ライズ・ライズ・ハイライズ!


──さあ、選手入場!
▼シナリオ本

1.エントリーとシナリオ概要

【シナリオ概要】


 地下闘技場『フラウィウス』。 それはある者にとっては、暇を持て余した末にたどり着く手頃な興奮の場であり、ある者にとっては望まぬ形で足を踏み入れる希望なき最期の地。 その土地において、ヒトとは高みより見下ろす君たちだけ。あとは等しく、盤上の駒だ。 さあ、もっと高く(ハイライズ)、もっと楽しく(ハイライズ)、もっと遊べ(ハイライズ)。 もっと、もっと──…!

【事前情報】


 クエリー:1 シェア:1 チャレンジ:2 リーサル:1 リトライ:2
 想定時間:2〜3時間 推奨経験点:0点〜10点前後。より経験豊富なPCがいる場合、エネミーを随時強化すること。

【GMに要するルールブック】


・基本ルールブック(BJR)・デッドラインヒーローズ基本ルールブック(R1)・デッドラインヒーローズ学園マッドネス(R2)

【シナリオ傾向】


 悪党向け。

【エントリー】

【共通エントリー】

 君たちはハイライズだ。掃いて捨てるほどの金と、悪趣味な暇を持て余し、遊興を求めている。 ある日、君たちは地下闘技場『フラウィウス』で戯れることにした。 さあ、他の参加者よりも、より良い駒を手に入れよう。

【PC1:ゴッズ・4・ハイア】

 君はボディガードとして、暗殺派遣会社ゴッズ・4・ハイアのエージェントを雇った。しかしボディガードというのは建前、彼らは地下闘技場での駒となるのだ。 エージェントは君の真意にまだ気づいていない。 楽しいゲームになりそうだ。●エントリー1:以下のエージェントの中から1人を選ぶこと。1:ガラテイア2:デスアダー3:ブリッツクリーグ4:ミズ・オペラ

【PC2:フォーセイクン・ファクトリー】

 君はフォーセイクン・ファクトリーの残党と取引をしている。彼らは負け犬だ。しかし未だ牙を捨ててはいない。『上手く使えば』十分に楽しめるだろう。 残党たちは君に逆らうことが出来ない。 さあ、たくさん遊ぶとしよう。●エントリー2:以下の残党の中から1人を選ぶこと。1:殺芽2:コールドテイル3:未来人バスカ4:デラックスマン

【PC3:ガーディアンズ・シックス】

 君はG6のスポンサーだ。世のため人のため、少なくない額をヒーロー組織様に差し上げている。それなら少しぐらい見返りがあったって許される、そうだろう? オリジン代表者の一人から接待を受ける、とかね。 さて、ヒーロー様の実力を見せてもらおうか。●エントリー3:以下のヒーローの中から1人を選ぶこと。1:グリムフェイス2:アシャ3:夜猫4:ヘルムズマン5:エターナル・ウィドウ

【エントリーについて】 NPCに対して強気な態度を取ることを楽しむタイプのシナリオだ。 いかにもハイライズらしいハイライズなPCの方が楽しめるだろう。
【地下闘技場フラウィウス】 世界各地にひっそりと隠されている、魔術で繋がれた扉を抜けることで辿り着けるアンダーグラウンド。 超人種による闘技場は獄門街の鼓魂闘技場をはじめ枚挙にいとまがないが、『フラウィウス』はその中にあっても特に悪名高い場所だ。 フラウィウスの一番の目玉は、出場者達の戦いそのものではなく、その勝敗と内容を巡って行われる観客達の社交と賭博にこそある。 フラウィウスの出場者の中で、己の意志でこの場にいる者は稀だ。なんらかの理由によって拒否権を失った者か、騙されて無理やり連れてこられた者がほとんどであり、大半は生きて闘技場を出られない。彼らは剣闘士ですらない、ただの使い捨ての駒なのだ。 この闘技場の戦いには栄光も名誉もない。観客達はその勝敗を予想し、残虐な遊興に耽り、断末魔と命乞いを指差して嗤う。 『フラウィウス』は、それだけの場所だ。

