらしい。【エンドチェック】
□鍾馗の命令を受けた【解説】
PC3が黒不浄と共に本件に関与することになるシーン。 資料は持っていってもいいし、実際には持っていかなかったことにしてもいい。鍾馗も別に文句は言わない(どうにかして持っていって、荒夜髭神社の能舞台を資料まみれにしてもいい)【チャレンジ1:特定】
【状況1】
君たちはまず、夢に出てきた妖怪が何なのかについて調べ上げることにした。 呼び出された理由を悟った黒不浄が苦い顔で呻く。「あの人、俺のことをYahoo知恵袋か何かだと思ってないか?」「そもそも、PC1さんが見たという夢はどのような夢なのですか?」 真名鶴がPC1へ問う。 君たちはPC1から夢の詳細を聞き出しながら、調査に当たる。【判定結果1:人物について】
■嘉瀬さえこ(かせ・−) 獄門街の貧民窟にある独居アパートに住むくたびれた女性。 夫とは一年前にDVを理由に離婚しており、現在は一人暮らし。 胎に間もなく臨月を迎える子がいる。ソナー測定により、最近赤子に異常が確認され、近々帝王切開手術を控えている。 さえこ自身は養育の問題から、子を産むべきか堕ろすべきか迷っている。頼れる親類も居らず、幼いころから転居を繰り返しているため周囲に知り合いも居ない彼女にとっては、出産は難しい選択であるようだ。 彼女は真名鶴が救出した人物である。【判定結果2:場所について】
■場所:五所川原(ごしょがわら)総合病院 獄門街の中においても数少ないヴィランの影響が薄い病院。銀座商店街の中にある。 まともな医療をまともな価格で行う稀有な病院であり、獄門街で生きる数少ないまともな住人たちが頼れる場所の一つ。 PC1が見た夢では、この病院の医師や看護婦たちが、多数巻き添えになって死亡していることが確認されている。現時点では、彼らはまだ生きているようだ。【判定結果3:妖怪について】
調査の結果、夢の中には主に三種類の妖怪が登場していることがわかった。【状況2】
胎児が妊娠するという現象に関しては、合致する伝承は存在しなかった。「……となると、これは明確な予言というよりも、何らかの隠喩の可能性が高いな」「だが、これだけ情報が揃ってれば、推測は可能だろう。母親じゃあなく子供に顕現する怪異……水子絡みかもしれんな。だとしたら、ちょっと厄介だぞ」 黒不浄は告げる。「水子の祟りで一番恐ろしいとされてるのは、両親が正しい供養を行わなかった場合とされる。 というのも、もしそのまま親が何も語らず死んだ場合、『水子が居たという事実』を知る者が誰もいなくなるからだ。 矛先の消えた、宙ぶらりんの恨みだけがそこに残されることになる。 いかにも面倒そうだろう?」 黒不浄はそう告げた。【エンドチェック】
□特定した【解説】
チャレンジイベントの演出は自由にして構わない。 黒不浄の資料を使ったことにしてもいいし、各々の知識や技能を用いて情報収集をしたとしてもいいだろう。【クエリー1:生かすか、殺すか】
【状況1】
君たちの、その後の調査で判明したこととして。 嘉瀬さえこは物心ついたころから家族と共に転居を繰り返していたという。 さえこ本人は家族に言われるままそうしていたようで、詳しい事は知らないようだ。 一所に留まり続けていると、家族のみならず親しくなった人々にも奇妙な不幸が続き、結果的に長くその土地に留まる事が出来なくなるようだった。【状況2】
黒不浄が示した資料には、こんな文献が記されていた。【状況3】
「うーん、決まりだな。嘉瀬家の呪いが、おそらくは末代の彼女に至った。そんな所だろう」「となると、やるべきことはシンプルになった。嘉瀬さえこが病院に搬送される前に、彼女を殺せばそれで終わりじゃないか? 本人も死にたがってるみたいだし、楽でいい」 黒不浄は、至極当然のように、あっさりと冷徹な答えを導く。 それに、真名鶴が顔を顰め、おずおずと反対意見を述べた。「……本当にそれが、私たちのやるべきことなんでしょうか?」「仮に……さえこさんが自発的に死を望んでいたとしても、中の赤ちゃんの人生はどうなるんですか? まだ始まってすらいないのに!」 そう、今回は、いつもの調伏とは少しワケが違う。 だってまだ、『怪異は起きていない』のだ。 黒不浄がカタリと首を鳴らし、面倒くさそうにため息を吐く所作をした。しかし、彼の口から呼気は漏れなかった。「……そればかりは俺には分からん感情だな。お前たち側で決めてくれ」 さて、君たちは──どうする?【エンドチェック】