2.導入フェイズ

【エントリー1:ゴッズ・4・ハイア】

◆登場:PC1/ゴッズのエージェント◆舞台:好きな場所

【状況1】

 君のもとにゴッズ・4・ハイアのエージェントが訪れた。「今回、本件を担当する(名称)だ」「暗殺者をボディガードにご指名とは、ずいぶんな趣味をお持ちのようだ。まあいい、仕事はきっちりこなさせてもらうさ」(※口調や台詞はキャラに応じて変更しよう) いかにも雇われ者らしい、ビジネスライクでそっけない対応だ。しかしそれすら君にとってはスパイスでしかない。 彼らは君の『本当の目的』にまだ気付いていないのだから。 この先の予定を知っているのは君だけだ。

【エンドチェック】

□エージェントとのやりとりを楽しんだ

【解説】

 PCの設定によっては、過去にこのエージェントと面識があるかもしれないし、ないかもしれない。 ゴッズのエージェントは各人の性格の違いこそあれ、基本的にはプロフェッショナルとして、PC達の事情に深入りしてくることはない。態度も割り切ったものになるだろう。逆に言えば、多少PCが怪しい動きを見せたとしても、線引きのマナーを心得ている為、彼らは見てみぬふりをする。その結果、そのエージェント「個人」にとって、酷い目を見ることになるのだが……。 ゴッズ・4・ハイアのオーナーであるロード・ヘリオスに対し、本当の目的を伝えているか否かはPLとGMが好きに設定して構わない。

【エントリー2:フォーセイクン・ファクトリー】

◆登場:PC2/ファクトの残党◆舞台:好きな場所

【状況1】

 君の前には時代の敗北者どもがいる。 彼らは未だ再起を諦めてはいないようだが、戦いには金とコネが必要だ。「今は雌伏の時。しかしゆくゆくは我々の時代が再び訪れることになる」「良い取引になると約束しよう。損はさせない」(※口調や台詞はキャラに応じて変更しよう) 微笑ましい見栄は君からすれば滑稽にすら映る。 どんな大口を叩こうと、彼らは君という取引相手に逆らうことの出来ない、君の楽しい玩具なのだ。 さて、せっかくだ。どんな言葉をくれてやろうか?

【エンドチェック】

□ファクト残党とのやりとりを楽しんだ

【解説】

 フォーセイクン・ファクトリーの残党との対面シーン。PC2がどういった経緯で彼らの取引相手となったのかは、PLが好きに設定して構わない。もしかしたらもともとは敵対関係にあったのかもしれないし、かつては本当に仲間だったのかもしれない。 ファクトの残党達は、かつての興隆もあり、基本的には大物ぶろうとする。しかし実態として、今の彼らはPCに逆らうことは出来ない為、PC2からどんな提案を持ち出されたとしても、強くNOと言うことは出来ない。いずれはこの屈辱を返してやると腹の下で怒りを溜めているだけだ。 もっとも、そんな「いずれ」が来ることはないのだが。

【エントリー3:ガーディアンズ・シックス】

◆登場:PC3/G6ヒーロー◆舞台:好きな場所

【状況1】

「ヒーロー、(名称)。参りました」 君の前に堂々と立つのは、ガーディアン・シックスの映えあるオリジン代表者。「PC3さんにはいつも大変お世話になってますからね。自分に出来ることがありましたら何なりとお申し付けください。G6を代表して、自分がお応えしましょう」(※口調や台詞はキャラに応じて変更しよう) いかにもヒーロー然とした、頼もしさに溢れた言葉だ。しかしその瞳の奥で、彼らがいかに君という大口スポンサーに取り入ろうかと画策しているのが、君には手に取るようにわかる。 覇権争いの渦巻くG6は、今や陰謀とパワーゲームの坩堝だ。だからこそ付け入る隙がある。 これをチャンスと思うなら、ヒーロー様にはせいぜい実力を見せてもらうとしよう。 せっかくだ、まずは何をしてもらおうか。

【エンドチェック】

□ヒーローとのやりとりを楽しんだ

【解説】

 PC3はG6の大口スポンサーなので、ヒーロー達は基本的には失礼の無いようフレンドリーな態度で接する。しかしその腹の下で、自分たちの地位と派閥をより強固なものとする為、『個人的に』PC3へ取り入ることができないだろうかと思案している。 組織のスポンサーに対して失礼の無いようにするために、そして個人の目的のために、彼らはPC3の要望には出来る限り応えようとするし、無茶なことを言われてもNOとは言えない。接待のせいで大口スポンサーに降りられたなんてことになれば、彼ら自身の立場は取り返しのつかないことになるのだから。 グレート・ワンが選択肢の中にいないのは、彼女は個人的な目的・社会的な立場双方の理由でスポンサーに媚を売る理由がないからだ(もちろん、シナリオ上のバランスという理由もある)。

3.展開フェイズ

【シェア:ピックアップ!】

◆登場:全員◆舞台:地下闘技場『フラウィウス』

【状況1】

 手駒を揃え、君は地下闘技場『フラウィウス』へと向かった。 世界各地からアクセスできるその特殊かつ巨大な円形闘技場は、数多のハイライズ達の遊興の場であり、社交の場でもある。 入り口では仮面が手渡され、階段を降りていけば、その先に広がっているのは舞踏会のような華やかな空間だった。きらびやかなシャンデリアの下、豪華な食事が並べられ、美しい服に身を包んだ男女が上品に談笑を交わす。 その部屋の中央に置かれているのは巨大なスクリーンだ。スクリーンの中には、ここから更に地下に位置する闘技場の様子が映し出されている。今しがた勝負が決したところだったのか、画面の中では双頭の大男が、名状し難い不気味な怪物に足から貪り食われ、断末魔の悲鳴を上げているところだった。 君たちの傍で、君たちの駒が訝しげに声をかける。ゴッズ「やれやれ、あんたがボディガードを欲しがる訳だ」ファクト「……取引内容ってのは、まさか……」G6「えーと……自分はいま、何も見てないということでいいかな?」(※口調や台詞はキャラクターによって変更しよう)

【状況2】

 ふと視線を向ければ、自分の他にも、何も知らない様子の駒を連れている者達の姿がある。 開場まではまだ少し間がある。社交もここでの楽しみの一つだ。 まずは、ライバル達との楽しい交流と洒落込むとしようか。

【エンドチェック】

□フラウィウスに来た□PC同士で交流した□成長点ボーナスを1点獲得した

【解説】

●双頭の大男と名状し難い怪物 ツインヘッズとブ・ロ・ブ(出典:R1)。ツインヘッズは負けてしまった。

【クエリー:スポットライト】

◆登場:全員◆舞台:地下闘技場『フラウィウス』

【状況1】

 楽しい社交の時は瞬く間に過ぎていき、ついに君たちがエントリーしたゲームが始まる時間が訪れる。アラームと共に部屋の電気が落ち、けたたましいドラムロールの中に、色とりどりのスポットライトが室内を縦横無尽に照らし回る。 どこからともなく、地下闘技場の女支配人(ミストレス)の声が聞こえてきた。『レディース・アンド・ジェントルメン! 揃いも揃ってよくも来やがった外道ども! 今宵も最高のキチガイがエントリーをキメてくれたぜ! この世界じゃ勇気(グリット)はくたばった、 テメーの業(カルマ)をベットして、駒を盤上に放り込め!』『さあ、選手入場(リングイン)だァーーーーーーーーーーッ!!』 高らかと叫ばれる口上と共に、室内の機構が蠢き、人が一人入れる程度の檻が床から迫り上がってくる。それはPC達の傍にも。 覚悟を決めたように自ら檻の中へと歩み行く者もいれば、命乞いを叫びながら無理やり檻の中へと放り込まれる者もいる。 君たちの駒は、今起きている事態に呆然と、あるいは他人事のように達観している。 その背を押してやるのは、とても簡単なことだった。