□嘉瀬さえこを殺すか生かすかを決めた(ルート分岐)□成長点ボーナス1点を得た【解説】
もしかしたら犠牲を0に出来るかもしれない、1の犠牲で済ませられるかもしれない。 しかし今の時点では、そのどちらも『可能性に過ぎない』。 そんな状況下で、PCたちはどんな選択をするだろうか? このクエリーの選択次第で、最後のイベントがリーサルイベントになるかチャレンジイベントになるかが分岐する。全体の難易度には、そう大きな変化は生じないことをあらかじめ伝えておくと良いだろう。【リーサル:生の渇望】
【状況1】
君たちは嘉瀬さえこを殺すことにした。 貧民窟の側。人払いの結界を張った暗い歩道橋で、嘉瀬さえこを待ち構える。 街の灯りが遠い異世界のように見えるその道を、大きな腹を抱えた女が歩いてくる。仕事帰りのようだった。 彼女は道の半ば、呻き声をあげて崩れる。腹の中の子供が、ひどく暴れているようだった。 虚な目をした彼女と、君たちの目が、面越しに合う。 異様なはずの君たちの姿を見て、嘉瀬さえこは疲れたように、安堵したように微笑んだ。「……楽にしてくれるの?」【状況2】
彼女は死を望んでいる。 だからこれは、ひどく、楽な仕事であるはずだった。 君たちは武器を構え、彼女の命を一息に刈り取ろうとし──異変に気付く。 赤子が泣く声がする。 産声にも似た、けれど決して産声には至らぬ声がする。 鳥の羽音。梟の声。揺らめく怪炎。怪異たちの足音。 さえこが悲鳴をあげ、腹を抱えて崩れ落ちた。 君たちは、彼女の腹から、人ならざる何かが生まれ出でんとしているのを察する。 赤子が泣いているのだ。 死にたくないと哭いているのだ。 まだ、生まれてすらいないのに!【エンドチェック】
□さえこを殺した【解説】
さえこを殺した場合のリーサルイベント。 さえこが死ぬことで、嘉瀬家を発端とするこれ以上の怪異は起きない。しかし既に発生した怪異であるたたりもっけや産女、イジコらは別だ。決戦イベントはそれらの後始末として行われることになる。 黒不浄・真名鶴は登場していることにしてもいいし、人払いの為に席を外していることにしてもよい。 こちらのルートの場合、さえこは死の間際、救われたような表情を浮かべ、PCたちへ礼を言いながら絶命する。【チャレンジ2:呪いの先に】
【状況1】
君たちは嘉瀬させこの命を奪うのではなく、別の方法を探すことにした。 そのためには、嘉瀬家にかけられた呪いの解呪方法を探らねばならない。ただ起きる悲劇へ対処した所で、それはその場限りにしかならないからだ。 君たちは呪いを解く方法を探る。【状況2】
嘉瀬家の敷地跡地に女の墓は存在するが、その子の墓というものは存在しない。 それどころか、子が居たという伝承すらも存在しない。 伝承が残された当時、七つに満たない嬰児は人と見做されることはなく、亡骸は適当に埋めたり燃やされたりのぞんざいな処理が施されることも珍しいことではなかったという。 当時、召使を孕ませたことが発覚する事を恐れた何某かが、水子を処分した。今となってはそれが誰かなどは分からない。けれどそれが嘉瀬の血筋の誰かだった事は間違いないだろう。 嘉瀬家に伝わる呪いは、殺された女の呪いである以上に、母を喪い自らも死した水子の呪いだ。 水子の呪いを解くには、水子の恨みを祓うしかない。そのために必要なものは、討伐ではない──供養だ。 呪いの正体が水子によるものであるならば、正しい解呪、正しい供養を行わなければ呪いが絶たれる事はない。 水子とは形を持たないまま、母の腕に抱かれず、父の顔を知らずこの世を去った赤子の魂。 供養には水子に名をつけ、魂に形を与えた上で弔いを行う事が水子供養の最も重要な点であるとされている。 全ての呪いの始まりを弔うには──始まりの水子の墓を、亡骸を、見つけ出さねばならない。【状況2】
青森の山中、人が住まなくなって久しい木々の中。 土を掘り返し、君たちはそれを見つける──手のひらに収まるほどの、小さな小さな古い壺。 蓋を開けば、その中には、半ば砂と化した小さな人骨があった。嬰児のものと思われる頭蓋骨が、ひび割れながらもおさまっていた。 呪いの発端はこれにて見つかる。 あとは、これを、祓うだけだ。【エンドチェック】
□水子供養を行なった【解説】
さえこを生かす場合のリーサルイベント。 水子供養を行なったことで、嘉瀬家を発端とするこれ以上の怪異は起きない。決戦イベントは最後の後始末として、水子の呪いに引き寄せられた妖怪たちの退治を行うことになる。 水子供養時には、PCたちによって水子へ実際に名前をつけてもらっても面白いかもしれない。発掘のシーンと合わせ、是非オカルティックな雰囲気をたっぷり演出してほしい。【決戦A:胎児孕む胎児】