【状況2】

 君たちによって檻に押し込まれた駒たちは、驚愕の表情で鉄格子につかみかかる。しかし数多の腕利き達を奈落へと引き摺り込んできた鉄格子はびくともせず、駒達は忌々しげに君たちへ言葉を投げかけることしかできない。
ゴッズ「契約違反よ、こんな話は聞いてない!」ファクト「良いだろう、やってやる。だが、約束を違えるなよ」G6「自分が何をしているか分かっているの!?」(※口調や台詞はキャラクターによって変更しよう)
 実に健気で哀れな訴えじゃあないか。 君たちの答えを聞かせてくれよ、天上人(ハイライズ)?

【エンドチェック】

□リングインした(させた)□成長点ボーナスを1点獲得した

【解説】

●女支配人 フラウィウスの支配者であり、進行役も担う謎めいた女支配人。正体不明。目的不明。実在不明。実情不明。 噂によれば、フラウィウス以外にも闘技場を営んでいるとかいないとか。 『この世界のすべてを知っている』と噂されるほどの膨大な知識を持つ謎の女。彼女は何故闘技場を営んでいるのか? 何のためにフラウィウスを作り出したのか? その真相は謎に包まれ、ハイライズ達の間でも様々な憶測を呼び続けている。

【チャレンジ1:鞭か剣か】

◆登場:全員◆舞台:地下闘技場『フラウィウス』

【状況1】

 部屋の中央に置かれたモニターに、地下の闘技場へと下ろされ、檻から歩み出てくる選手達の姿が映し出されている。 闘技場のの中央で、怪しい魔法陣が不気味に輝いた。『さあ、まずは前哨戦だ! トーナメントにゃ数がちっと多すぎらァ、まずは本戦に進む価値もないクソ雑魚どもを振るい落としてやろうじゃねえか!』
『今日の審判はコイツだ! 無垢で哀れな少年の魂とッ! 地上1300万人の命を贄としてッ! 遥か異世界から遠路遥々来てくれたッ!  蕃神ゴアダラァーックッッ!!』
 赤ん坊の鳴き声のような音と共に、魔法陣の中からおぞましい怪物が選手達の前に姿を現していく。モニター越しの観客達の興奮は最高潮だ。
『生き残るのは果たして誰だ、一番アツいバトルを魅せてくれるのは果たして誰だ!?  さあ、ベットだ、掛け金をテーブルに載せろ! もっと(ライズ)! もっとだ(ライズ)! もっと高く(ハイライズ)! もっと楽しく(ハイライズ)! もっと遊べ(ハイライズ)!』
 さあ、楽しい楽しいチャレンジ・タイムだ!
---------------■【チャレンジ判定】※この判定には全員が挑む必要がある
【1.賭け金を決める】①PCはヴィランを一人選び、何点のカルマを賭けるか(使用するか)を宣言する。 この時、PC間で指名するヴィランが被っても構わない。最低でも1点以上のカルマを賭ける必要がある。②GMは賭けられた(使用された)カルマを回収し合計する。③【バトルを楽しむ】へ移る
【2.バトルを楽しむ】①使用する能力値をランダムで決定する。②使用する技能をランダムで決定する。③各ヴィランの技能値で一度ずつ判定を行う。 判定に失敗したものは脱落とし、最後の一人になるまで同一の判定を繰り返す。判定に成功するたび、その判定には-10%の補正が累積していく。 全員失敗は引き分けとし、補正をかけずにもう一度判定を行う。 この時、GMはヴィラン本人のパワーで使えるものがあれば、使用してかまわない。(例:未来人バスカの「リセット」、グリムフェイスの「強運の星」、ガラテイアの「情報操作」など)④【バトルを楽しむ】の①~③を3回繰り返す。 順位が決まり次第【分配する】へ移る。(完全同着となった場合、最下位が決まるまで延長戦を行う)
【3.分配する】①勝利数に応じて、【賭け金を決める】で回収していたカルマを分配する。1位:全体の3分の2のカルマ(端数切り上げ)2位:全体の3分の1のカルマ(端数切り捨て)3位:0点 同着の場合、その順位のカルマを等分し分配する。 この分配の結果、カルマの上限値が本来の値を超えた時、上限値を変更して構わない。(つまり、PC同士が同じヴィランに賭けない方が、最終的に回収できるカルマの数は増える)---------------

【エンドチェック】

□ゲームを楽しんだ

【解説】

●蕃神ゴアダラック 醜い赤ん坊のような容姿をしたおぞましい怪物。本来ならば当然、こんな場所で軽々と召喚されるような存在ではない。何せ『蕃神』だ。 かつて蕃神スローターを召喚せんとしていたファクトのメンバーや、魔術に造詣の深いエターナル・ウィドウであれば、その恐ろしさを一段と強く感じることになるだろう。
●チャレンジ具体例【賭け金を決める】 PC1は「ミズ・オペラ」に5点のカルマを賭けた。 PC2は「未来人バスカ」に3点のカルマを賭けた。 PC3は「グリムフェイス」に4点のカルマを賭けた。各PCはそれに応じたカルマを使用済みとし、場に12点のカルマが出そろった。
【バトルを楽しむ】 1d4で1戦目の能力値を選び(4が出たら振り直しとした)、2=精神となった。 1d6を振り、精神の中から使用する技能値を決定した(6が出たら振り直しとした)。使用する技能は「追憶」となった。
 ミズ・オペラの追憶は35%。出目は42で失敗。 未来人バスカの追憶は100%。出目は23で成功。 グリムフェイスの追憶は18%。出目は11で成功。 ミズ・オペラは脱落。未来人バスカとグリムフェイスに-10%の補正をつけ、追憶で判定を行った。 未来人バスカの出目は32で成功。 グリムフェイスの出目は3で成功。 未来人バスカはグリムフェイスに「リセット」を使用。グリムフェイスは未来人バスカに「強運の星」を使用。双方判定を振り直した。 未来人バスカの出目は1で成功。 グリムフェイスの出目は100で失敗。 一戦目は未来人バスカが勝利した。グリムフェイスやミズ・オペラを巻き込みながらもゴアダラックに攻撃を加え、会場を沸かせた。
【分配する】 同様の処理を3回行い、結果が出揃った。結果はミズ・オペラが2勝、未来人バスカが1勝、グリムフェイスが0勝であった。 PC1は3分の2のカルマである8点のカルマを手に入れた。カルマが全快し、カルマの上限値が3点伸びた。 PC2は3分の1のカルマである4点のカルマを手に入れた。カルマを回復し、1点のカルマを使用した状態となった。 PC3はカルマを手に入れられず、4点のカルマを使用した状態となった。

【チャレンジ2:イカサマ】

◆登場:チャレンジ1で最下位になったPC◆舞台:地下闘技場『フラウィウス』

【状況1】

 召喚された蕃神ゴアダラックは倒れる。 選手たちも大勢が犠牲となったが、君たちの駒は全員無事のようだ。 賭けも盛り上がり、ある者の手には勝利が、ある者の懐には敗北が訪れている。 君はその中にあって、面白くない結果を手にしたものの一人。 寂しくなった懐に、ふと、悪い考えが脳裏を過った。──このゲームを、もっと面白く、刺激的にできないだろうか? そう、例えば……。 画面の向こうでひどく苛立ちを募らせている『彼ら』に、逆境からの逆転を君の手で恵んでやる、とかね。
---------------■【チャレンジ判定】※『チャレンジ1で最下位になったPC』のみが参加できる
■判定:自分の駒に力を与える…〈交渉〉or〈心理〉or〈経済〉■必要な成功数:1回■補正:全ての判定に+10%
■成功時:そのPCがエントリーで選んだ『駒』のパワーが強化される。カルマを1点回復する。■失敗時:エントリーで選ばれた『全ての駒』のパワーが強化される。---------------