【状況1】
深夜の病院。突然の破水を起こした嘉瀬さえこが担ぎ込まれる。 帝王切開予定日よりも早まった産気に、院内は緊張に包まれている。「おねがい、おねがいです、私はいいから、この子を、この子を…!」「何言ってるんですか! 両方助けますよ!」 痛みを堪えながらさえこがうわ言のように必死に医師に訴える。 医師はそれに応じながら、彼女を分娩室へと運び込んだ。これから出産が始まる。【決戦B:胎児孕む胎児】
【状況1】
「ありがとう」 さえこは最期、そう告げると息絶えた。 胎の中の泣き声も、弱々しくなり、やがて絶えていく。 呪いの連鎖は、これにて終わる。【戦闘情報】
【エネミー】
・ボス:たたりもっけ×1(後述)・幹部:産女×1(後述)・ヘンチマン:イジコ×3(後述)【エリア配置】
■PC初期配置 エリア1・エリア2■エネミー初期配置 エリア4:たたりもっけ エリア3:イジコ×3・産女【勝敗条件】
勝利条件:エネミーの全滅敗北条件:PCの全滅【備考】
・特になし■ヘンチマン:イジコ
【エナジー】ライフ:2 サニティ:5 クレジット:4
【能力値・技能値】
【肉体】10 生存75%【精神】35 追憶55%【環境】10 隠密85%【移動適正】地上・飛行
【パワー】
■怨恨炎属性:攻撃 判定:生存75% タイミング:行動射程:1 目標:1体 代償:ターン10効果:目標は〈運動〉で判定を行う。 失敗で1d6+2点のダメージと[延焼:4]を受ける。──母子の怨恨、積み上げられた恨みつらみは炎となりて。■幹部:産女
【エナジー】ライフ:25 サニティ:20 クレジット:16
【能力値・技能値・移動適正】
技能値・能力値・移動適性は真名鶴のデータを使用する【パワー】
■女ノ執心属性:強化 判定:なし タイミング:特殊射程:なし 目標:自身 代償:サニティ2効果:行動順ロール直後に使用できる。 このラウンドの間、 君が受けるダメージ・ショック・スティグマを-2、 君が与えるダメージ・ショック・スティグマを+2する。──女の情念、無碍にしたなら必ず報いを受くであろう。■ボス:たたりもっけ
【エナジー】ライフ:50 サニティ:50 クレジット:50
【能力値・技能値】
【肉体】50 技能なし【精神】50 技能なし【環境】1 技能なし【移動適正】地上・飛行
【パワー】
■血塗れの床属性:妨害 判定:なし タイミング:行動射程:3 目標:1エリア 代償:ターン10効果:目標(味方を除く)は〈運動〉-10%で判定を行う。 失敗でたたりもっけの指定する隣接エリアへ移動し、 [BS:転倒]を受ける。──血塗れの床が足を滑らせる。それはよくよく見たならば、血にまみれた嬰児の掌であった。【余韻A:さえこが生きている場合】
【状況】
たたりもっけら妖怪を退治し終えると同時、分娩室から赤子の産声があがる。 医師の喜びの声。看護婦らが慌ただしく走る音。「おめでとうございます、元気な男の子ですよ!」 産後の嘉瀬さえこが、憔悴しながらも、しかし幸せそうに我が子を抱き寄せ笑みを浮かべる。 彼らの今後に、幸いがあるかは分からない。 この世界は結局のところ、辛く、厳しく、残酷だ。 けれど少なくとも、この日、君たちの手によって、産まれることを許された一つの命があった。 呪いは晴れた。 それだけは確かだ。【シナリオ成長点】
シナリオ基本成長点:7点成長点ボーナス(クエリー):1点------------------------------------------------=合計:8点【余韻B:さえこが死んでいる場合】
【状況】
たたりもっけら妖怪を退治し終えると同時、獄門街にはいつも通りの夜が戻ってくる。 嘉瀬さえこの亡骸は、その後、警察の(あるいは君たちの)手によって、無縁仏として弔われることになる。「また祟られても困る。ガキの分の墓も作っておいてやれ」 鍾馗の言葉を聞き、君たちはさせこの墓の横に、小さな子供の墓を作った。 誰にも知られることのなかった母子の墓は、君たちの手にて、確かに弔われることになった。 呪いは晴れた。 それだけは確かだ。【シナリオ成長点】
シナリオ基本成長点:7点成長点ボーナス(クエリー):1点------------------------------------------------=合計:8点