【パワー強化リスト】

■ガラテイア クラック」の効果を『イベント終了時までガラテイアが選んだパワーを一つ未取得として扱う』へ変更。■デスアダー 「スネークバイト」の目標を3体に変更し、エリア4を『エリアタイプ:暗闇』とする。■ブリッツクリーグ 「プライド・オブ・ザ・ヒットマン」の成功率を200%に変更。■ミズ・オペラ 「妖艶な香り」で付与される朦朧の解除タイミングをイベント終了時に変更。■殺芽 「斬る!」の目標を2体に変更。■コールドテイル 「爪で切り裂く」の成功率を白兵150%に変更。■未来人バスカ 「精神爆弾」の効果に『憔悴:6』付与を追加。■デラックスマン ザ・ハートレスのパワーを全て使用可能とする。■グリムフェイス 「陣形変更指示」の効果に「味方の目標に『熱狂:50』を付与」を追加。■アシャ 「無重力発生装置」の効果に「味方に『移動適性:宇宙』を付与する」を追加。■夜猫 「暗視」の効果に「君のいるエリアは常に『エリアタイプ:暗闇』となる」を追加。■ヘルムズマン ザ・ティーチャーのパワー「レーザービーム」と「毒ガス」を使用可能とする。成功率はザ・ティーチャーの成功率と同じとする。■エターナル・ウィドウ 全てのパワーの射程を+1する。

【エンドチェック】

□駒を強化した

【解説】

●チャレンジ2 PCがどのようにNPCに力を与えるのかは自由に演出して構わない。 特殊な力や薬品を使ったのかもしれないし、ただお喋りしただけで、相手の戦意を高揚させたのかもしれない。●マウント このシナリオは、徹頭徹尾PCがNPCに対して上から目線でいられることを楽しむことを主な目的としている(普段はあんまり、そういうチャンスはないからね!) そのため、GMもNPCを動かす時は、悔しがったり、怒りを示したり、怯えたり、困惑したり、そういうロールを意識するといい。PLが乗りやすくなるはずだ。 「何のつもりだ…!」とか「絶対に殺してやるからな!」とか、「何故私がこんな目に」とか、そういうのがおすすめ。

【リーサル:周到なる罠】

◆登場:全員◆舞台:地下闘技場『フラウィウス』

【状況1】

 楽しい楽しいゲームは進む。 駒達が繰り広げる命がけの試合を、安全なモニターの向こうから、天上人たちが優雅に楽しんでいる。心の底から他人事として。 幾らかの試合が進み、駒の数が減ってきた頃合いだった。けたたましいアラームが鳴り響き、画面内の映像にノイズが走り始める。『わ、ヤベッ』 先ほどまで観客に景気の良い口上を向けていた闘技場の女支配人が、短く慌てた声を上げる。その声は直後、ノイズとなって通信の彼方に消えていく。 その時を待っていたように、画面の向こうの『駒』達が、一斉に動き始めた。先ほどまで一方的に嬲られるだけの『駒』でしかなかった彼らは、徒党を組み、システムをハッキングし、駒同士で手を組んで、闘技場そのものへと反旗を翻す! その中心に立っているのは……『チャレンジ2で強化されたNPC』の姿だ。 フロアの電気がブツンと落ちる。暗闇の中から、何かが迫り上がってくるような、ガラガラという金属音がする。 ガシャン! 何かが到着した音と共に、君たちへと冷たい殺意が向けられる…!
---------------■【リーサル判定】※この判定は一人のPCが複数の判定を行うことができない
■判定1:システムを復旧する……科学 or 経済■判定2:駒を見つけ出す……知覚 or 心理■判定3:襲撃を防ぐ……白兵 or 生存■補正:全ての判定に+10%
■失敗時:決戦時のエネミー全員を逆境状態とする。---------------

【エンドチェック】

□リーサル判定を終えた

【解説】

●中心に立っているのは 会場のシステムをハッキングしているのかもしれないし、周囲の駒たちを煽り立てるのかもしれないし、純粋な武力で以て場をひっくり返すのかもしれない。そのキャラクターに合った方法で自由に反乱を起こそう。 誰が中心に立っていても、あまり違和感はないはずだ。だってここに連れて来られたのは、誰も彼も、「元々そういう立場にいたものたち」ばかりなのだから。●冷たい殺気 物凄く怒ってる。そりゃそうだよね。

4.決戦フェイズ

【決戦:虐殺指令】

◆登場:全員◆舞台:地下闘技場『フラウィウス』

【状況1】

ゴッズ「契約は破棄、仕事は終わりです」ファクト「負け犬と見くびるのはここまでにして頂きましょうか」G6「接待はここまで。あなたには、私の手柄になってもらう!」(※口調や台詞はキャラクターによって変更しよう)
 ……とはいえ、だ。 これも結局、予定調和だ。 楽しいゲームもクライマックス。さあ、奴らにたっぷり教えてやろう。 お前達は所詮、駒でしかないのだということを。

【状況1:リーサル判定に失敗した】

ゴッズ「契約は破棄、仕事は終わりです」ファクト「負け犬と見くびるのはここまでにして頂きましょうか」G6「接待はここまで。あなたには、私の手柄になってもらう!」(※口調や台詞はキャラクターによって変更しよう)
 予定調和のシナリオは崩れ、君たちは追い詰められる。駒と嗤った、逆境に立っていたはずの者達が、今や君たちに牙を、刃を向けている。 君たちは高みから引き摺り落とされるのか……それとも? さあ、最後のゲームが幕を開ける!

【戦闘情報】

【エネミー】

・PC達が選んだ駒…全3体
『エネミー初期配置エリア』…エリア3か4(GMが自由に決定する)『PC初期配置エリア』…エリア1か2
『勝利条件』…敵の全滅『敗北条件』…PCの全滅
『特殊事項』 駒たちには展開フェイズの結果に応じた強化状態を適応する。 また、PC達が決戦で取れるアクションに、『買収』を追加する。
●全3体 まさしく呉越同舟。ヒーローもいるがそれはそれ。さすがの彼らも今は争っている暇はない。

■PC追加アクション

■買収属性:アクション 判定:なし タイミング:特殊射程:3 目標:1体 代償:特殊(効果参照)効果:PCがパワーの目標になった時に使用できる。クレジットを1点支払うごとに、そのパワーの成功率を-10%できる。このアクションで成功率が0%以下になった場合、ファンブルではなく通常の失敗として処理する。この効果は代償が払える限り好きなだけ累積させることができる。(※判定なしのパワーには効果がない)──金のない者に人権はない。

--------------------●買収 分かりやすさの観点から属性や射程などを記載するが、パワーではなくアクションである。 このアクションは複数人で同時に行っても構わない。その場合、効果は累積する。例)デラックスマンが「デラックスビーム(成功率90%)」の使用を宣言。それに合わせ、PC1がクレジットを4点、PC2がクレジットを5点支払った。デラックスビームの成功率が-90%され、判定は自動失敗となった。デラックスマンは代償としてターン10移動して終わった。●買収の演出 金をちらつかされて本人が動きを止めるのかもしれないし、周りにいるモブが買収されて肉盾になるのかもしれない。解釈は自由だ。

5.余韻フェイズ

【シナリオの結末(一例)】

【状況1】

 かくして戦いは幕を引き、楽しかったゲームもおしまいの時間だ。 余韻に浸る君たちの前には、徹底的に打ち負かされた哀れな負け犬が三匹ほど。 生かすもよし、殺すもよし、飼うもよし、野に放つもよし。この駒を、どう使うのかは君たち次第。 さて。次は何をして遊ぼうか、ハイライズ?

【シナリオ成長点】

シナリオ基礎経験点:6点成長点ボーナス:2点-----------------------------------合計=8点